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VGJ、フランクフルトモーターショーで「ビートルR コンセプト」と「ビートル フェンダー」など公開

2011-09-17

<ビートルR コンセプト>


スポーツカーとしてのビートル
「ビートルR コンセプト」のデザインスタディを世界初公開

20インチホイールを装着し、フロントとリアのデザインをカスタマイズ
室内には豪華なナパレザーで表装したスポーツシートを採用


ウォルフスブルグ/フランクフルト、2011年9月
 フォルクスワーゲンのモデル名に追加された「R」の文字は、卓越した走りの性能を表します。 このシリーズのモデルは、現在ハイパワー ターボエンジンを搭載したゴルフR(199kW/270PS)とシロッコR(195kW/265PS)の2台が存在しますが、今回のフランクフルト国際モーターショー(IAA)で、フォルクスワーゲンは、3番目のバリエーションである「ビートルR コンセプト」を初公開することになりました。

 このクルマのベースになったのは、先に発表した「21 世紀のビートル」であり、ゴルフR、シロッコR 同様、ウォルフスブルグ近郊に本拠を置くフォルクスワーゲンの子会社、フォルクスワーゲンR GmbH が開発を担当しています。 現時点ではまだデザインスタディに過ぎませんが、ビートル2.0 TSI を運転したことがある人であれば、そのポテンシャルの高さは容易に想像できるでしょう。 「R」の名称が与えられたモデルの1 台として、ゴルフR やシロッコR に匹敵する性能ポテンシャルを発揮するに違いありません。


■20インチホイールを採用したエクステリア
 ボディカラー「シリアスグレー」のビートルR コンセプトは、視覚的にも将来の生産仕様を予告するものになっています。
 エクステリアにおける第一の特徴は、ゴルフR、シロッコRと同じ「タラデガ」デザインのアルミホイールでしょう。
 ただし、ゴルフR、シロッコRのホイールがそれぞれ18インチ、19インチであるのに対し、ビートルRコンセプトのホイールは20インチであり、その5本のスポークの隙間からは、ブルーにペイントされたR仕様専用のブレーキキャリパーが見えます。


■よりワイドになった専用バンパー
 フロントとリアのバンパーは、まったく新しいデザインになり、幅も30mm広げられています。フロントバンパーには3つのエアインテークが設置され、それらはボディとは対照的な「ブラックハイグロス」でペイントされています。3つのエアインテークのうち中央部分はエンジンにエアを送り、残りの2つはブレーキの冷却を補助するためのものです。同じく、「ブラックハイグロス」でペイントされたフロントスポイラーは、フラットなスプリッター(クロームのストリップ入り)として機能するようデザインされていますが、この種のスプリッターはモータースポーツでもよく見かけるものです。極限状態でもエンジンの温度を最適な範囲に保つために、エンジンフードの左右にもベンチレーション用エアスロット(エア排出ベント)が設けられています。

 エアスロットは、リアバンパーにも設けられ、ビートルRコンセプトの空力特性を高める役割を果たしています。また、リアバンパー下方には、一体型のデュフューザーを設けました。最大200PSの現行ビートルのものより大型化され、後方に突き出た部分がブラックにペイントされたリアスポイラーなどとの相乗効果により、後輪にかかるダウンフォースは理想的な値が得られています。もう一つ、ビートルRコンセプトのリア部分で視覚的にも音響の面でも注目に値するのは、クローム仕上げされた2セットのデュアルテールパイプを備えたエキゾーストシステムでしょう。

 ボディ両側で前後のバンパーは、独立した前後フェンダーと段差なく連続していますが、そのフェンダー自体の張り出しも通常のビートルより左右15mmずつ大きくなっています。サイドシルは、やはり「ブラックハイグロス」でペイントされ、さらに最高級のクロームトリム仕上げとなっています。「ブラックハイグロス」ペイントは、ほかにもルーフとそれに連なるトランクリッドの上部、ドアミラーハウジング、ドアハンドルに使われています。


■ナッパレザーのスポーツシートを採用したインテリア
 Rモデルの慣例に従い、インテリアも専用のカスタマイズが行われ、スポーティなイメージが強調されています。グレーのヌバックレザーで作られた「エルゴパッド(人間工学的パッド)」を備えたフロントシートは、ドライバー、助手席乗員用ともにモータースポーツで使うようなシェル型デザインになっており、表張りには上質なナパレザーを使用しています。このシートには「R」のロゴが型押しされ、ステッチとパイピングのカラーには「スペースブルー」が使われています。

