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大阪府立大と東大など、2つの機能を併せ持つ新しい触媒材料の合成に成功

2016-11-30

2つの機能を併せ持つ新しい触媒材料の合成に成功


 公立大学法人大阪府立大学(理事長:辻洋)の研究チーム(山田幾也テニュア・トラック講師、池野豪一テニュア・トラック講師、塚崎裕文研究員、森茂生教授ら)、国立大学法人東京大学(総長:五神真)生産技術研究所の八木俊介准教授、公益財団法人高輝度光科学研究センター(理事長:土肥義治)の河口彰吾研究員、冨士ダイス株式会社(代表取締役社長:西嶋守男)の和田光平氏らは、酸素の還元・発生という2つの電気化学反応に対して優れた触媒特性を示すマンガン酸化物の合成に成功しました。酸素の還元・発生は、次世代蓄電池として開発が行われている金属・空気二次電池の充放電を担う電気化学反応です。金属・空気二次電池の実用化にあたり酸素の反応を効率的に制御することは不可欠であり、将来の材料開発の指針構築へ繋がる成果となります。

■ポイント
 1.安価なマンガンの酸化物が、金属・空気二次電池の充放電を担う2つの電気化学反応(酸素の発生と還元)において優れた触媒特性を示すことを明らかにしました。
 2.四重ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造において、従来のマンガン酸化物と比べて性能(酸素発生反応に対する触媒活性)が最大で約30倍に向上することが分かりました。
 3.酸素の還元・発生という両方の電気化学反応に対して高い触媒性能をもつため、金属・空気二次電池の実用化に大きく貢献します。

1.研究の背景
 次世代蓄電池の一つとして現在開発が行われている金属・空気二次電池では、放電・充電プロセスにおいてそれぞれ酸素の電気化学反応(酸素還元・酸素発生、注1)が起こります。いずれの反応も触媒を用いることで高い効率でのエネルギー変換が可能となりますが、現在利用されている触媒材料では、高価な貴金属元素(白金、イリジウムルテニウムなど)を主成分としています。また、酸素の還元反応と発生反応に対してそれぞれ有効な触媒材料が異なるため、通常は2種類以上の触媒材料を必要とします。このため、安価な原料から構成され、なおかつ酸素の還元・発生の両方の反応に対して高い性能を持つ触媒(二機能性触媒、注2)が求められており、世界中で研究・開発が進められています。マンガンの酸化物の多くは酸素還元反応に対して高い触媒作用を持ちますが、酸素発生反応に対してほとんど触媒作用を示しません。マンガンの酸化物に、酸素発生反応の触媒特性を付与することができれば、安価な二機能性触媒材料としての応用の可能性を見出すことができますが、そのような酸化物はこれまでに見つかっていません。

 ※研究の内容などリリース詳細は添付の関連資料を参照



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