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日本製紙、高機能茶「サンルージュ」の「加齢による認知機能の低下抑制効果」を動物試験で確認

2016-11-24

高機能茶「サンルージュ」の「加齢による認知機能の低下抑制効果」を動物試験で確認
アセチルコリンエステラーゼの阻害効果は「やぶきた」の4.4倍
〜主要緑茶43品種の中で最も優れた効果〜


 日本製紙株式会社(社長:馬城 文雄)は、九州大学(立花 宏文教授)との共同研究で、高機能茶「サンルージュ」の"アセチルコリンエステラーゼ"(注1)阻害効果が、「やぶきた」をはじめとする主要緑茶43品種の中で最も高いことを見出しました。さらに、老化促進モデルマウス(注2)を用いた評価では、サンルージュの継続的な摂取により、加齢による認知機能の低下が抑制されることが明らかになり、その効果がやぶきたよりも高いことを確認しました。
 これらの試験結果の詳細は、11月20日に「第21回日本フードファクター学会学術大会」(※)で発表する予定です。

 近年、高齢化の進展により認知症高齢者の数は増加を続けており、厚生労働省の推計によると、2025年には700万人を超えるとされています。認知症の予防については、さまざまな観点からアプローチされていますが、その中で、複数の研究機関から、緑茶を習慣的に摂取することによる予防効果が指摘されており、また、緑茶成分と脳機能との関連についても様々な研究結果が報告されています。

 そこで、当社は高機能茶「サンルージュ」について九州大学と共同研究を実施し、認知症予防効果を検証しました。
 サンルージュは主要緑茶43品種の中で、神経伝達物質である"アセチルコリン"(注1)を分解する酵素"アセチルコリンエステラーゼ"の働きを阻害する効果が最も高く、「やぶきた」の4.4倍、最も低い「さえみどり」の10倍以上の効果を示すことが確認できました(グラフ1)。
 また、老化促進モデルマウスを用いた試験では、サンルージュの継続的な摂取により、加齢による長期記憶能力の低下が抑制されること(グラフ2)と、学習能力の低下が抑制されること(グラフ3)が明らかになり、その効果が「やぶきた」よりも高いことが確認できました。同時に、サンルージュは、認知症を引き起こす原因物質とされる"b−アミロイド"(注3)の脳への蓄積を抑制することや、b−アミロイドの蓄積に関連する遺伝子の発現に影響を与えることも確認できました。

 *グラフ資料は添付の関連資料を参照

 サンルージュは、農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門が育種した高機能茶品種ですが、挿し木増殖が難しいという課題がありました。そこで、当社は農林水産省の基礎研究推進事業に協力し、当社独自技術である「容器内挿し木技術」(注4)を活用してサンルージュの挿し木増殖法を開発し、サンルージュの普及に取り組んできました。
 サンルージュについては、緑茶特有の機能性成分であるカテキンと赤い色素である機能性成分アントシアニンの両方を含むことから、これらの相乗効果による抗疲労・抗ストレス作用や眼精疲労改善の効果が得られることがわかっていましたが、当社が昨年実施した九州大学との共同研究では、メタボリックシンドロームの予防効果があることも確認されました。さらにヒト臨床試験の結果、食事と共にサンルージュを摂取することで「食後の血糖値の上昇が抑制される効果」を確認しています。
 今回の試験で行ったサンルージュの成分分析では、"ケルセチン"や"ミリセチン"(注5)といった植物由来の機能性成分を多く含むことが明らかになり、これらのサンルージュに特徴的な成分が、認知症予防に効果を発揮するのではないかと考えられています。

 当社は、「サンルージュ」の認知症予防効果について、今後も九州大学と共同で調査を進めてまいります。また、当社が展開するアグリ事業において、「サンルージュ」の機能性を広める活動を行い、早期の普及に向けた取り組みを進めてまいります。

 注1 アセチルコリンは、神経細胞間の情報伝達を担う神経伝達物質のひとつ。アルツハイマー型認知症では脳のアセチルコリンが減少することが知られている。アセチルコリン神経伝達物質としての役割を終えた後、アセチルコリンエステラーゼより分解される。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬はアルツハイマー病治療薬としても使用されている。

 注2 加齢により急速に老化が進行するマウス系統。食品成分などの抗老化効果の評価に多く用いられる。

 注3 40程度のアミノ酸からなるペプチドで、アルツハイマー病の病理的特長のひとつである老人斑の主要構成成分である。b−アミロイドの凝集体は神経細胞毒性を示すことが知られている。

 注4 光合成が旺盛になるさまざまな光の波長、十分な水分、大気中の2〜3倍の炭酸ガスを与える環境を特殊な培養室と培養容器でつくり出し、植物の光合成能力を最大限に引き出す挿し木技術。

 注5 ポリフェノールの一種。ケルセチンは抗酸化作用、抗炎症作用、血管弛緩作用などが報告されている。ミリセチンは強い抗酸化作用を持つことが報告されている。

(※)第21回日本フードファクター学会学術集会【富山】
 1.会期:2016年11月19日(土)・20日(日)
 2.場所:富山国際会議場 大手町フォーラム
 3.ホームページ:http://www.pu-toyama.ac.jp/BR/sakaki/jsoff2016/

以上



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