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ルネサス、ローエンド向けセーフティマイコン「RH850/P1L−C グループ」4製品を開発
自動運転の実現に向け、システムのプラットフォーム開発を加速する
セーフティマイコンのラインアップが完成
〜「RH850/P1x−C シリーズ」にローエンド向け「RH850/P1L−C グループ」が登場〜
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼 CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、アンチロックブレーキシステムや、エアバッグシステム等のシャシー&セーフティシステムおよび小型モータ制御向けに適した、「RH850/P1L−C グループ」4製品を開発しました。RH850/P1L−C は、自動運転の実現に向けた運転支援システムへのニーズをオールインワンで提供するセーフティマイコン「RH850/P1x−C シリーズ」のローエンド版に位置する製品です。ルネサスは新製品のサンプル出荷を本日より開始いたします。
新製品は、(1)RH850/P1x−C シリーズの製品プラットフォームの継承により、機能安全/セキュリティに対応するとともに、周辺機能の互換性を確保、(2)当社の強みである低消費電力技術により放熱板不要のLQFPパッケージの採用と小ピンパッケージ展開により車載制御ユニット(Electronic Control Unit、以下ECU)の小型化ニーズへ対応、といった特長を有しています。また、(3)セーフティ/セキュリティサポートプログラム、AUTOSAR対応MCAL(注1)、パートナとの連携によるモデルベース開発環境、小型モータ制御を想定したリファレンスボードなど、開発期間短縮を支援するソリューションも順次提供いたします。新製品のサンプル価格は3,000円/個(税別)となっております。新製品の量産は2018年5月より開始し、2020年には合計で月産70万個となる計画です。
近年、自動運転の実現に向けて運転支援システムの高度化・高性能化が進み、他の車載制御ユニットとの協調制御が重要になっております。なかでもシャシーシステムでは先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance Systems、以下ADAS)との協調により、センサからの情報量増加に伴い、高速な通信機能とともに高い情報処理能力が求められています。また車両のハッキングといったセキュリティ上の新たな脅威に備えるため、EVITA等の車載セキュリティ仕様への対応、故障等によるシステムの異常が致命的な状況に至らぬよう安全規格ISO26262において最も高い機能安全要求レベルとなるASIL D(注2)への対応が求められています。このようなニーズ(センシング、コネクティビティ、セキュリティ、セーフティ)をオールインワンで提供するセーフティマイコンとして、ルネサスはRH850/P1x−CシリーズのRH850/P1H−Cグループ、RH850/P1M−Cグループを2014年に提供開始いたしました。RH850/P1H−CはADAS等のハイエンドアプリケーションに、またRH850/P1M−Cはスタビリティーコントロール等のミドルレンジアプリケーションに適しています。
一方これらのハイエンド/ミドルレンジアプリケーションに対するニーズと並行して、故障発生時も動作を継続するためのシステムの冗長化やECU小型化といったニーズ、なかでも、高度化・高機能化するシステムの開発期間短縮・開発費抑制のためソフトウェアおよび開発環境の共通化ニーズが高まっています。このような状況のもと、アンチロックブレーキシステムや、エアバッグシステム等のシャシー&セーフティシステムおよび小型モータ制御等のローエンドアプリケーション、またECU小型化、システムの冗長化ニーズに応えるものとして開発されたのがRH850/P1L−Cです。この新製品の提供により、ハイエンドからローエンドまでソフトウェアの流用および開発環境の共用が可能となるプラットフォーム開発をユーザに提案する、RH850/P1x−Cシリーズの一連のラインアップが揃うことになります。
*リリース詳細は添付の関連資料を参照
※本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
以上