米Ｊ＆Ｊグループ、ＮＥＶＯシロリムス溶出冠動脈ステントの開発を中止

コーディス社、ＮＥＶＯ（ＴＭ）シロリムス溶出冠動脈ステントの開発中止を発表

今後は患者ニーズの大きな心臓・血管疾患領域に注力


　〔ニュージャージー州ブリッジウォーター、２０１１年６月１５日〕インターベンション技術の開発と製造の世界的リーディングカンパニーであるコーディス社は本日、ＮＥＶＯ（ＴＭ）シロリムス溶出冠動脈ステントの開発を中止し、今後は大きな患者ニーズのある心臓・血管疾患領域に注力すると発表しました。同社はまた、年内にＣＹＰＨＥＲ（Ｒ）およびＣＹＰＨＥＲ　ＳＥＬＥＣＴ（Ｒ）＋シロリムス溶出冠動脈ステントの製造を中止致します。

　コーディス社のカンパニーグループチェア兼ワールドワイド　フランチャイズ　チェアマンのセス・フィッシャー（Ｓｅｔｈ　Ｆｉｓｃｈｅｒ）は「薬剤溶出ステント分野における市場環境が変化しており、私たちは、患者さんにとってさらに有益でかつ事業の成長がより見込める大きな機会が、心臓・血管疾患用医療機器市場には存在すると考えています。コーディスは診断用カテーテル、ガイディングカテーテル、ベアメタルステント、薬剤溶出ステント、頸動脈ステント、末梢血管疾患や不整脈の治療などの多数の市場においてリーディングポジションを確立してきました。これらの治療法は世界中の数多くの患者さんの生命を救い、ＱＯＬの向上に役立っています。私たちは今後も心臓・血管疾患の革新的な治療法をお届けします。」と述べています。

　私たちは、バイオセンス　ウェブスターとコーディスの事業を通じて、心臓・血管疾患領域に今後も注力してまいります。

　バイオセンス　ウェブスターは、高度な心臓疾患の診断、治療とマッピングシステムを擁する革新的企業として２５億ドル規模の電気生理学（ＥＰ）市場における世界的リーディングカンパニーとしてのポジションを確立し成長していきます。バイオセンス　ウェブスターはＥＰナビゲーションシステムとアブレーション治療のリーダーとして、世界各地の主な医療施設や医療教育機関で最も導入されているマッピングナビゲーションシステムと、強固な製品パイプラインを有しています。

　コーディスは、１２０億ドル規模の市場である末梢血管治療や心血管治療に関する製品ポートフォリオを拡大します。心血管治療における血管アクセスや診断と治療、および下肢血管疾患の診断、血管アクセスと治療に関する製品、ならびに腹部大動脈瘤治療に使用する新規開発医療機器であるＩＮＣＲＡＦＴ（ＴＭ）ステントグラフトシステムに注力します。また、このほど米国食品医薬品局（ＦＤＡ）より止血デバイスＥＸＯＳＥＡＬ（ＴＭ）の承認を得ました。

　これらの事業の２０１０年度売上高は１９億ドル（＊）、前年比８％増の成長を示しました。これらの事業は心臓・血管疾患に苦しむ患者さんの生活改善と延命をもたらす持続的な低侵襲治療をお届けするという共通の目標のもと展開されています。患者さんのニーズが大きく、将来性のある技術が存在する分野での機会を探索していきます。

　コーディスは、ＮＥＶＯ（ＴＭ）ステントの製造を予定していたカシェル（アイルランド）の製造工場と、ＣＹＰＨＥＲ（Ｒ）ステントを製造するサンヘルマン（プエルトリコ）の工場を閉鎖する予定です。また、カリフォルニア州フリーモントの研究開発チームを統合します。これに伴い全体で９００〜１，０００名の人員削減を行い、これらの計画に関して各国で必要な対応を行います。

　本日発表した別のニュースリリースにおいて、コーディスの親会社であるジョンソン・エンド・ジョンソンがコーディスの再編計画の財務への影響を発表しました。

　薬剤溶出ステントの市場環境は近年大きく変わってきており、需要、価格と保険償還、画期的な新技術に対する規制当局の要求事項など様々な点が変容し続けています。コーディスが所有もしくはライセンスのある特許を侵害する非ライセンス品との競合によりＣＹＰＨＥＲ（Ｒ）ステントの価格、売上や市場シェアが低下し、ＮＥＶＯ（ＴＭ）ステントの市場導入に関する見通しが悪化しました。同時に、コーディスが薬剤溶出ステント市場から撤退した後も、競合他社が提供する製品が患者さんのニーズを十分に満たすことが長期データによって示されています。

＊薬剤溶出ステントの売上を除く


■バイオセンス　ウェブスターについて
　バイオセンス　ウェブスター社はジョンソン・エンド・ジョンソングループの一員で、２０年以上前から、電気生理学的（ＥＰ）診断カテーテルを他社に先駆けて開発し、その後も高度な心臓疾患の診断・治療・マッピングシステムの革新的企業として業界をリードしてきました。ＥＰナビゲーション技術とアブレーション治療のリーダーであるバイオセンス　ウェブスター社の製品は、世界各地の主な医療施設や医療教育機関において最も多く導入されています。バイオセンス　ウェブスターとその製品に関する詳細については、　http://www.biosensewebster.com　をご覧下さい（米国内の閲覧者に向けて作成しています）。

■コーディス社について
　コーディス社は、ジョンソン・エンド・ジョンソングループにおいて、血管インターベンション技術の開発・製造を専門とする企業です。コーディス社は、その革新性、研究、開発を通じて世界各地のインターベンションに携わる循環器科医、放射線科医や血管外科医と協力し、血管疾患をもつ多くの患者さんの治療を支えています。コーディスに関する詳細は、　http://www.cordis.com　ご覧下さい（米国内の閲覧者に向けて作成しています）。