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島津製作所、サーボパルサの消費電力を約50%削減する油圧源 省エネルギーユニットを発売
消費電力を最大で約50%削減する
サーボパルサ用油圧源 省エネルギーユニットを発売
−試験条件に応じて油圧エネルギーを調整する省エネ運転が可能に−
島津製作所はこのたび、疲労・耐久試験機サーボパルサの消費電力を最大で約50%削減することができる「油圧源 省エネルギーユニットECUシリーズ」を開発し、販売を開始しました。
サーボパルサは金属・ゴム・樹脂など、さまざまな材料や部品の疲労・耐久試験に用いる材料試験機の一つです。油圧源を駆動源として、試験片に対して引っ張りや圧縮、曲げなどの負荷を繰り返し与えることにより、試験片の疲労・耐久特性を評価する装置です。
疲労試験では、ある特定の試験力を中心として強弱に変動する力(変動試験力)を試験片に繰り返しかけ、破断までの繰り返し回数を調べることによって疲労強度を調べます。同一仕様の試験片にさまざまな条件下で試験を行うことによって、その試験片の疲労強度に関するデータが得られます。試験力を小さくするごとに破断までの繰り返し回数は増加するため、オートグラフや万能試験機など他の材料試験機と異なり、数日間〜数ヶ月間といった長時間の試験を行うことが特徴です。
試験機の容量および使用する油圧源は、必要となる最大の試験力と、変動試験力の変位幅に応じた速度を基準にして選定されます。条件によって必要となる試験力・速度は異なりますが、油圧源は試験中、最大試験力・最大速度が発揮できるフルパワーで駆動しているため、疲労試験結果を得るための一連の試験の大部分で、エネルギーを過剰に消費しています。
新製品である油圧源 省エネルギーユニットを導入すると、油圧エネルギーを決定するモーター電源周波数と供給圧力を試験条件に応じて多段階に設定することができるため、油圧源のパワーを落とす省エネ運転ができます。これにより、消費電力を最大約50%削減することが可能になり、環境負荷とランニングコストを大幅に低減することができます。
【新製品の特長】
新製品の主な特長は次の通りです。
(1)消費電力を最大約50%削減可能
試験に必要な分だけ電力を供給する省エネ運転が可能です。本製品にはモーター電源周波数を設定するタイプ(ECU1シリーズ)と、モーター電源周波数および供給圧力を設定するタイプ(ECU2シリーズ)の2タイプがあります。電源60Hz地区ではECU1シリーズで最大約40%、ECU2シリーズでは最大約50%の消費電力を削減することができます。(電源50Hz地区では、それぞれ約25%、約45%)
(2)モーター電源周波数・供給圧力を自動設定(オプション)
オプションのWindows ソフトウェアを使用すると、試験条件や試験中の試験力・変位信号に合わせて、モーター電源周波数や供給圧力の自動変更が可能になります。ソフトウェアを使用しない場合は、マニュアルでの設定になります。
(3)既設のサーボパルサにも取り付けが可能
既に使用中の島津サーボパルサの油圧源に取り付けが可能ですので、現有設備を省エネ運転可能な装置にすることができます。
長時間連続で稼動させるサーボパルサの消費電力を大幅に削減することのできる本ユニットによって、新設・既設を問わず装置の省エネ運転が可能になり、ランニングコストと環境負荷の低減が実現できます。なお、本製品は5月18日(水)よりパシフィコ横浜において開催される「人とくるまのテクノロジー展2011」に出展します。
※Windowsは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
名 称 :サーボパルサ用油圧源 省エネルギーユニットECUシリーズ
価 格 :ECU1シリーズ…75万円〜、ECU2シリーズ…170万円〜(いずれも税別)
販売計画:2011年度 70台