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浜松ホトニクス、中国販売子会社「浜松光子学商貿(中国)」を設立
中国の内需拡大に対応
中国販売子会社「浜松光子学商貿(中国)有限公司」を設立
10月20日開業予定
当社は、中華人民共和国(以下中国)の内需拡大に対応するため、売上拡大と技術サービスの充実を目的として設立準備を進めてきた中国販売子会社「浜松光子学商貿(中国)有限公司」(当社全額出資)を7月20日付けで設立しました。会社登記後、開業は10月20日を予定しています。
当社の中国ビジネスは、中国からの技術支援の要請を受けて、1988年に北京核儀器廠と合弁で北京浜松光子技術有限公司(以下北京浜松)を設立し、現在では光電子増倍管などの製造販売拠点として中国国内向けに年間約1.3億元(約16.5億円:以下1元13円換算)を売り上げています。一方で、当社からの直接貿易による売上高は約2.3億元(約30億円)になり、中国国内の需要が拡大傾向にあります。この背景には、この数年で欧米の顧客が中国に生産拠点を置くとともに、最近では中国国内の需要に合わせた低価格製品の開発拠点も置き始めていることと、中国企業も育ち始めていることがあります。
こうしたことから、顧客の要求に合わせた販売・技術サポートの必要性が生じ、現地に販売子会社を設立することにしました。また、将来的には、現地ニーズに合わせた開発体制も整備して行く予定です。
新販社では、中国国内における当社製品の販売と、現地製造子会社の北京浜松が開発した製品をアジア地域に輸出します。初年度売上計画は、当社製品3.5億元(45億円)、北京浜松製品1億元(13億円)で4.5億元(58億円)を予定しています。今後、年20%程度の売上増を計画し、5年後には7.8億元(102億円)を目指します。売上達成のため、来年6月までに新販社の上海支社を置く予定で、将来、成都か重慶、西安にも事務所か支社を展開する予定です。従業員は、北京浜松の営業部員と当社北京事務所の従業員を新販社に移管し、新規採用を含め約40名体制でスタートし、3年後には70人から80人の体制を予定しています。
<新販社概要>
中文社名:浜松光子学商貿(中国)有限公司
英文社名:Hamamatsu Photonics (China) Co., Ltd.
住所:中華人民共和国北京市朝陽区東三環北路27号嘉銘中心B座1201室
設立:2011年7月20日
資本金:5000万人民元(約6.5億円、浜松ホトニクス株式会社100%出資)
役員構成:董事長 晝馬 明(現浜松ホトニクス株式会社・代表取締役社長)
総経理 章 勁松(前北京浜松光子技術有限公司・営業総部経理)
売上計画:初年度 4.5億元(58億円)
3年目 5.9億元(77億円)
5年目 7.8億元(102億円)
設立後5年間は中国国内の販売約95%、輸出5%を計画
事業内容:光電子増倍管、イメージ機器及び光源、光半導体素子、画像処理・計測装置などの販売
従業員数:約40名、3年後70〜80名
<当社の中国ビジネスについて>
1978年に中国核工業省原子力工業公司から、中国の科学技術の近代化に向けて光の領域で先端技術の研究・生産拠点をつくりたいという要請を受け、技術協力のための交流を始めました。その後、88年3月に北京核儀器廠(核工業省原子力工業公司の工場)と合弁で北京市海澱区に北京浜松を設立(当初当社51%出資、現在当社93%出資)し、中国の光技術の発展に寄与すると共に、新しい光技術の開発を目指してきました。2004年には先進技術企業として格付けされ、輸出額と利益率が全国レベルで優良な双優三資企業に選ばれています。
また当社は、北京浜松設立の翌89年1月に、中国科学院があり科学技術関係の官公庁が集まる地域に、北京事務所を開設し行政中心の活動をしてきました。また、01年6月には商工業が盛んな華東地区での事業展開を図るべく、市場調査、情報収集、事業戦略の策定を目的として、上海市のビジネスの中心地にある港泰広場に当社の上海事務所を開設しています。
製造子会社の北京浜松では設立後、中国国産の光電子増倍管と医療機器や石油探査用シンチプローブに加え、当社から技術供与のために分析用光電子増倍管の生産を開始しました。その後、94年にはガンマカメラ用光電子増倍管、96年に分析用光電管、高圧電源、放射線計測用光電子増倍管、00年からは部品から装置ビジネスにも進出し、放射線画像診断機器のSPECT(単光子放射断層撮影装置)とガンマカメラ、化学発光水質検査装置の生産を始めています。
01年に米国子会社浜松コーポレーションが生産していた汎用光電子増倍管を移管しています。03年には廊坊市永清県に、北京浜松で製造する電子管用のガラスと放射線計測用シンチレーター結晶を製造する工場(敷地面積約2万m2、総床面積6,200m2)を建設。05年5月に手狭になった北京の工場から、北京と天津の中間に位置する新興都市の河北省廊坊市の経済技術開発区に主力工場(敷地面積約53,000m2、総床面積12,243m2)を移転し、その後08年6月に北京市豊台区に北京浜松の本社事務所も移転しました。
さらに、10年には分析用ホローカソードランプの生産と扱い品目を増やし、設立以来、売上高と利益はほぼ2桁成長を遂げてきました。当初は、ほとんどが浜松ホトニクスへの輸出でしたが、中国国内でも需要が高まり、現在の生産品目の大半が医療機器用の光電子増倍管で、売上高2.3億元(約30億円)のうち、約55%が中国国内需要向け、約45%が輸出になっています。
<浜松光子学商貿(中国)有限公司社屋外観予想>
※添付の関連資料を参照