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IHIMU、環境負荷を大幅に低減する舶用LNG燃料システムを開発

2011-09-02

環境負荷を大幅に低減する舶用LNG燃料システムの開発

〜IHI SPBタンクを用いた大型LNG燃料コンテナ船の開発完了〜


 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(IHIMU、所在地:東京都港区、社長:蔵原 成実)は、液化天然ガス(LNG)を推進用燃料として使用することで2016年からIMO(国際海事機関)の施行が予定されているNOx,SOx排出規制レベルであるTier IIIをクリアする、環境にやさしいLNG燃料システムを開発し、その適用例として大型コンテナ船(10,000TEU)のコンセプトデザインを完了しました。

 今回開発したLNG燃料システムはIHIMUの独自技術であるSPB(Self−supporting Prismatic Shape IMO Type B)LNGタンクを用いたものであり、以下の特長を有しています。

 1)SPB燃料タンクはどんな液位においてもスロッシングを起こさないことから、信頼性と構造耐久性に優れており、常に波浪にさらされる船舶の燃料タンクとして用いるのに適している。その信頼性の高さは海象条件が非常に厳しいアラスカ航路に従事したLNG船の就航実績で証明されている。

 2)SPB燃料タンクはタンク形状の制約がなく、複雑な船内スペースに合わせて容積効率の良いLNG燃料タンクの配置が可能である。

 3)タンク材質はアルミ、SUS、9%ニッケルから選ぶことができるが、船舶の場合は軽量化を狙ってアルミ製とするのが一般的である。アルミの場合、北欧で稼働しているフェリーなどで用いられている燃料タンクよりも重量が削減できる。

 4)結果として、既存の重油燃料船に比べ、貨物積載量の減少を最小限に抑えたLNG燃料システムが実現できる。

 燃料システムはタンク内にサブマージポンプを装備しタンクからの移送系統と供給系統を独立することで、各種のガス供給システムに柔軟に対応が可能としています。

 また、本システムのSPB LNG燃料タンクは、既に米国船級協会(ABS: American Bureau of Shipping)から船舶用燃料タンクとしての基本承認(AIP)を取得しています。

 今回開発した大型コンテナ船では、2016年施行時からTier III規制適用が宣言されているECA(Emission Control Area)と呼ばれる域内ではLNGを燃料として航行して規制条件をクリアし、ECA外では従来通りC重油を燃料として航行します。これにより、LNG燃料による航続距離を約2,000マイルと限定し、約2,000m3のLNG燃料タンクを配置することでコンテナ積載数減少を最小限に抑えることができます。

 IHIMUは、これまでに培ってきた高効率船型、省エネ推進プラントと組み合わせ、より高い環境対応ニーズにフレキシブルに対応できる体制を整えており、本LNG燃料システムはコンテナ以外の船種にも適用できます。

 IHIMUは、今後ますます厳しくなる海洋空間の環境規制に対応して、自社建造船への適用のみでなく、他社建造船に対してもSPBタンクを用いたLNG燃料供給システムを販売していく方針です。

 IHIMUは、今後も、省エネ技術を活かし地球環境保護に貢献する船舶を開発・建造していきます。
 

大型LNG燃料コンテナ船 設計主要目

 全長:約330.0m  
 幅(型):約48.0m  
 深さ(型):約27.0m  
 コンテナ積個数:10,000TEU  
 計画航海速力:23.0ノット  
 

 ※ 参考資料は、関連資料参照

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