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アナログ・デバイセズ、マルチバンド通信向けに高集積ワイドバンド・パッシブ・ミキサーなど発売

2011-06-06

アナログ・デバイセズ、マルチバンド通信向けに業界初のワイドバンド性能の
ミキサー「ADL5811」「ADL5812」を発表

ワイヤレス・インフラストラクチャおよびソフトウェア無線アプリケーション向け


 アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、通信アプリケーション向けに、業界でトップクラスの高集積ワイドバンド・パッシブ・ミキサー「ADL5811」(シングルチャネル)と「ADL5812」(デュアルチャネル)を発表しました。ADL5811とADL5812は、卓越した直線性(リニアリティ)、低歪、および低ノイズ性能を、ワイドバンド(広帯域)周波数性能とあわせて提供します。この新しいパッシブ・ミキサーは、ワイドバンドLO(ローカル・オシレータ)アンプ、プログラマブルRFバラン、ハイリニアリティ・ミキサー・コア、プログラマブルIFフィルタ、およびIFアンプの組み合わせにより、マルチバンドのシングルボード・レシーバ設計を可能にします。

 ADL5811およびADL5812パッシブ・ミキサーは、周波数範囲が700MHzから2800MHzと広く、同時に、+24dBmという高いIIP3(入力3次インターセプト)、11dBというSSBノイズ・フィギュア、および7dBという電力変換ゲインを提供します。これらの性能仕様は全動作周波数範囲にわたって保たれます。これらのパッシブ・ミキサーは、マルチバンド/マルチスタンダードへの対応が求められる携帯電話基地局、業務用無線などの広帯域無線通信用ダウン・コンバータ、マルチモード携帯電話用リピータ、およびピコセルを含む、ワイヤレス・インフラストラクチャ・アプリケーションおよびソフトウェア無線アプリケーション向けに設計されています。

 アナログ・デバイセズ社 リニアおよびRFグループ担当ヴァイス・プレジデント、ピーター・リアル(Peter Real)は次のように述べています。「これまで、ワイヤレス・レシーバの設計者は、優れたワイドバンド動作とほどほどのスプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)を提供するアクティブ・ミキサーか、SFDRは大きいが動作帯域幅の狭いパッシブ・ミキサーのどちらかを選択するしかありませんでした。今回、当社が市場に投入したADL5811とADL5812パッシブ・ミキサーは、このトレードオフを不要にし、真のワイドバンド周波数動作をサポートしつつ、技術者が必要とする高いリニアリティ、歪、およびノイズ性能を提供します」

 この700MHzから2800MHzをカバーするパッシブ・ミキサーの優れた性能は、3つの最新技術によって実現しました。中でも最も重要なのは、リミットLOアンプの開発です。これにより、既存のナローバンド(狭帯域)ミキサーに比べ、消費電流を増加することなく、広い帯域幅にわたって、安定したミキシング性能を提供する事が可能となりました。

 2番目の技術は、RFバランの集積です。これにより、バランスのとれたRF信号がFETミキサーに印加されます。これまでは、ナローバンド・ミキサーが、磁気トランスまたはトランスミッション・ライン・トランスで構成されるRFバランを内蔵していましたが、損失こそ低いものの、帯域幅はそう広くはありませんでした。

 3番目の技術は、パッシブ・ミキサーが生成する不要な合成波によりIFアンプの直線性が低下し、早期飽和の原因となる問題に対応するものです。ADIは、適切な終端をRFおよびLO周波数の関数として提供する同調フィルタ・ネットワークを設計し、不要なサイドバンド(側帯)の振幅を減らしました。

 ADL5811とADL5812の周波数はSPI(シリアル・ポート・インターフェース)を用いて容易に変えることができるため、外付けのインピーダンス・マッチング部品を用いることなく、ミキサーをチューニングすることができます。さらに、パッシブ・ミキサーのDCバイアス電圧(ゲート電圧)をデジタル調節することで、性能を最適化することができます。デュアルチャネルのADL5812は、消費電力を最適化するために、各チャネルを独立にイネーブルまたはディスエーブルすることができます。DPD(デジタル・プリディストーション)のオブザーベーション・レシーバあるいはノンダイバーシティ・アプリケーション向けには、シングルチャネルのADL5811にて、マルチチャネルまたはマルチバンド・プラットフォームに、単体にて対応することができます。


<ADL5811、ADL5812の特長>
 ・LOアンプが広帯域特性を実現
 ・可変バランがバランスのとれたRF信号を保証
 ・可変IFフィルタが適切な周波数特性を提供
 ・RFおよびLO入力は、シングルエンド50Ω
 ・700MHzから2800MHzまでの広帯域な周波数範囲
 ・入力IP3:+24dBm
 ・SSBノイズ・フィギュア:11dB
 ・電力変換利得:+7dB


<供給、価格、および関連製品について>

 ※添付の関連資料を参照

 ADL5811およびADL5812パッシブ・ミキサーは、ADIのIF デジタル可変ゲインアンプ「AD8375/6」または差動アンプ「ADL5561/2」およびシンセサイザ・シリーズ「ADF435X」とあわせて組み込むことで、完全なレシーバ・シグナル・チェーンを構成することができます。


<全てのRFシグナル・チェーンをカバーするADIのRF IC製品群>
 ADIは、設計スキル、システムに対する理解、そしてプロセス技術をユニークに組合せて活用することで、業界をリードする高性能のRF機能ブロックから、高集積の多機能シングルチップRFソリューションまで、すべてのRFシグナル・チェーンをカバーする最も広範なRF IC製品群を提供しています。これらの製品は、RFシステムの開発を容易にする無償の設計ツール、評価ボード、およびその他の設計リソースによってサポートされています。


【詳細情報】
●ADL5811
 http://www.analog.com/jp/ADL5811

●ADL5812
 http://www.analog.com/jp/ADL5812

●ADIのRF/ワイヤレスおよび通信ソリューションについて
 http://communications.analog.com/jp/segment/cmmn.html


※製品画像は添付の関連資料を参照


<アナログ・デバイセズ社について>
 アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場 において長期にわたり高い成長を示してきました。
 ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、設計/製造拠点を世界各国に展開しています。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ−:ADI)、S&P 500インデックスの一社に挙げられています。


<製品に関する読者からのお問い合わせ先>
 アナログ・デバイセズ株式会社 広報・宣伝部
 電話 03−5402−8270

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