Article Detail
小林製薬、漢方薬「防風通聖散」の食事から摂取されるコレステロールの吸収抑制作用を確認
漢方薬「防風通聖散」の抗肥満作用の機序の解明
「防風通聖散」が、食事中のコレステロール吸収の抑制に関与することを示唆
―8月27−28日 第28回和漢医薬学会学術大会にて発表―
小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林 豊)は、名古屋市立大学 大学院 薬学研究科 医療分子機能薬学講座 生薬学分野 牧野利明 准教授との共同研究で、肥満症の効能をもつ漢方薬「防風通聖散」の作用について研究を進めてまいりました。
今回、「防風通聖散」が、食事から摂取されるコレステロールの吸収抑制作用を消化管上皮細胞を用いた試験系を用いて確認し、研究成果を、「第28回和漢医薬学会学術大会」にて発表いたしました。
【研究結果】
防風通聖散は、消化管上皮細胞(Caco−2細胞)でコレステロールの取り込みを抑制した。
その効果は、エゼチミブ(小腸コレステロールトランスポーター阻害剤)と同等な作用を示した。防風通聖散の構成生薬のうち、キキョウとショウキョウにおいてコレステロールの取り込み抑制作用がみられた。
【考察】
防風通聖散は食事中のコレステロールや胆汁酸の消化管からの吸収を抑制することにより、脂質異常症を改善する可能性が推測された。本作用は、防風通聖散の効能の一つである肥満症に対する機序の一端を担う可能性がある。
今回の発表で、防風通聖散の新しい薬理作用の可能性が示され、今後、研究を進めることで防風通聖散の作用が科学的に解明される可能性が示されました。
弊社では、西洋医学的な作用メカニズムの解明が困難な漢方薬の効果やメカニズムの研究を深厚することで、広く生活者のセルフメディケーションに活用することができる、製品の開発に取り組んでまいります。
<一般用漢方薬 防風通聖散>
【構成生薬】
トウキ、シャクヤク、センキュウ、サンシシ、レンギョウ、ハッカ、ケイガイ、ボウフウ、マオウ、ショウキョウ、ダイオウ、ボウショウ、ビャクジュツ、キキョウ、オウゴン、カンゾウ、セッコウ、カッセキ
【効能効果】
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症
※「研究成果 概要」などは、添付の関連資料を参照