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三井化学、大阪工場にアセトン法IPAプラントを新設
三井化学 フェノール・チェーンの強化・拡大について
−大阪工場アセトン法IPAプラントの新設−
三井化学株式会社(社長:田中 稔一)は、フェノール・チェーン事業をグローバルに拡大させる競争優位5事業の1つと位置付けています。
その強化・拡大の一環として、大阪工場におけるプロピレン法IPA(イソプロピルアルコール)プラントを停止し、フェノール・チェーンで生産されるアセトンを原料とするアセトン法IPAプラントの新設を行なうこととしましたので、お知らせいたします。
<設備新設の概要>
1.対象製品 IPA(イソプロピルアルコール)
2.所在地 大阪工場(大阪府高石市)
3.新設能力 6.0万トン/年(既存の2.8万トン/年プラントは停止)
4.製法 アセトン法
5.投資額 約30億円
6.スケジュール 2013年4月営業運転開始(予定)
IPAは塗料・インキ分野を中心に使用される基礎的な汎用溶剤であり、環境負荷の少ない溶剤として、アジア各国でGDPに連動した需要の伸張が見込まれています。
しかしながら、従来の原料であるプロピレンは今後需給の逼迫が想定されており、不安定な供給、価格の影響を受けざるを得ない状況です。特に、石化原料のライトフィード化が進展している欧米においては、今後もプロピレン価格の高騰が継続する見通しであり、欧米メーカーのアジア向けIPA輸出は、大幅に減少する見込みです。
このような状況下、当社はIPAの製造法を既存の「プロピレン法」から、独自開発した高活性触媒を使用した「アセトン法」へ転換することを決定しました。これにより、プロピレンの需給の影響を受けず、IPAを国内及びアジア市場に安定的に供給する体制を構築することが可能となります。
今回のアセトン法IPAプラントの新設により、当社は競争力あるIPAを安定的に供給するメーカーとしてIPA顧客の信頼を獲得するとともに、フェノール・チェーンに新たな誘導品を加えることとなり、世界トップに向けたフェノール・チェーン事業の強化・拡大を図ることができるものと確信しております。
以 上