 エクステリアで多用された「ブラックハイグロス」のカラーは、インテリアでもダッシュボードのアクセントや、ギアシフト クラスター周りの装飾パーツにも採用されています。また、インテリア担当のデザイナーは、メーター類にも専用のデザインを施しました。
 通常のビートルと異なり、ドライバー正面のメーターパネル(スポーツカーの流儀でタコメーターを中央に配置)とセンターコンソール上の補助メーター類のデザインが変更されています。
 ほかには、「R」のロゴ入りドアシルプレート、表面につや消しのアルミニウムを用いたペダル類などが専用装備となります。さらに、シートのブルーのパイピングとカラーコーディネイトするため、布製のフロアマットはブルーとブラックの2重の縁取りを配しています。



<ビートル フェンダー>

さあ、音楽を奏でよう!
アメリカの伝説的ブランド、フェンダーがビートルの開発者にインスピレーションを提供

アメリカの伝説的ギターブランドへのトリビュート
サブウーファーにエレキギターを接続できるフェンダーサウンドシステム

 新しいビートルはヨーロッパで、ギターとアンプの有名ブランドであるフェンダーのサウンドシステムをオーダーできる最初のクルマになりました。今回のフランクフルト国際モーターショー(IAA)に於いてフォルクスワーゲンは、このアメリカの伝説的ブランドへの敬意を込めたコンセプトカーを出品しています。
 そのクルマは、カスタマイズされたスタイルとエレキギターを接続するためのインターフェイスを備え、ハイグレードサウンドシステムを装備した、極めてエクスクルーシブなモデル、「ビートル フェンダー」です。

■19インチホイールとレザー張りのルーフ
 エクステリアは艶と輝きのあるブラックでペイントする一方、サイドウインドーには、明るいレッドの縁取りを配しました。同じようなラインは、フォルクスワーゲン デザインによって特別にカスタマイズされたエレキギター「フェンダー テレキャスター」でも採用されています。

 さらに、ビートル フェンダーのスタイルで特徴的なのは、多用されたクロームとアルミでしょう。
 クロームは、ドアミラーハウジング、ドアハンドル、サイドウインドー下のトリムストリップ、サイドシルのアクセント、VWバッジ、エキゾーストシステムの2本のテールパイプなどに採用されています。また、「サークル」デザインの19インチ アルミホイールは、基本となる部分がレッドで、リングとキャップ部分が機械研磨されたアルミニウム製となっています。 このホイールを装着したことで、リアのトレッドは左右10mmずつ(合計20mm)広げられました。通常のビートルと比べると、地上高も約30mm低くなっており、その結果、ホイールとタイヤがホイールハウスを一杯に満たしています。このモデル専用の他のアイテムとしては、ボンネットに貼られたギターピックのデカールやトランクリッドのVWバッジの下に設置されたフェンダー オリジナルエンブレム(クローム仕上げ)などがあげられます。


■エレキギターのスタイルにならったダッシュパッド
 インテリアもとても魅力的な仕上がりになっています。 なかでも目を引くのは、フェンダーギターの多くに採用されてきた2 トーンのウッドデザインパターン「サンバースト」を用いたダッシュパッドでしょう。
 ドライバーと助手席乗員の前を横に走るこのダッシュボードによって、ロックミュージックの世界とのつながりが視覚的に表現されています。

 真空管式の補助アンプを備えたフェンダーサウンドシステムを介し、ハイエンドのオーディオシステムが、豊かな音楽を室内に届けます。このシステムは、ダッシュボード上で一際目立つ存在となっています。粋なアレンジといえるのはトランク内にある特別なソケットで、ここにエレキギターをつないで演奏することができます。そのサウンドは、同じくトランク内に置かれたサブウーファーから奏でられます。

