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パナソニック電工、電解アルカリ水の飲用が運動不足モデルラットの筋量低下を抑制する効果を検証

2010-10-08

水素を含んだ電解アルカリ水(※1)の飲用により、
運動不足モデルラットの筋量低下(廃用性筋萎縮)を抑制する効果を検証
〜第65回日本体力医学会大会(※2)(2010年9月開催)で発表〜


 パナソニック電工株式会社、山梨大学教育人間科学部(山梨県甲府市)と機能水研究振興財団(東京都品川区)では水を電気分解する事により生成した水素を含む電解アルカリ水を飲用することにより、運動不足による筋量低下、および活性酸素による生体内酸化ストレスが軽減される可能性があることについて検証しました。

 近年、高齢化が進んでおり、中でも介護を必要とする高齢者の方々が増加しています。高齢者の場合、膝・腰に痛みを持つ人、骨折や転倒を起こした人は、体を動かす(運動する)機会が減ってしまうことがあり、それが原因で筋肉が衰えて体の機能が低下して動けなくなる(廃用症候群)ことがあります。これは、健康な人にも言えることであり、運動不足は筋肉の衰えを招き基礎代謝を下げるため、肥満や糖尿病の原因となります。これらを防ぐためには、まず、体を動かすことが重要です。また、運動不足による廃用性筋萎縮の原因に、活性酸素(※3)による生体内酸化ストレス(※4)の存在が挙げられますが、それを防止するためさまざまな抗酸化剤を摂取する研究が行われています。

 当社では、電解アルカリ水に溶存する水素に着目し、電気分解の効率化、気泡生成、水素溶解メカニズムについて研究を行っております。また、電解アルカリ水に溶存する水素の抗酸化作用やメカニズムについては、山梨大学教育人間科学部と機能水研究振興財団が中心となって生体作用研究を行っていますが、今後も共同研究を積極的に進め、電解アルカリ水に含まれる水素の作用を検証し、学会などでの発表を行っていきます。

※1 水を電気分解する事により負極側で生成される水素を含むアルカリ性の水
※2 日本体力医学会:体力ならびにスポーツ医科学に関する研究の進歩、発展を促進し、研究の連絡協力を図るとともにその成果の活用を図ることを目的とする学会(学会ホームページより抜粋( http://www.jspfsm.umin.ne.jp/about/articles.htm )
※3 酸素から生成される高い反応性と強い酸化力をもった物質。生体にとって異物から体を守る免疫機能等において有益であるが、過剰に存在すると生体に酸化障害を引き起こすとされる。
※4 体内で酸化力が抗酸化力を上回った状況。酸化力が高いと酸化反応により生体に有害な作用が引き起こされる。


■検証方法
 8週齢のWistar系雄性ラットを1週間の予備飼育の後に後肢が無加重の条件で飼育し、筋肉退化したラットを運動不足モデルとしました。この時、ラットを浄水飲用群と水素を含む電解アルカリ水飲用群、水素を高濃度に含む水素高溶存電解アルカリ水(※5)飲用群を含む5群に分け、4、8、12日間飼育しました。4、8、12日後に体重、後肢の筋重量、生体内酸化ストレスを反映すると考えられるSOD活性(※6)を求めました。また、各水の飲用効果を評価するために、生体内酸化ストレスの程度に関して各水の飲用群間での比較を行いました。

※5 水素を含む電解アルカリ水にさらに水素を溶解させた水
※6 SOD(superoxide dismutase)によるスーパーオキシド(活性酸素の一つ)の消去活性


■検証結果
 水素を含む電解アルカリ水、または水素高溶存電解アルカリ水を飲用することにより、

 (1)ヒラメ筋と足底筋の筋肉退化に伴う重量減少に関して、浄水飲用群に比べ、ともにその減少割合が少なくなる傾向となり、飲水に含まれる水素が、筋萎縮とそれに伴う筋量低下を抑制する作用が示されました。
 (2)運動不足モデルラットの腓腹筋の抗酸化酵素活性の変化では、SOD活性が4〜12日目まで増加し続けますが、水素を含んだ水の飲用によってその上昇が有意に抑制されました。

 これらの結果から、水素自身がSOD様活性を有する可能性があり、運動不足時に生成する酸化ストレスを消去、あるいは減弱させ、その結果、廃用性筋萎縮を抑制させたと考えることができました。

 以上の検証結果から、水素を含む電解アルカリ水や水素高溶存電解アルカリ水に含まれる水素には抗酸化作用が見られ、飲用することにより、活性酸素から日常的に身体を防御できる可能性が確認されました。
 今回の検証結果は、「第65回日本体力医学会大会」(2010年9月16〜18日:千葉)で発表しました。


■検証データ
【試験概要】:運動不足モデルラットに対する水素を含んだ水の飲用効果
 Wistar系雄ラット(8週齢、n=65、日本エスエルシー株式会社)を最初に7日間の予備飼育(単独飼育)によって、飼育環境(12時間の明暗サイクル、給餌・給水方法等)に馴化させ、予備飼育期間終了後、以下の5群にグルーピングした。
 1)ベースコントロール群: 予備飼育のみ、通常飼育(n=5)
 2)コントロール群: 通常飼育(n=15)
 3)浄水飲用群: 運動不足モデル(n=15)
 4)水素を含む電解アルカリ水飲用群: 運動不足モデル(n=15)
 5)水素高溶存電解アルカリ水飲用群: 運動不足モデル(n=15)

※ 2)から5)については、観察期間でさらに3つに細分化(4、8、12日間、いずれもn=5)

 通常飼育を行ったベースコントロール群とコントロール群以外の群は、後肢が無加重の条件で飼育し、筋肉退化したラットを運動不足モデルとしました。運動不足モデルでは下腿の急速な廃用性筋萎縮が引き起こされます。

【試験結果】: ※添付の関連資料を参照


■山梨大学 小山 勝弘 准教授の考察
 運動不足の場合に体内で持続的に生成される活性酸素は、酸化ストレスとして生体内でたんぱく質、脂質やDNAの酸化を引き起こす。また、廃用性筋萎縮の原因の一つになると考えられ、結果的には筋肉の衰えを招き基礎代謝を下げるため、肥満や糖尿病の遠因になると考えられてきている。
 これらを防ぐために、まずは体を動かすことが重要だが、近年では各種ビタミンポリフェノールなどの抗酸化物質の積極的な摂取が推奨されてきている。水を電解することで生成できる電解アルカリ水に含まれる水素にも同様に抗酸化作用があると考えられ、さまざまな研究が行われている。


【ご参考】
(1)国立大学法人 山梨大学 教育人間学部  小山 勝弘 准教授
<略歴>
 1991年 3月 筑波大学体育専門学群(健康体力学主専攻)卒業
 1993年 3月 筑波大学大学院修士課程体育研究科(コーチ学専攻)修了 体育学修士
 1997年 3月 兵庫医科大学大学院医学研究科(生理学)修了 博士(医学)

<所属学会>
 日本体力医学会、日本運動生理学会、日本生理学会、
 日本武道学会、日本体育学会、アメリカスポーツ医学会、ヨーロッパスポーツ科学会、
 日本抗加齢医学会、日本公衆衛生学会、日本学校保健学会、日本骨粗鬆症学会


以上

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