キヤノンＭＪ、米Ｘｒａｄｉａ社製の産業用Ｘ線ＣＴ「ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００」を販売

米国Ｘｒａｄｉａ社の産業用Ｘ線ＣＴ“ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００”を発売



　キヤノンマーケティングジャパン株式会社（社長：川崎正己、以下キヤノンＭＪ）は、米国Ｘｒａｄｉａ（エックスラディア）社（Ｘｒａｄｉａ，Ｉｎｃ．、ＣＥＯ：Ｍｒ．Ｒｏｄ　ＢＲＯＷＮＩＮＧ）製の産業用Ｘ線ＣＴ“ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００”の販売を５月１６日より開始します。


＊製品画像は添付の関連資料を参照


　産業用Ｘ線ＣＴ（コンピューター断層撮影装置）は、Ｘ線源と検出器の間で測定物を回転させながらＸ線を透過し、全方向からの透視画像データをコンピュータで断層像に再構成して表示する装置です。各断面の状態を把握でき、電子部品や高機能材料、バイオサンプルの内部状態の解析・検査に利用されています。
　キヤノンＭＪは、昨年９月にＸｒａｄｉａ社との間で同社製産業用Ｘ線ＣＴの国内独占販売契約を締結して取り扱いを開始しました。このたび新たに、同社が開発した新製品を国内市場に投入します。


■“ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００”の特長
　新製品“ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００”はＸ線源を一新したことで、従来機のＭｉｃｒｏＸＣＴシリーズに比べ分解能とコントラスト、スループットが格段に向上し、測定物の内部構造や欠陥を非破壊かつ高解像度、高コントラストで解析できます。また、透過したＸ線像を可視光に変換して検出するＸｒａｄｉａ社独自の光学系により、０．７マイクロメートルの高い分解能を実現しています。さらに、従来の産業用Ｘ線ＣＴでは困難だった、シリコンなどＸ線の吸収率が低い軽元素材料に対しても、高いコントラストで観察できます。これにより、半導体や高機能材料、ライフサイエンス、天然資源など、多岐にわたる分野の材料を解析することが可能です。なお、本製品は世界の主要なシンクロトロン施設（※１）で採用された高度なＸ線技術を、産業用途として応用開発したものです。


■キヤノンＭＪの目的
　キヤノンＭＪは、本年より開始した長期経営構想の多角化戦略のひとつに「産業機器」を掲げ、世界の優れた製品の販売を強化しています。今後需要の伸びが期待されている半導体関連や高機能材料、バイオ・医療など広範な分野をターゲットに、高度な分析・解析用装置として新製品“ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００”を拡販します。装置の輸入販売だけでなく、納入後の技術サポートとフィールドサービスも担います。


・製品名：Ｘｒａｄｉａ社産業用Ｘ線ＣＴ“ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００”
・価格（税別）：１億〜１億２千万円（※２）
・販売開始時期：５月１６日
・販売計画：１０台／年



●一般の方のお問い合わせ先
　キヤノンマーケティングジャパン株式会社
　産業機器新規事業企画部ニュープロダクト推進課
　０３−３７４０−３３８７（直通）

●キヤノンＸ線ＣＴ装置ホームページ：http://canon.jp/xradia



※１　円形加速器を備えた施設。原子核や素粒子など高エネルギーの物理学実験に用いられているほか、陽子線や重粒子線などがんや悪性腫瘍の放射線治療などに応用されています。
※２　装置構成により価格は変動します。


＜ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００の主な特長＞
　１．Ｘｒａｄｉａ社独自の光学技術とコンポーネント
　　・Ｘｒａｄｉａ社独自の光学系コンポーネント（シンチレータ、対物レンズ）により、従来の産業用Ｘ線ＣＴでは測定が困難だったＬｏｗ　Ｚ（※）材料に対し、高いコントラストでの観察を実現。
　　・新しいＸ線源の採用により、０．７マイクロメートルの高解像度化を実現。
　　・密度差の少ない複合材料についても、微少なコントラストを検出することが可能。
　　※シリコンなどＸ線の吸収率が低い軽元素材料