 フェンダーシステムのコントロールは、ビートル純正のRNS 510ラジオ/ナビゲーションシステム(タッチスクリーンおよび30GBのハードディスクドライブ付)のコントロールパネルを使って行います。RNS 510のロータリースイッチにならい、エアコンシステム(温度、エアコン機能、リアウインドーデフロスターおよびシートヒーター)のコントロールも再設計されました。明るいメタリックカラーのコントロール類は、過去何十年にもわたってギターやバスアンプに使われてきたものと同じように見えますが、さらに、ビートル フェンダーでは、フォルクスワーゲンならではの上質で精密な仕上げが施されています。
 同じようなメタリック仕上げのスイッチ類はドアミラー調整機構にも採用されています。ミュージシャンのためのもう一つの特別な設計は、DSG ギアシフトレバーの右側に設置されたピックホルダーでしょう。
 このホルダーには、ビートルの外形がプリントされた3 枚のピックが置かれています。 そのほか、ドアのドリンクホルダーのバンドにもフェンダーのロゴサインを配しました。 現時点でこのビートル フェンダーは、まだコンセプトカーですが、「フェンダーサウンド」に関しては、すでにオプションでオーダーできます。


■アンビエンス ライティングを採用したフェンダーサウンドシステム
 このサウンドシステムを選ぶと、自動的に3 色(レッド、ホワイト、ブルー)の光によるインテリアのアンビエンスライティング(環境照明)が装備されます。ドアのショルダーパネルの間接照明に加え、同じくドアに付くラウドスピーカー周辺にライト(直接照明)の輪が設置されています。サウンドシステムそのものは、2セットのツイーターで構成されており、そのうちの1セットは、フロント ドアミラー内側の三角形のトリム部分に、もう1セットは、リアのトリムパネルに設置されています。それらのツイーターは、ネオジム磁石とファブリック製ドームを採用しています。このほかにも、フロント ドアにデュアルボイスコイルを用いたウーファーを、リアサイドトリムには、シングルボイスコイルを用いたウーファーを設置しました。 また、トランク内の密閉されたバスボックスには、デュアルボイスコイルのサブウーファーを設置しています。これらのサウンドシステムの中核を構成するのは、A/B クラスのパワーアンプから構成された400ワットの出力を持つ10チャンネルの高性能アンプです。



<ポロWRC>

世界ラリー選手権の2013年シーズンが開始
フォルクスワーゲン モータースポーツがIAAでポロR WRCを公開

1.6リットルの排気量から300PSを発生するエンジンを搭載
そのエンジンのベースはフォルクスワーゲンの量産型4気筒TSI


 フォルクスワーゲンにおける「R」の名称は、自在に操れるハンドリング特性、妥協のないパワートレインが持つ瞬発力と最高レベルの安全性の融合を表しています。その名前に「R」が付いたフォルクスワーゲン車は、いずれも優れたコストパフォーマンスで卓越した運動特性とライバルを圧倒する性能、スポーツ性を提供するクルマになっています。フォルクスワーゲンは2013年から、その一台であるポロR WRCにより、世界ラリー選手権に参戦することになりました。

 2011年に技術的なレギュレーションが改定されたことで、ポロでWRCを戦う条件が揃ってきました。
 新しいレギュレーションでは、エンジンのダウンサイジングの流れに対応し1.6リッターの直噴ターボエンジンが義務付けられています。小排気量、ターボ過給の高効率なパワートレインというその方程式こそ、フォルクスワーゲンが過去数年来、パイオニアとしての役割を務めてきたものでした。コストを削減するための賢明なルールとあわせ、世界ラリー選手権は、フォルクスワーゲンにとって魅力的なチャレンジの舞台に変わったのです。

■約300PSを発生する直噴ターボ4 気筒エンジン
 フォルクスワーゲン ポロR WRCの中核を構成するメカニズムは、直噴システムとターボチャージャーを採用して、約300PSのパワーと350Nmのトルクを発生する直列4気筒1.6リッターTSI エンジンです。
 レギュレーションに従い、高回転域では33mm径のエア リストリクターによって吸気量が制限されます。
 2011年に導入された新しいエンジン レギュレーションは、賢いダウンサイジングによりスポーティな動力性能と高い効率の両方を得るという、フォルクスワーゲンの哲学に適ったものになっているのです。
 このエンジンパワーをホイールに伝えるメカニズムとして、シーケンシャル ギアボックスが計画されています。さらに、当然ながらポロR WRCには、ロールゲージ、4WDシステム、空力効果を最適化したエクステリアといったものも採用されます。レギュレーションによれば、ラリーカーの最低乾燥重量は1,200kgであり、技術的なベースとして生産モデルのボディを用いなければなりません。大規模なドライバーアシスト機構などは禁止されています。それらはいずれも開発コストを一定レベル以下に抑えるための処置なのです。

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