ルネサスエレクトロニクス、大電流と低損失を実現した民生用モーター駆動向けパワー半導体を発売

大電流と低損失を実現した、民生用モータ駆動向けパワー半導体の発売について
〜　電動工具等のパワーツールにおけるバッテリー駆動の長時間化に貢献　〜


　ルネサス　エレクトロニクス株式会社（代表取締役社長：赤尾　泰、以下ルネサス）はこのたび、パワー半導体強化の一環として、新たに電動工具等のパワーツールにも対応可能な１００Ａの大電流パワーＭＯＳＦＥＴを民生用モータ駆動向けに開発しました。幅広い電圧に対応するため、耐圧４０Ｖの「Ｎ０４１３Ｎ」など３製品、および耐圧６０Ｖの「Ｎ０６０１Ｎ」など３製品を製品化し、本日よりサンプル出荷を開始いたします。

　新製品は、業界トップクラスの低損失を実現しておりバッテリー駆動の長時間化が図れます。サンプル価格は、１個あたり１００円で、２０１１年８月から量産を開始し、２０１２年下期には６製品合計で月産２００万個を量産予定です。

　※製品画像は添付の関連資料を参照


＜背　景＞
　近年、電動工具等のパワーツールでは、バッテリー駆動の長時間化のためモータをインバータ回路（三相出力インバータ回路）で駆動し、電力の高効率化を図る商品がハイエンド品を中心に増加しています。そして、その回路に６個搭載されるパワーＭＯＳＦＥＴには低損失（低オン抵抗（注））化が求められています。

　ルネサスではかねてよりパワー半導体事業に注力し、民生、産業、自動車など様々な分野向けに低損失で高性能のパワーＭＯＳＦＥＴを量産していますが、民生用では電流は８３　Ａ品までしかラインアップしておりませんでした。しかし、上記のようなパワーツールでのパワーＭＯＳＦＥＴの需要増大に対応するため、パワーツールにも使用可能な１００Ａの大電流を実現し、低損失に対応した６製品を今回製品化したものです。


＜特　長＞
　新製品の主な特長は次の通りです。

（１）大電流と低損失を実現し、パワーツール等のバッテリー駆動時間延長に貢献
　新製品は実装技術などにより１００Ａの大電流を実現、パワーツールに対応可能です。加えて、長年培った設計技術により業界トップクラスの低損失を実現、例えばオン抵抗が耐圧４０Ｖの「Ｎ０４１３Ｎ」では２．７ｍΩ、耐圧６０Ｖの「Ｎ０６０１Ｎ」では３．３ｍΩ（共にＶＧＳＳ＝１０Ｖ時の標準値）と低いため、バッテリー駆動の長時間化が図れます。

（２）幅広い電圧と様々な実装形態に対応
　新製品は、耐圧４０Ｖ品と耐圧６０Ｖ品において、それぞれ自立パッケージのＴＯ−２２０ＡＢおよびＴＯ−２６２と面実装タイプのＴＯ−２６３を採用した合計６製品のラインアップであり、ユーザの様々なニースに対応できます。

　ルネサスは、今後も用途に適した製品をタイムリーに開発し、パワーＭＯＳＦＥＴのビジネス規模拡大を図っていきます。

　なお、ルネサスは７月２０日から７月２２日まで、東京ビッグサイトで開催される「第２６回電源システム展」に出展し、新製品をパネル展示いたします。

　新製品の仕様は、別紙をご参照下さい。
　　※添付の関連資料を参照


以　上


（注）
　オン抵抗（Ｒｏｎ）はパワーＭＯＳＦＥＴが動作している時の動作抵抗であり、数値が低いほど損失（導通損失）を低減できます。

＊本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。