　２．世界のシンクロトロン施設で採用されたＸ線技術を応用
　　・世界の主要なシンクロトロン施設で採用された高度なＸ線技術を産業用途として応用開発。
　　　Ａｒｇｏｎｎｅ　Ｎａｔｉｏｎａｌ　Ｌａｂｏｒａｔｏｒｙ（ＵＳＡ）、Ｓｔａｎｆｏｒｄ　Ｓｙｎｃｈｒｏｔｒｏｎ　Ｒａｄｉａｔｉｏｎ　Ｌｉｇｈｔ　ｓｏｕｒｃｅ（ＵＳＡ）、Ａｕｓｔｒａｌｉａｎ　Ｓｙｎｃｈｒｏｔｒｏｎ（Ａｕｓｔｒａｌｉａ）、ＡＬＢＡ　Ｓｙｎｃｈｒｏｔｒｏｎ　Ｌｉｇｈｔ　Ｆａｃｉｌｉｔｙ（Ｓｐａｉｎ）、Ｂｅｉｊｉｎｇ　Ｓｙｎｃｈｒｏｔｒｏｎ　Ｒａｄｉａｔｉｏｎ　Ｆａｃｉｌｉｔｙ（Ｃｈｉｎａ）など多数。

　３．高い空間分解能の観察が可能
　　・対物レンズの切り替えで光学的に像の拡大を行う機構により、線源の焦点寸法に制限されることなく、高空間分解能での測定を実現。
　　・観察倍率ごとに画像コントラストを最適化。
　　・Ｘ線源と被測定物との距離が長くても高い分解能を維持。

　４．多岐にわたる分野の材料を観察
　　半導体：パッケージ、ＭＥＭＳ、プリント基板、電子部品
　　高機能材料：カーボンファイバー、セラミック、ゴム、プラスティック
　　ライフサイエンス：軟骨、骨、バイオ複合材料、薬剤、細胞、軟部組織
　　天然資源：燃料電池、オイルシェル、多孔質岩石、地質鉱物


＜ＶｅｒｓａＸＲＭ−５００の主な仕様＞
　Ｘ線源：タングステン／最大管電圧１６０ｋＶ
　検出器：２０４８×２０４８　ＴＥ冷却ＣＣＤ
　測定視野：最大５０ｍｍ×５０ｍｍ
　最高測定分解能：≦０．７μｍ
　最大サンプルサイズ：φ３００ｍｍ　１５ｋｇ
　本体寸法（Ｗ×Ｄ×Ｈ）：２１７０×１１８５×２０８０ｍｍ
　本体重量：２４１０ｋｇ
　周辺環境温度範囲：１０℃〜２５℃（±２℃）
　周辺環境湿度範囲：相対湿度７０％以下
　電源：ＡＣ２００Ｖ（定格電圧：２３０Ｖ）　５０／６０Ｈｚ　Ｍａｘ：１０Ａ


＜Ｘｒａｄｉａ社の概要＞
　社名：Ｘｒａｄｉａ，Ｉｎｃ．
　本社所在地：４３８５　Ｈｏｐｙａｒｄ　Ｒｏａｄ，Ｐｌｅａｓａｎｔｏｎ　ＣＡ　９５５８８
　ＣＥＯ：Ｍｒ．Ｒｏｄ　ＢＲＯＷＮＩＮＧ
　設立：２０００年
　事業内容：Ｘ線ＣＴ装置の製品及びコンポーネントの販売とサービスの提供
　主製品：ＶｅｒｓａＸＲＭシリーズ、ＭｉｃｒｏＸＣＴシリーズ、ＵｌｔｒａＸＲＭシリーズ
　ＵＲＬ：http://www.xradia.com