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東京商工リサーチ、10月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産動向を発表
〔特別記事〕
「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産動向
〜10月は4件、5カ月連続で前年同月を下回る〜
2016年10月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産は4件(前年同月7件)にとどまり、5カ月連続で前年同月を下回った。
金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じるなどの金融支援や、中小企業向け貸出の増加などから、企業倒産は依然として低水準で推移している。
■10月の負債総額、2016年5月以来の50億円超え
2016年10月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産での負債総額は51億2,700万円(前年同月比89.2%増、前年同月27億900万円)で、2016年5月(負債80億6,500万円)以来5カ月ぶりの50億円超えとなった。負債10億円以上の大型倒産が2件(前年同月1件)発生したことが影響した。
■1−10月の累計件数、前年同期より4割減
2016年1−10月の累計は66件(前年同期比44.0%減、前年同期118件)になり、前年同期より4割減で推移している。負債総額は336億5,200万円(同28.7%減、同472億2,100万円)で前年同期より約3割下回っている。負債額別では、10億円以上の大型倒産が7件(前年同期12件)で、最多は1億円以上5億円未満の30件(同48件)だった。
1−10月の産業別では、最多が製造業21件(同34件)。次いで、建設業17件(同13件)、卸売業10件(同21件)、サービス業他9件(同20件)と続く。
原因別では、販売不振33件(同63件)が最も多かった。次いで、既往のシワ寄せ(赤字累積)が26件(同27件)と続く。
形態別では、最多が事業消滅型の破産が40件(同79件)だったのに対し、再建型の民事再生法は7件(同7件)にとどまった。業績不振から事業継続を断念するケースが依然として多い。
従業員数別では、5人未満が23件(同48件)で最も多かった。次に5人以上10人未満の18件(同28件)だった。この結果、従業員数10人未満は41件(構成比62.1%、前年同期76件)で、小規模企業が全体の6割を占めた。
※表資料・グラフ資料は添付の関連資料を参照