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メルシャン、水産飼料事業部の不適切な取り引きに対する再発防止策の概要を発表

2010-11-02

当社水産飼料事業部における不適切な取引に対する

再発防止策に関するお知らせ


 当社は、平成22年9月24日付で開示しました「当社株式の監理銘柄(審査中)指定の解除、上場契約違約金の徴求及び当社株式の特設注意市場銘柄の指定に関するお知らせ」のなかで、再発防止策につきましては、鋭意検討を進め、速やかに改めてお知らせすることとしておりましたが、この度、再発防止策の概要がまとまりましたのでお知らせいたします。株式市場の信頼を損ね、株主、投資家、各関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを厳粛かつ真摯に受け止め、信頼回復に向けて、コーポレートガバナンスのさらなる強化に努めてまいります。
 なお、平成22年8月27日付で開示しました「キリンホールディングス株式会社とメルシャン株式会社の株式交換契約締結について」のとおり、平成22年12月1日をもって当社はキリンホールディングス株式会社の完全子会社となり、東京証券取引所及び大阪証券取引所の上場廃止基準に従い、平成22年11月26日に上場廃止(最終売買日は平成22年11月25日)となる予定です。


1 第三者委員会による最終報告書に対する当社の対応
 当社では、当社第三者委員会(以下、第三者委員会)による再発防止の提言を真摯に受け止め、提言を受けた内容について対応すべく抜本的な再発防止策を検討してまいりましたが、具体的な再発防止策を下記「3.再発防止策の概要」に記載のとおり策定しました。


2 問題点及び発生原因
 第三者委員会の最終報告書では、今回の不適切な取引に関して、経営ないし業務運営上、内部統制システム上の観点から様々な問題点及び発生原因をご指摘いただきました。ご指摘の内容及び当社社内調査委員会からの報告も勘案し、当社では、今回の不適切な取引の発生に至った主な問題点を以下のとおり整理いたしました。

 (1)業務運営上の権限・責任・ルールが不明確
 (2)リスク及びコンプライアンスに対する認識の甘さ
 (3)硬直的な人事ローテーション
 (4)組織内外とのリスク情報の共有不足
 (5)現場から独立した立場でのモニタリング機能の形骸化


3 再発防止策の概要
 当社では、上記の問題点の認識のもと、第三者委員会から提言されている再発防止策について、(1)業務プロセスの見直し、(2)コンプライアンス重視の企業風土の醸成、(3)全社的リスクマネジメントの強化、(4)内部監査機能の強化、(5)財務・経理のモニタリングの強化、の5つに整理して再発防止策として策定しております。
 これらの再発防止策で改善を図る事項としては、以下のとおりです。

(1)業務プロセスの見直し
 与信管理プロセス、製造委託先の管理プロセス、受発注管理プロセス等の主要なプロセスにおける業務運営上の権限・責任・ルールを明確化し、牽制機能の強化を図ります。

(2)コンプライアンス重視の企業風土の醸成
 リスクマネジメント及びコンプライアンスの重要性を再度、周知徹底するとともに、硬直的な人事ローテーションや内部通報制度を見直し、組織内の風通しの良さの向上を図ります。

(3)全社的リスクマネジメントの強化
 今まで部門ごとに実施していたリスク評価を見直し、組織横断的なプロジェクトを通じて評価することで、適正なリスク認識を行い、リスク対応に必要な内部統制の再構築を図ります。また、リスク情報共有のための委員会組織の運営を見直します。

(4)内部監査機能の強化
 内部監査のリソースを強化し、適時適切に不正の兆候等を把握できる体制を整備することで、独立した立場でのモニタリング機能の強化を図ります。

(5)財務・経理のモニタリングの強化
 適時適切に不正の兆候等を把握できるよう、取締役会報告、事業別の財務書類の報告フォーマットや体制の見直しを行い、独立した立場でのモニタリング機能の強化を図ります。

 なお、上記の各テーマ別の具体的な再発防止策につきましては、下記「6.水産飼料事業を含め、全社的に対応する再発防止策の内容」に記載のとおりです。


4 緊急対応措置として実施した内容
 今回の事態を受け通常定期的に行っている次の業務については、他の事業に関して不適切な取引及び不正のないことを確認するため、緊急対応措置として改めて実施しました。

(1)当社及び国内連結子会社の棚卸資産について実地棚卸を実施し、実在庫と帳簿在庫の一致を確認しました。

(2)当社及び国内連結子会社に対して、売掛債権・棚卸資産の残高推移や滞留月数などの状況調査を実施し、残高の適正性を確認しました。

(3)国内連結子会社に対して内部監査を実施し、各社の財務諸表が適正な財務状況等を表示していることを確認しました。


5 水産飼料事業における再発防止策の実施状況
 再発防止策の実施においては、今回、不適切な取引が行なわれていた水産飼料事業を最優先に考えて、業務プロセスの見直しを中心に以下の施策について、鋭意実行しております。

(1)製造委託先の徹底管理
 主要な飼料製造委託先に対して、事業部外の従業員を派遣して製造・出荷の日次確認を行なっています。また、製造に関する記録整備の徹底等により、更なる製造管理の効率化を図るべく協力体制を整えます。
(6.(1)2)の再発防止策の一環として実施)

