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カスペルスキー、2016年のサイバー脅威動向レポートを発表

2016-12-10

<Kaspersky Security Bulletin:2016年のサイバー脅威を振り返る>
ランサムウェアが最大のトピックス、企業への攻撃は今や40秒に1回に

[本リリースは、2016年12月7日にKaspersky Labが発表したプレスリリースに基づいた抄訳です]


 Kaspersky Labのグローバル調査分析チーム(GReAT)は、年次のサイバー脅威動向レポートで、その年の主要なサイバー脅威をまとめています。2016年はランサムウェアが世界中で猛威を振るい、高度化と多様化を遂げ、データとデバイス、そして個人と企業に対する影響力を強めました。この脅威の増大が非常に著しいことから、GReATはランサムウェアを2016年の最重要トピックに位置付けました。

 ※参考資料は添付の関連資料を参照

 ・企業に対する攻撃:1月には2分間に1回だった攻撃が、10月には40秒に1回になりました。
 ・個人に対する攻撃:1月には20秒に1回だった攻撃が、10月には10秒に1回へと増加しました。
 ・ランサムウェアファミリー:2016年は新たに62のランサムウェアファミリーを確認しました。

 特に注目すべきはRansomware−as−a−Service(RaaS:サービスとしてのランサムウェア)です。ランサムウェアを独自に開発するスキル、リソースそして意思のないサイバー犯罪者にとって、RaaSは魅力的なビジネスモデルです。コード作成者がマルウェアをオンデマンドで独自に改変したバージョンを販売します。RaaS利用者は、そのマルウェアをスパムやWebサイト経由で拡散させ、被害者から得た身代金のうち一定の割合を利用料として支払います。結果的に利益を得るのはコード作成者です。

■2016年ランサムウェアの進化
 ・企業に対する攻撃は大幅に増加しています。世界の企業の5社に1社で、ランサムウェア攻撃に起因するITセキュリティインシデントが発生しています。また、中小規模企業の5社に1社が、身代金を支払うもファイルは取り戻せませんでした。

<世界の企業の5社に1社で、ランサムウェア攻撃に起因するITセキュリティインシデントが発生>
 https://business.kaspersky.com/security_risks_report_perception/

<中小規模企業の5社に1社が、身代金を支払うもファイルは取り戻せない>
 https://business.kaspersky.com/cryptomalware-report-2016/5971/

 ・特定の業種は激しいランサムウェア攻撃を受けていますが、標的対象は多岐にわたっており、リスクが低い業種は存在しません。最も多くの攻撃を受けた業種は教育で23%、最も少ない業種は小売りおよびレジャーの16%です。

 ・「教育用」ランサムウェアは、攻撃に対するシミュレーションテストを目的とし、システム管理者に提供するために開発されました。しかし、犯罪者がすぐさま悪用するようになり、「Ded_Cryptor」や「Fantom」などの台頭につながりました。

<「教育用」ランサムウェアは犯罪者ががすぐさま悪用>
 https://securelist.com/blog/research/73565/hidden-tear-and-its-spin-offs/

<Ded_Cryptor>
 https://blog.kaspersky.com/ded-cryptor-ransomware/12526/

<Fantom>
 https://blog.kaspersky.co.uk/fantom-ransomware/7622/

 ・2016年に初めて確認されたランサムウェア攻撃の手法に、ディスクの暗号化があります。これは、少数ではなく全ファイルに対して一斉にアクセスをブロックまたは暗号化する手法で、「Petya」がその一例です。「Dcryptor」(別名Mamba)はさらに一歩踏み込み、標的のマシンにリモートアクセスするために総当たり攻撃でパスワードを割り出し、感染させた後にハードドライブ全体をロックします。

<Petya>
 https://securelist.com/blog/research/74609/petya-the-two-in-one-trojan/

 ・「Shade」は、標的によってアプローチを変えています。感染したコンピューターが金融系サービス関連だと分かると、金銭搾取のためにスパイウェアをインストールします。

<「Shade」は標的によってアプローチを変える>
 https://securelist.com/blog/research/75645/shade-not-by-encryption-alone/

 ・ソフトウェアの欠陥や身代金要求メッセージに誤植がみられるなど、低品質なランサムウェアトロイの木馬が著しく増加しました。こういった傾向により、被害者がデータを復元できない可能性が高まっています。

■世界の官民が連携し、ランサムウェアに対抗
 2016年には官民が連携、団結してランサムウェアに対抗する動きがありました。7月に発足した「No More Ransom」は、法執行機関とセキュリティベンダーが協力し、大規模なランサムウェアファミリーをテイクダウンさせる非営利のプロジェクトで、現在、ユーロポール、ヨーロッパを中心とした14か国の警察機関が参加しています。

 ランサムウェアの被害者に有用なリソースの提供を目的とし、複数の復号ツールをはじめ、ランサムウェアの危険性と対策に関する情報も公開しています。また、巨額の利益を生む犯罪者のビジネスモデルを弱体化させることも目指しています。

 ・「2016年サイバー脅威の主要動向:ランサムウェア革命」の英語版はSecurelist、日本語はこちらをご覧ください。安全を確保する方法についてのアドバイスや、身代金を支払うべきでない理由も掲載しています。

<Securelist:「2016年サイバー脅威の主要動向:ランサムウェア革命」(英語)>
 https://securelist.com/

<「2016年サイバー脅威の主要動向:ランサムウェア革命」(日本語)>
 http://media.kaspersky.com/jp/pdf/pr/Kaspersky_KSB2016_Review-PR-1031.pdf

 ・「Kaspersky Security Bulletin:2017年のサイバー脅威の予測」はこちらをご覧ください。

<「Kaspersky Security Bulletin:2017年のサイバー脅威の予測」>
 http://www.kaspersky.co.jp/about/news/virus/2016/vir06122016

 ・「Kaspersky Security Bulletin:10億のマルウェアをクラウドデータベースに登録」はこちらをご覧ください。

<Kaspersky Security Bulletin:10億のマルウェアをクラウドデータベースに登録>
 http://www.kaspersky.co.jp/about/news/virus/2016/vir07122016

 ・No More Ransomサイト(英語)はこちらをご覧ください。

<No More Ransomサイト(英語)>
 http://www.kaspersky.co.jp/about/news/virus/2016/vir06122016

■Kaspersky Labについて
 Kaspersky Labは、IT上の脅威から世界を守る「Save the World from IT threats」をミッションとするITセキュリティソリューションベンダーです。1997年の設立以来、ITセキュリティ市場におけるテクノロジーリーダーとして、大企業から個人ユーザーまで幅広いお客様に効果的なセキュリティソリューションを提供しています。また、サイバー犯罪の撲滅を目指し、インターポールをはじめとする世界中の法執行機関に対して、脅威インテリジェンスの提供や捜査への協力を積極的に行っています。事業展開は200の国と地域にわたり、ユーザーは全世界で4億人を数えます。持ち株会社は英国で登記しています。



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