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産総研、高記録容量光ディスクを目指した高速光記録材料を開発

2016-12-05

高記録容量光ディスクを目指した高速光記録材料を開発
−長期間の保存記録向け光ディスク材料−


<ポイント>
 ・多段階多光子吸収とホログラム技術により高速な光記録を実現
 ・多層化に向き、ディスク1枚で10テラバイトになる400層の記録層も可能
 ・長期保存記録に用いることで消費電力や二酸化炭素排出量削減に期待

<概要>
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)無機機能材料研究部門 【研究部門長 淡野 正信】機能調和材料グループ 神 哲郎 研究グループ長、鎌田 賢司 上級主任研究員は、ダイキン工業株式会社【代表取締役社長 兼 CEO 十河 政則】(以下「ダイキン工業」という)と共同で、大幅な多層化と高速な記録が可能な長期間保存用光ディスク向け記録材料を開発した。

 この技術では、多段階多光子吸収とホログラム技術を用いて、時間幅8ナノ秒のレーザーパルスを1回照射するだけで記録ピットを形成でき、従来の光ディスクの問題であった記録速度を大幅に向上できる。この記録材料では1枚のディスクで最大10テラバイトの記録容量が可能になると見込まれ、長期保存記録に用いることで、ハードディスクや磁気テープなどの現行記録媒体で必要な空調や定期的なデータの移行が不要になり、約4割の消費電力削減と二酸化炭素排出量低減への貢献が期待される。なお、この技術の詳細は、2016年08月30日(日本時間)に論文誌Japanese Journal of Applied Physicsにオンライン掲載された。

 ※参考画像は添付の関連資料を参照

<開発の社会的背景>
 クラウド化やモバイルデバイスの普及により生み出されるデジタルデータは日々増加しており、長期間保管しておくべきデータもまた増加の一途をたどっている。長期保管データの増大の流れは今後ますます加速すると予想され、低消費電力で、維持管理に手間のかからない大容量の長期保存媒体が必要となりつつある。現状のハードディスクや磁気テープは消費電力や維持管理コストの面で今後増大する長期保存データに対応するには十分とは言えず、光ディスクの活用が期待されている。しかし、それらを置き換えるには光ディスクは記録容量や記録速度の点に問題があった。

<研究の経緯>
 産総研は、化合物の化学構造と二光子吸収特性との関係の研究を行ってきており、次世代の大容量光ディスクなど、高感度光機能材料への応用を目指している。光ディスクの大容量化を進めるにはディスクの厚み方向に多数の記録層を持ち記録容量を増やした超多層光ディスクが従来の光ディスク技術の資産を活用でき、有望である。超多層光ディスクでは特定の深さの記録層に光記録を形成する必要があるが、二光子吸収を用いて特定の深さの記録層を選択する手法が知られている。しかし、これまでの二光子吸収を用いた超多層光ディスク向け記録材料では感度不足のため、光記録を形成するにはピコ秒といった極めて短いレーザーパルスを繰り返し100ナノ秒の間照射し続ける必要があり、これが記録速度を制限する要因となっていた。


 ※研究の内容などリリース詳細は添付の関連資料を参照




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