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NHK、Web経由で高度な番組編集・制作ができるシステムを開発
ファイルベースシステムが快適に、大きく進化!
〜ウェブブラウザを用いて快適な編集環境を提供〜
では、ファイルベースシステムの利点を最大限活用した、使いやすく快適な番組編集システムの開発を進めています。今回、ウェブ上のどこからでも、編集作業用パソコン一台で高度な番組編集・制作ができるシステムを開発しました。
現在の番組編集システムは、VTRテープによる編集から、ファイルベースによる編集に移行しています。しかし、編集、記録、映像処理などの番組編集機器(ハードウエアー)が別々に分かれており、ファイルコピーや記録媒体の受け渡し、機器の操作方法の違い、などの課題がありました。
今回、これらの番組編集機器(ハードウエアー)をウェブ上で仮想的に組み合わせることで、それらの存在を意識せずに番組編集できる「フレキシブル制作システム」を開発しました。
本システムは、以下の特徴を持ちます。
(1)離れたサーバーに分散している映像素材も、編集作業用パソコン内にある映像素材と同じ感覚で利用できます。
(2)複数のサーバーに分散保有されている映像素材を、どの編集作業用パソコンからも同じ環境で編集することが可能です。
(3)多数の編集作業用パソコンから編集を同時に行っても、処理能力の低下が少なく円滑に使用できます。
(4)どの編集作業用パソコンでも、同じ機能と操作で編集が可能です。
○NHKは今後も、創造的で効率的な番組制作を支援するための研究開発を推進していきます。
※この「フレキシブル制作システム」のソースコードの公開を行います。 ( http://www.nhk.or.jp/strl/flexible/ )
案
(参考)
「フレキシブル制作システム」は、4つのシステムと1つのライブラリで構成しています。
1、ウェブ編集システム
番組制作者がウェブ上で自由にリモート編集できる、ウェブブラウザを応用したクラウド時代の番組編集システム
2、分散ファイルシステム
番組編集作業をウェブ上で円滑に行うため、膨大なファイルの加工、保持、管理などを複数のノードで分散して行うシステム
3、挿入削除機能付きファイルシステム
ファイル編集を高速化するため、編集処理を挿入や削除するデータの移動のみで行えるファイルシステム
4、高速ファイル転送システム
長距離IPネットワークでのファイル転送を高速化するため、帯域を有効利用できるようにしたファイル転送システム
5、素材作成用MXF※
各編集作業用パソコンでの編集機能と操作性を向上するため、MXFフォーマットファイルを利用するための豊富なプログラムを提供するライブラリ ライブラリ
※MXF: Material eXchange Formatの略。SMPTE(米国映画テレビ技術者協会)で規格化されたデジタル映像、音声を扱うためのファイルフォーマット。
※ 参考資料は、関連資料参照