神戸製鋼、ＰＨＥ向け潤滑プレコートチタン板と高伝熱チタン板を販売

チタン　プレート式熱交換器用新製品の開発・販売

〜世界で初めてとなる高性能のチタン薄板製品を商品化〜


　当社は、このほど、純チタン薄板分野の主力用途先であるＰＨＥ（プレート式熱交換器）向けに２つの新製品（潤滑プレコートチタン板・高伝熱チタン板）を開発し、１０月より販売を開始致します。２つの新製品は、ＰＨＥの性能向上に寄与するだけではなく、環境・省資源にも配慮した製品であり、純チタン薄板にて世界で始めて当社が商品化に成功致しました。今後、造船向け・陸上プラント向けに需要拡大が期待出来るＰＨＥ分野の国内外の需要家向けに積極的に拡販を行って参ります。

（１）潤滑プレコートチタン板
　チタン薄板に潤滑被膜をコーティングすることにより、需要家におけるＰＨＥ製造工程にて高いプレス成形性と生産性が得られる新製品です。この潤滑プレコートチタン板を使用することで、プレス時に潤滑フィルムを使用する場合と同等の高い成形性が得られるため、潤滑フィルムの使用を削減することで、フィルム着脱に伴うコストや、使用済みフィルムの廃棄処理を省略することが可能となります。
　プレス成形時にプレス油を使用する場合では、同じ素材ならば従来よりも約１０％深く成形することが可能となるため、ＰＨＥ設計の自由度が広がります。また、素材強度をワンランク上げても同じプレス深さが得られるため、機器の強度アップによる高性能化、または板厚を約１０％薄くすることによる素材使用量の圧縮が可能となります。これにより、機器の低コスト化によるチタン製ＰＨＥの需要拡大が期待出来ます。
　尚、使用する被膜はプレス油洗浄で用いられるアルカリ脱脂により容易に除去が可能で、かつ環境に優しい成分で構成されております。

（２）高伝熱チタン板
　チタン薄板の表面に微細な突起を付与した加工を施すことにより熱伝達を向上させることが出来る新製品です。この高伝熱板を使用することで、媒体沸騰型の熱交換器における熱伝達効率は、１０％以上の向上が期待され、機器設計を変更することなく性能アップが可能となります。　
　また、熱伝達の向上により、伝熱プレート（チタン板）の枚数を減らすことが可能となり、同時に熱源として用いられる流体の量を減らすことが出来ることで流体の循環に必要なポンプ動力の低減による機器のスリム化、低コスト化等が図られ、チタン製ＰＨＥの需要拡大が期待出来るとともに、省エネルギーや省資源に寄与して参ります。


　神戸チタン
　http://www.kobelco.co.jp/titan/