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三菱地所など、エコッツェリア内の「次世代低炭素型技術実証オフィス」で約30%の節電効果を実証

2011-07-14

大手町・丸の内・有楽町地区の環境戦略拠点「エコッツェリア」の次世代実証オフィス

世界初「LED知的照明システム」「輻射空調システム」複合導入

1年間の実験の結果、約30%(※)の節電効果を実証


 三菱地所株式会社は、「LED知的照明システム」と「輻射空調システム」を世界で初めて複合導入したエコッツェリア内の「次世代低炭素型技術実証オフィス」において、約1年間(15ヶ月)にわたり実証実験を行った結果、約30%の消費電力削減効果を得ましたのでお知らせします。

 今回の成果をふまえ、三菱地所は、東日本大震災後、節電意識が一層高まるなか、新しいワークスタイルの提案と実用化に向けた検討を進めていきます。





【結果概要】

1.オフィス全体(LED知的照明システム+輻射空調システム)
 実証オフィスの照明・空調搬送・コンセントにかかわる年間消費電力は8,061kWhとなり、標準的なオフィスに対し、32%削減されました。

2.LED知的照明システム
 就業者が「最適」と感じる照明環境を自ら創り出す選択肢があることで、大きな節電効果と、執務中の快適性・知的生産性が両立可能であることが実証されました。


■消費電力を約60%削減
 標準仕様の照明(※1)に比較して、約60%の消費電力削減が可能となりました。
 LED照明の採用のほか、就業者が各自の業務内容や体調、気分に合わせ、自由に照明の照度、色温度を操作可能とすることで、不必要な照度の削減・不在箇所消灯の結果、大きな節電効果が得られました。

■350〜450ルクスの照度、3500〜4200ケルビンの色温度が人気
 オフィスビルでは、JIS規格で推奨値とされる机上照度750ルクスの照明が広く普及しています。しかし今回の実験により、就業者は350.450ルクスの照度、昼白色の蛍光灯(5000ケルビン)よりも相対的に温かみのある光色である3500〜4200ケルビンの色温度を好むことが明らかになりました。


3.輻射空調システム

■空調用搬送動力で40%以上の消費電力を削減
 天井及び壁面に水を通す「輻射空調」を導入した結果、標準仕様比(※2)で40%以上の消費電力削減効果が認められました。

■空調環境の快適性向上
 送風主体の従来型空調に比べ、局所的温度差が抑えられるほか、不快な送風音、気流等も軽減され、均質で安定した空調環境が実現されました。また、室内を省エネ温度設定にしても、実際の温度より体感温度が快適であるという輻射空調の特性も実感されました。


【成果と今後の展開】

 今回の実験は、オフィス執務環境における「快適性向上」と「省エネ・省CO2」の両立を狙って実施しましたが、結果は予測を十分に裏付けるものでした。

 東日本大震災後、節電強化が社会的な要請となっています。三菱地所は、本システムが緊急対応ではなく、抜本的な省エネに資するものと捉え、今後実用化の検討を進めていきます。

 また、知的照明やパーソナルファンのような個人で選択調整可能なツールがあれば、就業者は自ら「快適」で「生産性が高まる」仕事環境を創り出すことが確認されています。我慢せず、個人レベルで自由に「選べる」ということが大変重要であり、今回の実証実験でも明らかになった、省エネと快適性・知的生産性の向上を両立したワークスタイルを、今後のオフィスづくりに活かし、提案していきます。

(※)新丸の内ビルの標準仕様照明・新丸の内ビル同等の空調システムと比較
(※1)新丸の内ビルの標準仕様である照明(蛍光灯FHP45W・2灯/750ルクス/昼光利用・人感センサーなし)と比較
(※2)財団法人省エネルギーセンターの統計値(地域冷暖房熱源・レンタブル比60%以上の新丸の内ビルと同分類ビルを参照)
(※3)コンセント消費電力は比較対象とせず実証オフィスの実使用値をスライド(残業等稼働時間が長く、標準値との比較が困難)

・実証オフィスの概要
 導入場所:大丸有地区環境戦略拠点「エコッツェリア」(千代田区丸の内1−5−1新丸の内ビル10階)
        オフィス部分 約80m2
 計測期間:2009年10月〜2011年1月 (1年分の収集データより分析を実施)
 就業者数:10名 照明灯数:24灯

・実証実験体制
 実施主体:三菱地所株式会社・一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(エコッツェリア協会)
 設計・報告書総括:株式会社三菱地所設計
 輻射空調システム開発・製造:株式会社トヨックス
 輻射空調システム監修・検証:富山県立大学 准教授 中川慎二 ・ 准教授 真田和昭
 知的照明システム開発同志社大学 理工学部 知的システムデザイン研究室
 グリッド天井用LED 照明器具製造:シャープ株式会社 ・ 三菱電機照明株式会社
 知的照明システム設計・検証:同志社大学 教授 三木光範
 実証測定・快適性分析評価:千葉大学大学院 教授 川瀬貴晴・准教授 宗方淳
 リサイクルタイルカーペット製造:インターフェイス オーバーシーズ ホールディングズ インク
 空間デザイン:株式会社乃村工藝社


エコッツェリアとは
 三菱地所が2007年5月に大丸有地区の環境戦略拠点と位置づけて新丸の内ビル内に開設。エリア内の環境活動、ビル設備やインフラの高効率化・最適化などの環境技術を実証し、その効果を提示しています。エリア内の企業に対し、それらの環境活動・技術の導入を働きかけると共に、環境関連のセミナーや地球にやさしいライフスタイルの提案を行うイベントを定期的に開催し、丸の内発の新しい「環境文化」の創造を目指しています。


以上

オフィス専有部における年間消費電力(実証オフィス専有部内のデシカント空調機除湿分動力を除く)
 ※ 関連資料参照

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