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富士通、日・欧の開発拠点共通の環境配慮設計規定を策定し新製品の開発・設計に適用開始
日・欧の開発拠点共通の環境配慮設計規定を策定し、グリーン製品開発をグローバルに推進
当社は、ICT製品の環境配慮設計に関する国際規格を基に環境配慮設計規定を策定し、日本や欧州における新製品の開発・設計に適用を開始しました(注1)。規定の策定にあたり、欧州、北米、日本などの各国や地域の環境法規制や市場のグリーン要求を取り込み、さらに当社のグリーン製品開発のノウハウを盛り込んでいます。
当社は、パソコン、サーバ、ストレージシステムを日本および欧州にて開発し、グローバルに製品供給を行っています。日本および欧州の開発拠点において環境配慮設計に関する統一基準を適用し、いち早く各国の法規制やグリーン要求に対応することで、今後もグリーン製品の開発をグローバルレベルで推進していきます。
当社は、2009年に欧州でパソコンやサーバのビジネスを中核とする富士通シーメンズコンピュータ(注2)を完全子会社化し、グローバルにICT機器を提供する体制を整えました。これを踏まえ、グローバルな視点でグリーン製品を開発し、さらに販売する地域や国における市場の多様なグリーン要求に的確に対応していくために、日本と欧州の開発拠点で共通の環境配慮設計規定を策定しました。
策定にあたっては、ICT製品における環境配慮設計の基準である、国際規格IEC62075:2008「オーディオ、ビデオ、情報および通信技術機器−環境配慮設計」(JIS C 9914:2010)を骨格とし、設計者が活用しやすいように各項目の解説や具体的に実施すべき事項など当社のノウハウを盛り込んでいます。さらに、各国や地域における法規制やエコラベルなどの要求事項を加味し、市場ごとにきめ細かな環境配慮ができるようになっています。
<環境配慮設計規定の概要>
本規定では、製品のすべてのライフサイクルを通じた環境負荷低減を実現するため、これまで行ってきた下記の環境配慮設計の要件をIEC62075の基準に基づいて見直した上で、各項目について設計者が取り組むべき具体的な事項を記載しています。
・省資源・リサイクル設計(小型化・軽量化、解体容易性、リサイクル容易な材料の選択など)
・使用時の省エネルギーを実現する設計
・騒音を低減する設計
・有害物質の不使用、有害性が懸念される物質の使用抑制・削減 など
さらに、IEC60275の要件に加え国際的な省エネ基準である国際エネルギースタープログラムへの適合、高効率の内部・外部電源の使用、再生プラスチック・植物性プラスチックの使用、ハロゲンフリーへの対応、各国エコラベルの主要要件なども盛り込んでいます。
<規定策定により期待される効果>
・グローバルな視点でのグリーン製品開発
国際規格の要件および各国や地域の市場におけるグリーン要求を、製品開発の上流工程である基本設計段階から取り入れることにより、グローバルな視点で高い環境性能を持つグリーン製品の開発を強化します。
・製品の環境性能の向上
設計の上流段階において自社の従来製品、市場要求などとのベンチマークを実施し、その結果を設計に反映していくことで、製品の環境性能をさらに向上させていきます。
・日本と欧州の開発拠点間における環境情報の効率的な共有
日本および欧州の開発拠点が統一基準を使用することで、それぞれの拠点で開発された製品の環境情報の詳細をより効率的に共有できるようになります。今後も各市場のグリーン要求に即した製品の環境情報を確実に提供するとともに、それぞれの市場ニーズにあったグリーン製品を提供していきます。
以上
【注釈】
注1 新製品の開発・設計に適用を開始:
対象製品:PC、ディスプレイ、IAサーバ、基幹サーバ、ストレージシステム
注2 富士通シーメンズコンピュータ:
現在の社名:富士通テクノロジー・ソリューションズ
【関連リンク】
・富士通の環境活動 製品・サービスの環境配慮
http://jp.fujitsu.com/about/csr/eco/products/