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JFEテクノリサーチ、テラヘルツ波を用いた「可搬型非破壊検査装置」を開発

2011-09-07

世界初

テラヘルツ波を用いた可搬型非破壊検査装置の開発と販売について



 JFEテクノリサーチ(株)(本社:東京都中央区日本橋2−1−10柳屋ビル、代表取締役:影近博)は、テラヘルツ波を用いた『可搬型非破壊検査装置』を開発し、装置の販売と評価試験の受託を開始しました。

 赤外線と電波の中間の波長帯域に位置するテラヘルツ波は、プラスチック、紙などに対する透過性が高く、各種物質の化学構造変化を敏感に検出できること、人体に対しても安全であることなど、種々の利点があります。そのため、非破壊、非接触で、対象に影響を及ぼす事もなく検査、計測、分析ができることから、近年、基礎から応用に至る研究開発が盛んに行われてきています。
 当社は、これまでに蓄積してきた光応用計測技術や検査、分析技術、それらの解析・評価手法などを活用してテラヘルツ波の応用展開を進めておりましたが、今回、以下の特長を有する『可搬型非破壊検査装置』を完成させました。


1)小型で可搬性に優れたハンドキャリー型非破壊検査装置を実現
 テラヘルツ波の送受信には近年進展の著しい超短パルスレーザ発振装置や、光通信用ファイバ、アンテナ素子等が利用されます。開発しました装置は、これらの要素技術や機器を使用し、光学系や構成部品に改良を加えることで堅牢性にも優れた装置を実現しました。

2)1台の装置で反射、透過測定が可能
 テラヘルツ波の送信、受信には、本体部から分離され、光ファイバで繋がれた送受信素子が使用されます。それらの素子の配置を自由に変えることにより測定対象物の反射や透過の時間領域におけるパルス波形が測定できます。

3)パルス波形の高速測定が可能
 最大で10Hz、標準的には5Hzでパルス波形の高速測定が可能であり、従来装置と比較すると、およそ数十倍の速度での測定ができます。時間領域での解析が行えるため、対象物内部の進行方向の異なる位置での波形を基に対象物の深さ方向の情報も得られます。また、時間領域の波形を変換することにより周波数特性も取得可能になりますので、光を応用した手法と同様に、対象物のスペクトル分析も可能になります。

4)対象物の透過・反射パターンの撮像も可能
 物体を動かすか、または、送受信素子を2次元的に走査しながらテラヘルツ波を測定し、測定されるパルス信号を解析することにより面情報が得られます。従って、内部の状態の透視や混入物体の検出にも利用可能です。これを行うにはオプション部品である2次元走査機構部が必要になりますが、パルス波形の高速・安定測定という本装置の優れた機能が前提となり、実現されました。

 以上の3)と4)に示しました特徴があることから、高速での面測定が可能になります。1)に示しました小型で可搬性に優れることと、高速測定が可能である点が世界初の優れた点になります。

 このような優れた特徴を有する装置を、幅広い分野で応用展開することを計画しており、装置販売に加えて、計測、検査、分析のための受託測定を実施していきます。塗装面背後の腐食状態や欠陥の調査、医薬品の品質調査、食品、農産物などの異物混入検査、芸術や文化財の修復履歴や顔料調査など様々な分野への活用が期待されます。今後、応用範囲を広げてテラヘルツ波装置の普及を図り、産業界や科学分野への貢献を目指していきます。

 なお、本装置は、『分析展2011』(9月7日(水)〜9日(金)、千葉市、幕張メッセ国際展示場にて開催、ブース番号:7A−901)に展示、実演されます。


※「補足資料」は、添付の関連資料を参照

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