イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

島津製作所、基本性能を大幅に向上させた万能試験機の新製品「UH−X」シリーズなど発売

2011-08-16

大型カラーLCDタッチパネルで操作性向上、制御・データ処理機能も一新
新型万能試験機 UH−X、UH−FXシリーズを発売
−消費電力を最大約80%以上削減した省エネ機種もラインアップ−

 ※製品画像は添付の関連資料を参照


 島津製作所は、高い操作性に加えて制御・データ処理などの基本性能を大幅に向上させた万能試験機の新製品(型名:UH−X、UH−FXシリーズ及びUH−Xh、UH−FXhシリーズ)を発売し、ラインアップを一新して拡販を図ります。(発売日8月9日)

 万能試験機は、油圧によって材料や製品に荷重を加えて強度試験を行う装置で、引張・曲げ・圧縮・繰り返し試験などいろいろな試験ができ、製品や材料の品質管理、研究開発になくてはならない装置です。本装置は、各種材料、とりわけ、コンクリートや金属などの強度試験に広く用いられており、建築、鉄鋼、自動車などのメーカーや大学の研究室、官公庁の試験所、商品検査所などになくてはならない試験機として、多様な分野で使用されています。


■新製品発売の背景
 油圧式万能試験機については、新興国への需要の広がりや用途の多様化に伴い、近年熟練者ではない操作者が増加しており、初心者でも直感的操作ができる装置が求められています。一方、安全性への要求の高まりを背景に、高度化する試験規格に対応して高精度な試験制御が容易に行える装置へのニーズが高まっています。また、省電力は現在非常に重要な市場要求となっています。
 当社は、これらすべての要望に応えるため、操作性及び制御・データ処理機能などを含めた基本性能を一新・向上させ、高精度な試験が容易な操作で高効率に行える新製品を市場投入します。


■新製品の特長
 新製品UH−X、UH−FXシリーズは、操作性に関する大きな特長として、10.4インチ大型カラー液晶タッチパネルを搭載して、試験条件の設定や試験結果およびグラフの表示などの操作がパネルタッチでできるようにしたことがあります。これにより、初心者にも簡単に装置を操作できるようになりました。

 万能試験機では、フィードバック制御を行なっています。フィードバック制御では、目標値と現在値の差にフィードバックゲイン(以降ゲインと表記)を乗算して動力装置に出力します。したがって、制御のためのパラメータとしてゲインと呼ばれる数値を設定する必要があります。新製品では、この設定を不要としたセミオートチューニング機能を装備しており、試験中に測定される試験力やひずみのデータをもとに、制御に必要なゲインを自動的に調整することができます。このため、最適な応力制御・ひずみ制御のためにこれまで欠かせなかった予備試験の必要がなくなりました。

 また、従来の万能試験機では、最適な分解能が得られる試験を行うために、試験片の最大試験力を予測してレンジ設定を行う必要がありました。新製品は、分解能を高めることにより、1つのレンジで全ての試験を可能しました。これにより、強度が不明な試験片も、1つのレンジで低い試験力から最大試験力まで最適な分解能で計測できることが特長です。さらに、データ処理については、UH−X、UH−FXの制御とデータ処理を行なうWindows7対応のソフトウェアTRAPEZIUM Xを接続することにより、最高1msecという超高速な間隔でデータをサンプリングすることができ、データの信頼性が大幅に向上しました。

 なお、同時にラインアップしたUH−Xh、UH−FXhシリーズには、ACサーボモータと油圧ポンプを組み合わせることで効率の良い制御を実現するハイブリッド油圧源を搭載しました。ハイブリッド油圧源は、必要なときのみポンプが駆動する構造を採用しており、必要作動油量の削減と大幅な消費電力の削減(約50〜80%)を実現し、省電力、省資源に大きく貢献することが可能です。


 新製品の特長をまとめると次のとおりです。

・手軽に応力制御・ひずみ制御に必要な装置のチューニングがセミオートで行える
 試験中に測定される試験力やひずみのデータをもとに、装置の制御に必要なパラメータをリアルタイムでセミオートチューニングする機能を備えており、規格に従った高精度なひずみ制御と応力制御が予備試験なしで容易に行えます。

・省電力装置をラインナップ 最大約80%省エネ
 UH−Xh、UH−FXhシリーズには、ACサーボモータと油圧ポンプを組み合わせることで効率の良い制御を実現するハイブリッド油圧源を搭載し、必要作動油量の削減と大幅な消費電力の削減(約50〜80%)を実現し、省電力、省資源に大きく貢献することが可能です。

・大型カラーLCDタッチパネル採用で、操作性・視認性を向上
 10.4インチ大型液晶カラータッチパネルにより多彩な機能をワンタッチで操作できるカラーグラフィカルインターフェースを実現し、初めての操作者でも簡単に試験が行えます。試験データおよび試験グラフも、試験中にリアルタイムで表示できます。

・レンジレスでデータ計測ができる
 1つのレンジで最大試験力の1/1〜1/250の広い範囲で計測できます。そのため、強度が不明な試験片に対してもレンジ設定なしで高精度なデータ採取が可能です。

・超高速サンプリング機能により急激な強度変化を高精度にとらえることができる
 データ処理ソフトウェアTRAPEZIUM Xの接続により、最高1msec(1kHz)の超高速サンプリングデータを採取でき、脆性材の破断時などの急激な試験力の変化を高精度にとらえることができます。また、試験中のサンプリング条件の変更が可能で、重要な部分のデータのみ高速でサンプリングすることも可能です。
*従来の最高速は5msec

・USBメモリの接続によりパソコンなしでも試験が可能
 試験条件を保存したUSBメモリを計測制御装置に差し込むことにより、パソコンの接続なしでも試験が可能です。試験後の測定データはUSBメモリに自動保存でき、TRAPEZIUM Xソフトウェアを用いてオフラインでの解析やレポート作成が行えます。

 そのほか、TRAPEZIUM Xソフトウェアにより、状況に応じて操作に必要な機能だけを表示できる機能や、多数の試験条件・試験結果から必要なデータを素早く見つけることができる機能、使用頻度が多い試験条件を登録しておきワンタッチで条件を選べる機能など、効率よく試験が行える便利な機能を豊富に搭載しています。

■今後の展開
 現在、万能試験機の市場規模は、全世界で年130億円、国内で16億円と推定されています。当社は、1955年にその原型にあたる装置を他社に先駆けて国産化して以来半世紀以上にわたり万能試験機を製造販売しており、現在、国内シェア約70%を占めるトップメーカーで、全世界でも約10%のシェアを有しています。
 当社は、新製品の投入により、グローバル事業展開を進める中で、ユーザーの要望に応えて、国内シェアトップを維持するとともに、需要の伸びが著しい新興国向けを中心に海外においてシェアを伸ばし、グローバル市場における材料試験機事業の拡大を目ざします。


■価格(税別)
 UH−Xシリーズ(200kN〜1,000 kN 4機種) 機種により871万円〜1,260万円
 UH−FXシリーズ(300kN〜1,000 kN 3機種) 機種により930万円〜1,742万円
 UH−Xhシリーズ(300kN〜1,000 kN 4機種) 機種により1,040万円〜1,552万円
 UH−FXhシリーズ(300kN〜1,000 kN 3機種) 機種により1,206万円〜2,033万円


■販売計画
 各機種合わせて初年度130台以上


■詳しい製品説明についてはこちら
 http://www.shimadzu.co.jp/products/test/products/mtrl03/mtrl0342.html

Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版