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富士通研究所と早稲田大学、業務改善に向けた施策の効果を事前に検証する技法を開発
顧客サポート業務の改善策の効果を事前に検証し、ビジネスの意志決定を支援する技法を開発
担当者の知識やスキル獲得度合いなどの見えない要素をモデル化
早稲田大学(注1)理工学術院高橋真吾教授と株式会社富士通研究所(注2)は、顧客サポート業務において、業務改善に向けた施策の効果を事前に検証する技法を開発しました。顧客サポートでは担当者ごとの業務知識に差があるため、熟練者に欠員が生じると業務に支障をきたしてしまうケースが多くみられます。しかし、情報共有や教育などの改善策を取ろうとしても、その効果を事前に検証することができないため、カンと経験に頼らざるをえない改善策しか行えませんでした。
今回、社会科学の現場調査法であるエスノグラフィー(注3)と社会シミュレーション技術(注4)を応用することで、担当者の知識やスキルの習得度合いを現場調査によってモデル化し、改善策の効果やリスクを事前に検証することを可能にしました。これにより、顧客サポート業務における改善策の候補から効果が高いものを比較検討することができるほか、これまでにない新しい施策アイデアが創出される可能性もあり、現場の業務改善につなげることが期待されます。
本技法の詳細は、9月19日(月曜日)からフランスのモンペリエで開催される国際会議「ESSA 2011(European Social Simulation Association Conference)」にて発表いたします。
〔図1 サービス業務の改善〕
※添付の関連資料を参照
<開発の背景>
サービスは、「生産すると同時に消費される」「顧客によって要求が異なる」といった特性を持ち、アウトプットは実体化しません。担当者の知識やスキル、コミュニケーション能力などの人間的要素が強く影響する顧客サポート業務において、サービス向上の施策を取り入れることは、企業の生産性向上の取り組みの中でも大変重要になっています。
<課題>
顧客サポート業務においては、業務が担当者の知識やスキルに強く依存しているため、欠員時のリスクが大きいという問題があります。しかし、知識やスキルと生産性の関係が見えないため、改善策を事前に検証することができず、施策はカンと経験で実施するしかないという問題も抱えています。たとえば、ジョブローテーションや業務マニュアル作成などの施策を実施したが、一向に生産性が上がらないという組織も見受けられます。このため、担当者の知識やスキルを考慮し、生産性を向上させることができる”納得性の高い施策”の発見が課題となっていました。
※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照