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昭和電工、負極材「SCMG」などリチウムイオン二次電池部材の生産設備能力を増強

2011-07-22

リチウムイオン二次電池部材の能力増強について
負極材SCMG(R),正負極添加剤VGCF(R),電池包材用アルミラミネートフィルムを増産



 昭和電工株式会社(社長:市川 秀夫)は、リチウムイオン二次電池(以下、LIB)向け部材である人造黒鉛負極材(SCMG(R))、正負極添加剤(カーボンナノチューブVGCF(R))、電池包材用アルミラミネートフィルムの各生産設備の能力増強を決定いたしました。


1.各生産設備の能力増強の概要

(1)SCMG(R)
 生産拠点:大町事業所(長野県大町市)
 生産能力:年産能力1000トンから順次同3000トンへ(粉砕工程等各工程のボトルネック解消)
 設備の稼動時期:2012年上期(予定)

(2)VGCF(R)
 生産拠点:川崎事業所(神奈川県川崎市)
 生産能力:年産能力100トンから同200トンへ(生産ラインを1系列増設)
 設備の稼動時期:2012年初頭(予定)

(3)アルミラミネートフィルム
 生産拠点:昭和電工パッケージング(株)彦根工場(滋賀県彦根市)
 生産能力:年産能力を1.5倍に(ドライラミネーターを増設)
 設備の稼動時期:2011年末(予定)


2.増強の背景
 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出削減や化石エネルギーに対する依存低減に向け、電気自動車やハイブリッド車などの環境対応車の需要が伸びつつあります。また、2011年3月11日に発生した東日本大震災にともなう計画停電をきっかけとして、産業用や家庭用の蓄電池についても注目が集まっています。これらの理由により、2013年以降は自動車や蓄電用途向けの大型LIB市場が本格的に立ち上がり、需要が急速に伸びることが予想されています。このため、当社は大型LIBの高容量化、長寿命化に寄与する部材であるSCMG(R)およびVGCF(R)の能力増強を決定しました。
 また、ノートPCや携帯電話へ搭載されている小型LIBは、スマートフォンやタブレット端末の需要拡大により、さらなる成長が見込まれます。このため、LIBの小型化を可能にする電池包材用アルミラミネートフィルムについても増産いたします。なお、今後は省スペースや高放熱性などの特長を生かし、環境対応車に搭載される大型LIBへの展開も加速します。


3.各製品の特長

(1)SCMG(R)
 SCMG(R)(Structure Controlled Micro Graphite)は当社独自の粉体加工技術をベースに大町事業所の高温黒鉛化炉における超高温熱処理により製造される人造黒鉛を原料とするLIB用負極材です。サイクル特性や高温下における保持特性、大電流の充放電特性に優れています。環境対応車向け電池や蓄電池といった大型LIBに適しており、既に量産、実用化されている電気自動車に採用されています。

(2)VGCF(R)
 VGCF(R)(Vapor Grown Carbon Fiber)はLIBの正極材、負極材いずれにも添加される導電補助材です。LIBは充放電を繰り返すことで膨張・収縮するため、活物質同士の接点が徐々に失われますが、導電補助材は接点の失われた活物質同士をつなぐ役割を持ち、電池の劣化を抑制します。粒子状の導電補助材に比べ、繊維状の導電補助材であるVGCF(R)は分散性が高く、枝分かれした構造となっていることから、少量の添加でLIBの高容量化、長寿命化を可能にします。熱伝導性も高く、電極における発熱を低減することができ、LIBの安全性を向上させます。

(3)アルミラミネートフィルム
 アルミラミネートフィルムはアルミニウムと樹脂の複合材で、当社子会社の昭和電工パッケージング株式会社(社長:岡野 恭介)が食品容器向けラミネートフィルムの製造で培った成形ノウハウが活かされています。電解液漏れや外気・水分の侵入を防ぐ機能が求められる電池の外装材には、金属缶とアルミラミネートフィルムの2種類があります。当社のアルミラミネートフィルムは金属缶と同レベルの高い水分バリア性を有しており、金属缶に比べ成形の自由度が高く、軽量であり、放熱性にも優れることから、電池の小型化が要求されるモバイル用途で広く使用されています。


 当社グループは2011年度からスタートした中期経営計画「ペガサス」において、電池関連部材を成長事業として位置づけており、SCMG(R)、VGCF(R)、アルミラミネートフィルム、カーボン下地アルミ箔SDX(R)の4部材合計で2015年には300億円以上の売上高を目標としています。今後も地球環境への負荷低減に寄与する技術として、LIBや蓄電池、燃料電池関連部材の開発を進め、事業の強化を図ってまいります。


以上

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