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富士経済、エンプラ・機能性樹脂の世界市場の調査結果を発表
エンプラ・機能性樹脂の世界市場を調査
―2020年世界市場予測―
■PC(ポリカーボネート)日用品などで採用、新興国で需要が増加―429万トン
■PPS(ポリフェニレンサルファイド)
電装化や軽量化に対応し、自動車部品向けが増加―14万トン
■PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
中国では電気・電子部品向け、北米や欧州では自動車部品向けで増加―8,300トン
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、耐熱性や機械的性質、電気的性質などを生かし、自動車やエレクトロニクス、産業機器、医療機器など様々な分野で採用される汎用エンプラ(エンジニアリングプラスチック)9品目、スーパーエンプラ20品目、機能性樹脂6品目、計35品目の市場を調査・分析し、地域別、分野・用途別動向、将来展望を明らかにした。その結果を報告書「2017年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」にまとめた。
<調査結果の概要>
■エンプラ・機能性樹脂世界市場
※グラフ資料は添付の関連資料を参照
汎用エンプラは市場をけん引してきた中国の経済成長の伸びが鈍化しているものの、新興国などでの需要を背景に堅調に拡大していくとみられる。中国では携帯情報端末や自動車部品の生産量増加に伴い需要が増加している。欧州や米国では自動車部品向けが伸長している。汎用エンプラは自動車やエレクトロニクス分野以外でも採用されることが多く、新興国で需要が増加している。東南アジアやインドでは自動車部品向けに加えてOA機器などの中国から東南アジアへの生産シフト、人口増加や経済成長などを背景に需要が増加している。またメキシコやブラジルでは、自動車部品向けのほか、経済成長と共にインフラ整備が進められており、インフラ向けで需要が増加している。
スーパーエンプラは耐熱性などを生かし自動車やエレクトロニクス分野で広く採用されている。自動車の軽量化や電装化、一台あたりの使用量が多いHV、EV、PHVの普及により採用が拡大している。今後も自動車の生産台数は増加するとみられ、さらに軽量化や電装化が進むため、市場の拡大が予測される。
機能性樹脂は新興国需要や自動車、エレクトロニクス分野の生産拡大に伴い、市場が拡大している。耐熱ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)は自動車部品向け、透明ABSは雑貨・一般機器向けで需要が増加している。特に中国では中国自動車メーカーを中心に耐熱ABSの需要が拡大、また雑貨、家具、玩具といった製品の生産が多いため、透明ABSの市場規模も大きい。
<注目の品目>
■PC【汎用エンプラ】
2015年 2016年見込 2020年予測
368万トン 379万トン 429万トン
2015年は最大の需要国である中国の経済成長の伸びが鈍化したものの、市場は前年より伸長した。2016年は電気・電子部品向け、光メディア向けの需要回復はみられないものの、シート・フィルム、自動車部品向けの需要が増加しており、拡大が見込まれる。PCは工業製品だけではなく、日用品などにも多く採用されており、先進国での需要は飽和しているものの、今後新興国では需要が増加するとみられる。
■PPS【スーパーエンプラ】
2015年 2016年見込 2020年予測
11万トン 12万トン 14万トン
PPSの主要用途は自動車部品向けで、電装化や軽量化、一台あたりの使用量が多いEVやPHVの増加によって需要が増加しており、2015年の市場は拡大した。2016年は日米欧を中心に自動車の電装化、軽量化のニーズが高く、中国ではバグフィルタ向けで繊維需要が増加しているため、引き続き市場は拡大が見込まれる。電気・電子部品向けは市場が成熟しているものの、エンジン周辺でウォーターポンプなどのモジュール化によってPPSの使用量がさらに増加しており、今後も自動車部品向けで拡大が予測される。
■PCT(ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)【スーパーエンプラ】
2015年 2016年見込 2020年予測
5,200トン 5,450トン 6,040トン
PCTは電気・電子部品向け、自動車部品向けの需要動向に変化がないため、LEDリフレクタ向けの動向が市場を左右する。LEDリフレクタ向けは液晶テレビのバックライト用では減少したが、LED照明のハイパワー化で自動車分野や建築分野での採用が進んで拡大し、市場はプラス成長した。2016年も引き続き、LEDリフレクタ向けがけん引し、市場の拡大が見込まれる。
■PEEK【スーパーエンプラ】
2015年 2016年見込 2020年予測
5,900トン 6,700トン 8,300トン
PEEKは中国での需要増加を背景に市場は拡大している。2016年も引き続き中国需要がけん引し、市場は拡大が見込まれる。今後、中国では電気・電子部品で、北米や欧州では自動車部品で採用が拡大し、需要は堅調に増加するとみられる。
■耐熱ABS【機能性樹脂】
2015年 2016年見込 2020年予測
46万トン 47万トン 52万トン
耐熱ABSは自動車の生産台数に連動して市場が拡大しており、2016年も引き続き自動車の生産台数が増加していることから拡大が見込まれる。自動車の内装部品向けでは、以前よりコストの低いPP(ポリプロピレン)への切り替えが進んでいるものの、高級感を演出するニーズがある中・高級車部品向けでは成形性や塗工性に優れる耐熱ABSの需要が増加している。今後、耐熱ABSは自動車分野で採用部位が広がっていくことから、市場は緩やかに拡大していくとみられる。
※調査対象などリリース詳細は添付の関連資料を参照