竹中製作所とGSIクレオス、アラブ首長国連邦のラス・アル・ハイマ首長国に表面処理事業会社を設立

アラブ首長国連邦のラス・アル・ハイマ首長国に表面処理事業会社を設立


　株式会社竹中製作所（大阪府東大阪市／代表取締役社長　行俊明紀）と株式会社GSIクレオス（東京都千代田区／代表取締役社長　中島浩二）は、現地有力投資会社と共同でアラブ首長国連邦（UAE）のラス・アル・ハイマ首長国（RAK）に、あらゆる金属部品に対する超高性能防錆処理加工とその製品販売を行うTAKENAKA　MIDDLE　EAST　LLC（TME）を設立しました。

　株式会社竹中製作所は、約３０年にわたりボルト・ナット等の防錆表面処理済締結部材を中東、特にUAE地域の国営石油・ガス、海水淡水化プラントに販売しており、その防錆性能と品質に対し高い評価を得てきました。
　従来これら部材の販売は、日本国内で表面処理したものを中東全域に輸出して対応してきましたが、現地で増え続ける同社製品への引き合いや短納期要求に対して、日本からでは対応しきれない、と判断するに至りました。
　そこで、同社では数年前から現地進出の検討を開始し、株式会社GSIクレオスと共同で最適地や現地のパートナー企業の調査、選定を行ってまいりましたところ、RAK在の有力投資会社と合意しTMEを設立したものです。
　TMEは、UAEの内国企業となるため、アブダビを中心としたUAE国内向けはもとより、GCC（湾岸協力会議）諸国に対しても無関税で輸出・販売が可能となり、短納期対応も含め、顧客に大きな利便性を与えることできます。また、RAKは地理的にイランにも近接しており、今後、GCCを含めた中東各国全域への展開が期待されます。これら地域では、現在も旺盛な石油・ガスのプラント需要があることから、TMEはこれらの巨大プラントへの販売を目指しています。

　また、株式会社竹中製作所は、株式会社GSIクレオスと共同で開発したカーボンナノチューブ（CSCNT（注１））を充填した超高性能表面処理材料であるナノテクト(R)（注２，３）処理品を既に国内外の市場へ共同展開しており、現在プラント内で実証試験を実施しているアブダビ（UAE）国営の石油・ガス会社、また同地域の公的試験機関からも、その機械的特性、防錆性能に対し高い評価を受けています。
　株式会社竹中製作所と株式会社GSIクレオスは、今回TMEに共同出資することで従来の協業体制をさらに発展させて、現地でのナノテクト(R)処理製品の製造・拡販に取り組んでまいります。

■新会社の概要
　（１）名称：TAKENAKA　MIDDLE　EAST　LLC
　（２）資本金：Dhs．４，０００，０００（約１１６百万円＠２９円／Dhs）
　（３）設立日：２０１６年１１月２日
　（４）操業開始予定日：２０１７年２月

＜注釈：ご参考＞
　（注１）GSIクレオス　CSCNT　論文：Structural　Characterization　of　Cup−Stacked−Type　Nanofibers　with　an　entirely　hollow　core（Vol．８０　No．７　APL　２００２）
　（注２）竹中製作所／GSIクレオス　ナノテクト(R)特許：第４５３６０３１号　被覆組成物および被覆物（平成２２年６月２５日）
　（注３）竹中製作所　ナノテクト(R)論文：Polymer　Coatings　and　Reduction　of　Corrosion　Costs（１５thMiddle　East　CORROSION　Paper　No．１４１２０　２０１４）