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ルネサスエレクトロニクスなど、高性能車載ディスプレイ向けSoC「SH7769」をサンプル出荷

2011-10-03

3Dグラフィクスメータ等の高性能車載ディスプレイ向けSoC 「SH7769」を発売

〜人にやさしい高度なグラフィックスやカメラ画像の表示機能を1チップで実現〜


 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰)とその子会社、ルネサス モバイル株式会社(代表取締役社長:川崎 郁也)は、このたび、速度計、タコメータなど運転走行情報のグラフィックス表示やビューモニタのカメラ画像などを表示する高機能車載ディスプレイ(グラフィックスクラスター、グラフィックスディスプレイ)向けSoC(System on Chip:システムLSI)「SH7769」を製品化し、本日よりサンプル出荷を開始します。

 「SH7769」は、市場伸張により今後普及が見込まれる3Dグラフィックスメータおよびセンターディスプレイ等の車載ディスプレイ向けとしては当社初のSoCであり、(1)高性能CPUと高度な3Dグラフィックス機能、高解像度のディスプレイユニット、高性能カメラ画像表示機能や高信頼性システム用機能など、必要な機能を1チップ化、かつ小ピン外形で実現し、かつ(2)わかりやすい表示、操作性向上などの高度なヒューマンマシンインタフェース(HMI:Human Machine Interface)に対応したグラフィカルユーザインタフェース(GUI)表示や(3)カメラ入力における魚眼レンズの歪んだ画像補正が可能です。このため、高性能・高機能システムの小型化、低コスト化が図れます。
価格は5,000円で、2013年6月から量産を開始し、2014年6月には月産3万個を量産予定です。

<背景>
 近年車載ディスプレイには、計器類の表示に加え車内ネットワーク、マルチメディア等で増加する自動車情報を安全、かつ快適・明快な表現でドライバーへ伝達することが必要不可欠となっています。このため、3Dグラフィックスによるリアルな表示やGUI による操作性向上がハイエンド機器を中心に求められています。
 当社ではこうしたニーズに対し、車載ディスプレイ向け高性能マイコンを量産し、グラフィクス等の専用チップと組み合わせて使用頂く、もしくは車載情報機器向けSoCとして実績があり、グラフィクス機能と画像認識機能を内蔵した「SH−Navi3(SH7776)」を提供してきました。そして今回、車載ディスプレイ向けに必要な機能を厳選し、システムの誤動作を検出するための機能も含め1チップ化したSoC「SH7769」を製品化したものです。


<特長>
 「SH7769」の主な特長は以下の通りです。

(1)高性能車載ディスプレイに必要な機能を1チップ化し、小ピン外形で実現 
 新製品は、当社では初めて車載用ディスプレイ向けに特化したSoCであり、高性能CPUに加え、高機能な3Dグラフィックスエンジンや高解像度(1600×480ピクセル)に対応したディスプレイユニット、高性能カメラ画像表示機能、および高信頼性システム用機能等を1チップ化しています。加えて、外形が496ピンBGA(21mm×21mm)と小型かつ外部とデータをやりとりするピン数が少ないため、システムの小型化、低コスト化や開発期間短縮に貢献します。

 また、後方など等車外の周辺を監視するためのカメラや、ナビゲーション、ナイトビジョン等複数の情報を同時にドライバーへ伝達できるように最大3つのビデオ情報を入力することができます。特にカメラ入力において高速かつ低消費電力で魚眼レンズによる歪んだ画像を補正する機能IMR(Image Render)や、NTSCデコーダーを内蔵しており、外部部品削減によるシステムコストの低減に貢献することができます。

(2)多彩で、よりリアルな3D画像表示により、ヒューマンマシンインタフェースに対応可能
 3Dグラフィックスエンジンとして、英国Imagination Technologies Limitedの高度な3DグラフィックスIP「PowerVR SGX530」を採用しています。標準インタフェースで高性能なOpenGL ES2.0に対応し、リアルなインスツルメントクラスターシステムや車内情報をドライバーへわかりやすく伝達するための多彩で高度な3Dグラフィックス表示、操作性向上が図れ、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)表示を実現可能です。

(3)高性能カメラ歪み補正および画像の変形が可能
 カメラ歪み補正モジュール専用機能としてIMR−LSXと、任意の画像を補正するためのIMR−Xをそれぞれ1チャネル(1本)チップに内蔵しています。

 ・IMR−LSXは魚眼レンズを装着したカメラから入力された画像の歪みをフラットに補正することができます。チップに搭載している(ハードウェアによる処理)のため、CPUがソフトウェアに基づいて処理する場合と比べ高速化でき、低消費電力化が図れます。

 ・IMR−Xは画像データを、任意の形に変形することが可能でありHUD(Head Up Displayの画像変換としても使用可能です。また、同時に1つのデジタル画像入力からのデータと、HUD等への出力画像データを変換可能です。

(4)1067Mワード/秒に対応したDDR3−SDRAM インタフェースにより、超高速のデータ転送を実現
 3Dグラフィックス等のスムーズな表示のために、SH7769は1067Mワード/秒に対応したDDR3−SDRAMインタフェース(533MHz動作の16ビット専用バス)を搭載しており、最大で2.13Gバイト/秒と超高速のデータ転送を実現します。

(5)高信頼性システムを実現可能
 SH7769は、いち早くシステムの誤動作を検出するためPAM(Physical Address Management)およびDISCOM(Display Compare Unit)を内蔵しており、信頼性の高いシステムを実現可能です。
 ・PAM機能は、メモリや周辺機能のCPUやGPUのアクセスを制限し、監視する機能で、想定外のアクセスをした場合、アクセスを無効としCPUへ割り込みをかけることができます。
 ・DISCOM機能は、出力しようとしている画像データと実際に出力されるデータをフレーム毎に比較し、誤った情報が表示されていないか監視する機能です。

 こうした特長のほか、「SH7769」とDDR3−SDRAMに最適な降圧電源として電源IC(Multi Voltage Regulator)「R2A11301」を製品化しています。「SH7769」への出力電圧を微調整し最適制御できるため、消費電力を最大20%削減可能(AVS±35mVの場合の推定値)です。また、A/Dコンバータの内蔵により外付け部品点数を削減できるなど、複雑なディスクリート部品の組合せによる電源開発が本製品で省略できるため、システム開発期間の短縮や、部品点数の削減による低コスト化が図れます。

 開発環境としては、オンチップデバッギングエミュレータの「E10A−USB」を用意しており、ユーザのシステム開発向けには、アプリケーションソフト等のソフトウェア開発ツールとして使用可能なリファレンスプラットフォームを準備しています。
 なお、本製品のコア技術は、今後、当社新統合の車載情報機器向けSoC「R−Carシリーズ」にも踏襲していきます。新製品の仕様は、webサイトをご参照ください。
 http://japan.renesas.com/press/news/index.jsp


以上

 *PowerVR、SGXはImagination Technologies Limitedの登録商標または商標です。
  OpenGLはKhronos (クロノスグループ)の許可を得たSilicon Graphics Inc.の登録商標、OpenGL ESのロゴは商標です。
  その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


 ※ 製品画像は、関連資料参照

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