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新日鉄と東邦チタニウム、チタン薄板用直接鋳造チタンスラブの量産工業化技術を開発

2011-07-08

世界で初めて直接鋳造チタンスラブの量産工業化技術の開発に成功



 新日本製鐵株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:宗岡 正二 以下、新日鉄)と東邦チタニウム株式会社(本社:神奈川県茅ケ崎市 代表取締役社長:久留嶋 毅 以下、東チタ)は共同で、チタン薄板用直接鋳造チタンスラブ(DCスラブ(TM))の量産工業化技術の開発に世界で初めて成功し、この度、東チタはDCスラブ(TM)の量産を開始しました。このDCスラブ(TM)は、電子ビーム溶解法(EB溶解法)を用いてスラブを直接製造することによって、インゴットのブレークダウン工程(分塊圧延または鍛造)を省略し、工期短縮、省資源・省エネルギーを図ることが可能となり、チタンマーケットの拡大に寄与するものです。

 一般工業用途向けで主要な製品となっているチタン薄板は、大断面のインゴットをブレークダウン工程で薄くしたチタンスラブとし、次工程の大型連続熱間圧延ラインで圧延、製造しています。今回、両社で量産工業化技術の開発に成功したDCスラブ(TM)は、高品質なチタン薄板の製造に最適な鋳型の形状設計に自由度があるEB溶解法の利点を活かして直接鋳造するスラブです。

 DCスラブ(TM)の革新性は、ブレークダウン工程を省略する中で、従来と同等の品質の薄板製品を生産できるよう、スラブの表面性状および内部組織を高度に制御する鋳造条件等の最適化を確立した点にあります。開発にあたっては、両社が得意とする技術ノウハウ、即ち、東チタのEB溶解で蓄積された製造技術と、新日鉄の大型熱延コイルの製造技術、および研究開発力を結集し、量産工業化に成功いたしました。

 今回のDCスラブ(TM)の開発で、ブレークダウン工程の省略等によって、チタン薄板製造工期の2割程度の短縮、中間在庫の圧縮、スクラップロスによる歩留低下の回避が可能となりました。更に、DCスラブ(TM)は多量のスクラップを使用したリサイクル溶解が可能なEB溶解法をベースとすることから、チタン鉱石から製造したスポンジチタンの使用量を抑える事が出来るとともに、金属チタン製錬時に消費する電力の使用低減にも繋がる等、省資源、省エネルギーに優れ、資源の有効活用による循環型社会システムの構築にも貢献出来るものであります。


【用語解説】
 ・電子ビーム溶解法
  大出力の電子銃(EBガン)を熱源として、真空中で金属チタンを溶解する方法のこと。この方法で用いる原料はチタンスクラップ、スポンジチタンいずれも可能で、鋳型を換えることにより、色々な形状のインゴットを製造することが出来る。

 ・ブレークダウン工程
  大断面に鋳造されたチタンインゴットを大型の可逆式熱間圧延機で圧延、或いは大型の熱間鍛造機による鍛造加工で、鉄鋼の大型圧延機で圧延可能な長方形断面の扁平なチタンスラブに加工する工程。

 ・リサイクル溶解
  純チタン板の製造工程で発生したチタンスクラップを再溶解し、インゴットやDCスラブ(TM)を作ること。大型のチタンスクラップはこれまで国内でリサイクル溶解が困難であったが、東チタの電子ビーム(EB)溶解法の導入で容易となった。



以上



<DCスラブ、チタンインゴット>

 ※画像は添付の関連資料を参照


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