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ギガフォトン、EUV光源で磁場によるデブリ除去技術を実証

2011-07-14

EUV光源で磁場によるデブリ除去技術を実証

2012年出荷開始予定のEUV露光用LPP光源の量産化計画が前進


 ギガフォトン株式会社(本社: 栃木県小山市、代表取締役社長: 渡辺裕司、 http://www.gigaphoton.com/ )は、2012年初旬に出荷を予定しているEUV露光用LPP光源にて、同社の独自技術である磁場によるデブリ除去技術を実証したと発表しました。ギガフォトンは2002年から、高出力と安定性・経済性を追求した独自技術によるEUV露光用LPP光源の開発に取り組んでおり、磁場を使ったデブリ除去を初めとするユニークな方式を提案してきました。今回の発表は、これまで検証を積み重ねてきた磁場によるデブリ除去技術により、92%以上のデブリを除去できることを製品レベルの装置で実証したものであり、ギガフォトンでは2012年初頭に予定されている製品出荷へ向けての大きな一歩と位置づけています。

 今回実証された磁場によるデブリ除去技術は、現在LPP光源の高出力化と安定稼働に大きな障害となっている、デブリによるコレクタミラーへのすず(Sn)付着(デポジション)とミラー多層膜への損傷を、大幅に低減可能とするものであり、ギガフォトンでは本格的な量産向けEUV露光用LPP光源における必須技術になるとしています。

 LPP光源においては、Snターゲット(ドロップレット)に対し、炭酸ガスレーザを照射する事でEUV発光させますが、この際に発生するSnの微小粒(フラグメント)、Sn原子等がコレクタミラーに付着(デポジション)したり、Snイオンがコレクタミラー表面の多層膜を損傷する結果、その反射率が短時間で低下し、出力低下を引き起こすため、本格的な量産向け光源での課題となっています。

 ギガフォトンが提案する磁場によるデブリ除去技術は、固体レーザによるプリパルスと炭酸ガスレーザによるメインパルスの最適な組み合わせにより、Snフラグメント、中性Sn原子の発生を抑制し、ドロップレット中のSnをほぼ全てイオン化します。イオン化されたSnを、Snキャッチャーへ電磁力でガイドする事で除去し、コレクタミラーへのデポジションと損傷を最小限に抑えます。

 今回の実証実験では、直径20μmのドロップレットに、プリパルス固体レーザ光の照射後、メインパルスであるCO2レーザを照射する事で、フラグメントは完全に消滅、Snドロップレットの93%がイオン化し、ここに最適の磁場を加える事により、99%以上のSnイオンがSnキャッチャーへガイドされる事を確認しています。これによりEUV多層膜へのSnイオンによる損傷を小さく抑えることが可能で、EUV光源のランニングコスト低減のボトルネックであったミラーの再生使用にも見通しがついたとしています。

 レーザ照射によってイオン化せず残った7%のSn原子は、コレクタミラーへゆっくりデポジションする可能性がありますが、ギガフォトンではエッチングガスを使ったコレクタミラーの常時クリーニング技術により十分除去可能としています。

 波長193nmのArFレーザを使った液浸露光装置によるダブルパターン露光が微細化の限界に達しつつある中、波長が13.5nmと短いEUV光源は、今後数世代にわたってムーアの法則を維持していくことのできる次世代露光技術ソリューションと考えられています。EUV露光装置導入を実現するにあたって、要素技術の中でも特に光源の安定稼働が主要な課題とされており、その技術成果に注目が集まっています。

 ギガフォトン代表取締役社長の渡辺裕司はこうコメントしています。「当社のユニークな独自技術が製品レベルの装置で実証された事で、低ランニングコストで安定的に稼働するLPP光源が実現可能である事が確認されました。これにより次世代露光技術としてのEUV露光装置導入の機運を一層高めるものと期待しています。ギガフォトンは市場からの2012年初頭出荷への要請に応えるため、初期量産に対応する工場の稼動を既に開始しており、EUVビジネスの準備を着々と進めています」


 ギガフォトン株式会社( http://www.gigaphoton.com )は2000年の設立以来、世界トップクラスの露光用エキシマレーザメーカーとして、日本を含むアジア市場、欧米市場の大手半導体メーカー各社に製品が採用されています。ギガフォトンの革新的な独自技術「LPP EUV」ソリューションは、次世代デバイスの量産での低コスト化、高生産化を実現する新たなリソグラフィ技術として、世界中の半導体メーカーから高い注目を集めています。ギガフォトンは、世界一のリソグラフィ光源メーカーを目指し、研究開発から製造・顧客サポートに至るすべての分野で常に顧客の要求に最優先で取り組んでいます。

 社名、ロゴは、株式会社ギガフォトンの商標です。記載内容は予告なしに変更される場合があります。ギガフォトンは、プレスリリースの記載内容が将来の諸事由で変更された場合、内容の更新または訂正発表する責任を持ちません。(c)2011 ギガフォトン


<連絡先>
 ギガフォトン株式会社 営業部
 TEL: 0285−28−8415 Email: sales@gigaphoton.com
 http://www.gigaphoton.com/

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