(2)IT利用による管理の強化
 原材料の棚卸数量記録を実地棚卸のみに依存せず、業務アプリケーションを変更することで、受払いを継続的に記録(継続記録法)し、適時の在庫管理を行うこととします。また、受注・出荷に関して、従来の手書き出荷伝票を廃止し、受注から出荷に至る一連の手続きをシステム利用により一貫して行うことで、管理体制の強化を図ると同時に業務を効率化します。さらに、これに併せて関連するマスター登録の見直しと運用改善を行い、取引内容の明確化と管理の強化を行います。
(6.(1)3)及び4)の再発防止策の一環として実施)

(3)事業部外による確認プロセスの追加
 原材料購入及び製品出荷において、事業部内で完結していた業務プロセスを見直し、事業部外による証憑等の確認手続きを加えることで監視を強化します。
(6.(2)3)の再発防止策の一環として実施)

(4)取引体系や既存手続きの見直し等
 一部デポの廃止や預かり在庫の廃止、末端ユーザーとの直取引の制限等により、取引体系を簡素化して管理の効率化を図りました。また、取引に関する証憑書類入手や照合作業を徹底するなど、これまで形骸化していた業務手続きの見直しを行っています。 
(6.(1)4)及び6.(2)3)の再発防止策の一環として実施)


6 水産飼料事業を含め、全社的に対応する再発防止策の内容
 最優先で取組みを進めている水産飼料事業に関する再発防止策を含め、全社的に対応する再発防止策の具体的な内容は以下のとおりです。水産飼料事業の再発防止策とともに鋭意実施していく予定です。

(1)業務プロセスの見直し
 1)与信管理の改善
  不正防止、債権の回収の安全性の確保、財産の保全の観点から、規程の整備(帳合取引管理を含む)、システム的対応などの検討による与信管理規程の改定及び与信管理フローの改善

 2)外注先・仕入先管理の改善
  適正な商品を必要な分量だけ提供を受けられるよう、外注先・仕入先を管理するための外注先・仕入先管理フローの改善
 3)IT業務処理統制の高度化(会計プロセス中心)
  ・アプリケーションの利用状況の把握による事業の実態にあった統制の構築、職務分掌に応じたアクセスコントロールの設定及びITマスター登録に関する統制の見直し
  ・水産飼料事業部のアプリケーションの利用状況を踏まえた事業部の実態にあった統制の構築、職務分掌に応じアクセスコントロールの設定及びITマスター登録に関する統制の見直し
 4)棚卸資産管理の高度化
  実地棚卸方法の改善、異常性のある評価損の検討体制の構築及び在庫受払における正確な払出数量の把握による、棚卸方法の改善及び評価損計上フローの改善
 5)買掛金年齢管理
  買掛金の年齢管理の実施

(2)コンプライアンス重視の企業風土の醸成
 1)再発防止に取組む経営姿勢の明確化
  内部統制システムの徹底及びコア事業と位置づけるワイン事業以外の事業への経営の関与強化という姿勢の明確化、経営陣内部のコミュニケーションの活発化
 2)重大リスク情報の共有体制の確立
  認識した重大リスク情報の取締役会等での共有、課題解決に向けた経営陣横断的な協働関係の構築
 3)業務分掌/権限・責任設定の見直し
  事業部内で業務が完結する場合に不正を抑止・防止するための牽制が機能する、職務分掌・権限・責任の検討及び従業員への周知
 4)硬直的な人事ローテーションの解消
  特定の事業だけでなく、全ての部門間を対象にした人事ローテーションの実施
 5)コンプライアンスコミュニケーション
  適正な財務報告やコンプライアンスの重要性を再度、周知徹底するための研修・対話等を通じたコンプライアンスに関するコミュニケーションの実施
 6)内部通報制度の見直し
  社内不正の兆候を適時に把握できる体制の構築に向けた内部通報制度の見直し、従業員への周知徹底
 7)コンプライアンス/内部統制違反の罰則の強化
  不正を抑止・防止する環境の確立のため、違反に対する罰則の強化の検討、処分内容等の公表方法の見直し

(3)全社的リスクマネジメントの強化
 1)適正なリスク認識に基づく内部統制の再構築
  適正なリスク認識に基づく内部統制の再構築とリスク認識に応じた統制活動の実施のため、プロジェクト体制整備(業務精通者の参加)、リスク評価に応じた内部統制の再構築

(4)内部監査機能の強化
 1)内部監査リソースの強化
  内部監査機能の強化に向けたリソースの洗い出し及び強化の実施
 2)印章管理状況の監査の実施
  印章管理の遵守体制の確立、印章管理状況の内部監査の実施

(5)財務・経理のモニタリングの強化
 1)取締役会の検証の高度化
  予算実績比較等の検証項目の見直しと報告体制の確立
 2)当社財務部経理センターによる事業別財務諸表の検証
  異常点を早期に把握・検証し、迅速に必要な対応を実施するための検証項目(顧客別売上・利益率分析の強化等)の特定、検証マニュアルの作成、研修を通じた検証体制の確立
 3)訂正内部統制報告書の重要な欠陥への対応
  平成22年8月12日付で開示しました「財務報告に係る内部統制の重要な欠陥のお知らせ」のとおり、当社は前年度の内部統制報告書を訂正し、内部統制に重要な欠陥があるとしましたが、これに対応するための適切な是正措置を実施すべく、主として水産飼料事業部のリスクとコントロールの見直しに基づく、統制上の要点及び運用評価手続きの見直しの実施
 4)原材料発注のモニタリングの強化(酒類事業)
  発注承認の強化、調達状況の包括的レビュー等、架空仕入のリスクに対応する統制上の要点の見直し実施


7 スケジュール
 再発防止策については、別紙「再発防止策の実施スケジュール」に沿って、着実に実行してまいります。


 ※別紙は関連資料を参照

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