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矢野経済研究所、有機エレクトロニクス世界市場に関する調査結果を発表

2011-06-07

有機エレクトロニクス世界市場に関する調査結果 2011


【調査要綱】

 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて有機エレクトロニクス世界市場の調査を実施した。
 1.調査期間:2011年1月〜5月
 2.調査対象:有機エレクトロニクス関連研究機関及びメーカー
 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談ならびに文献調査併用

<有機エレクトロニクスとは>
 有機エレクトロニクスとは、広義では有機感光体や有機EL素子材料等も含まれるが、本調査においては有機半導体または有機半導体技術を活用したエレクトロニクス製品を指す。


【調査結果サマリー】

●2020年の有機エレクトロニクス世界市場規模は10億USD近くまで拡大すると予測する
 有機エレクトロニクスは、ディスプレイの表示素子を駆動させるバックプレーンや太陽電池、センサー等を中心に市場が拡大すると予測する。市場の立ち上がりは2015年前後から始まり、2018年頃から急速な市場拡大へとシフトするとみる。

●2020年の有機エレクトロニクス世界市場のアプリケーション別比率は、有機バックプレーン66.1%、有機薄膜太陽電池12.8%、有機センサー及びその他21.1%と予測する
 有機バックプレーンは有機ELディスプレイや電子ペーパー等、有機薄膜太陽電池はモバイルやマイクロ発電等、有機センサーは圧力センサーや温度センサー等への採用が広がってくると推測する。特に、ディスプレイ向けは「フレキシブル」「プリンテッドエレクトロニクス」をキーワードに有機半導体TFTの活用が広がってくると予測する。


◆資料体裁
 資料名:「有機エレクトロニクス 2020 年展望」
 発刊日:2011年5月26日
 体裁:A4判 151頁
 定価:210,000円(本体価格200,000円消費税等10,000円)


◆株式会社 矢野経済研究所
 所在地:東京都中野区本町2−46−2 代表取締役社長:水越 孝
 設立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL:http://www.yano.co.jp/


 本件に関するお問合せ先(当社HPからも承っております(http://www.yano.co.jp/

 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報宣伝グループ迄お問合せ下さい。


【調査結果の概要】

1.有機エレクトロニクス市場
 本調査の市場規模には含んでいないが、広義で言う有機エレクトロニクスには有機感光体や有機EL素子、導電性高分子等も含まれる。最近は有機ELがスマートフォンを中心に需要を拡大しているほか、導電性高分子も固体コンデンサーやプロテクトフィルム向けの需要が堅調な状況にある。ただ、有機半導体を活用した有機エレクトロニクスは市場として立ち上がっておらず、今は研究機関や企業を中心に研究開発がなされている段階にある。

 これまで有機半導体TFT(薄膜トランジスタ)はシリコン系半導体TFTに比べて性能面で劣るという評価がなされていたが、現在ではLCD(液晶ディスプレイ)向けに多く活用されているアモルファスシリコンTFT(a−Si TFT)を上回る性能にまで向上している。有機半導体材料には主に低分子蒸着材料と低分子溶液材料、高分子材料があるが、このうち低分子溶液材料を使用したTFTで電子移動度12cm2/Vs、高分子材料で同3.5cm2/Vsを実現している。a−Si TFTの電子移動度は1cm2/Vs程度であるため、低分子溶液材料ですでに10倍以上の性能を有することになる。
 有機エレクトロニクスは2015年頃から「フレキシブル」「プリンテッドエレクトロニクス」をキーワードに市場が立ち上がってくると予測する。有機半導体TFTをドライプロセスによって形成することも可能ではあるが、塗布プロセスの適応が可能であることが有機半導体TFTのメリットの1つである。こうした塗布プロセスによる有機エレクトロニクスが市場として本格的に拡大し始めるのは、歩留まりやアプリケーションが徐々に拡大し始める2018年頃からで、2020年には10億USD近くにまで拡大すると予測する。

<図1. 有機エレクトロニクス世界市場規模推移(2010年〜2020年予測)>

 ※添付の関連資料を参照


2.アプリケーション動向
 有機半導体または有機半導体技術を活用したエレクトロニクス製品として、有機バックプレーンや有機薄膜太陽電池、有機センサー等が想定される。それ以外にも、アクチュエーターや半導体レーザー、キャパシタ等も研究開発の対象となっている。
 有機エレクトロニクスのなかで最も研究開発が盛んなのは、有機バックプレーン及び有機薄膜太陽電池である。ディスプレイの表示素子を駆動させる有機バックプレーンは、今後フレキシブルディスプレイを実現させるために重要なキーデバイスとなる。当初、フレキシブルディスプレイは薄型軽量化、破損防止、生産性向上といったガラス代替として需要が立ち上がってくるであろうが、その後は曲面、巻取、折曲といった真のフレキシブルディスプレイへと進展していくと考える。2012〜2013年にはPlastic Logic社が電子ペーパー用に有機バックプレーンを量産する予定となっているが、有機バックプレーンは電子ペーパーや有機ELディスプレイ向けを中心に採用がスタートすると予測する。
 ここ数年、有機薄膜太陽電池の変換効率が急速に向上している。2009年段階ではセルベースで平均変換効率5〜6%前後が主体であったが、2010年には同7〜8%前後にまで至っている。このペースでいけば、2011年は8〜9%、あるいは8〜10%前後における変換効率の達成が見込まれるため、2011年もしくは2012年には世界初となる変換効率10%超の有機薄膜太陽電池セルの開発がなされる可能性がある。今後はモジュール化したうえでの変換効率向上に加え、モバイルやマイクロ発電等での用途開拓も重要になってくる。
 市場規模は有機半導体やデバイス構造、プロセスの開発動向、セットメーカー各社の事業化時期に左右されるが、2020年の有機エレクトロニクス世界市場のアプリケーション別比率は、有機バックプレーン66.1%、有機薄膜太陽電池12.8%、有機センサー及びその他21.1%と予測する。

<図2. アプリケーション別有機エレクトロニクス世界市場規模推移(2010年〜2020年予測)>

 ※添付の関連資料を参照

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