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東北大など、原子配置制御による原子層金属/半導体の作り分けに成功

2016-11-10

原子配置制御による
原子層金属/半導体の作り分けに成功
−超微細電子デバイス応用へ新たな道−


【概要】
 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(WPI−AIMR)の菅原克明助教、高橋隆教授、同大学院理学研究科の佐藤宇史准教授、東京工業大学物質理工学院の一杉太郎教授、埼玉大学大学院理工学研究科の上野啓司准教授らの研究グループは、これまで知られていない正八面体構造を持つセレン化ニオブ(NbSe2)原子層薄膜の作製に成功しました。電子状態の精密な測定から、この物質が従来知られていた三角プリズム型の構造ユニットを持つ金属的NbSe2と異なり、電子間の強い相互作用の結果形成される「モット絶縁体」 注1)であることを見出しました。この結果は、同じNbSe2を用いても、局所構造のトポロジーを変化させることで、金属と半導体(絶縁体)を作り分けることができる事を示しています。今回の成果は、結晶構造の原子配置を制御した超微細原子層電子デバイスの開発に大きく貢献するものです。
 本成果は、平成28年11月4日(英国時間)に英国科学誌Nature系の専門誌NPG Asia Materialsに掲載されました。

【研究の背景】
 近年、層状物質を極限まで薄くすることによって新機能を発現させる取り組みが精力的に行われています。グラファイトを極限まで薄くしたグラフェンが、グラファイトには無い様々な性質を持つことはその典型例です。層状物質であるNbSe2は、ニオブ(Nb)とセレン(Se)の層が積み重なった構造をしており、その構造ユニットはグラフェンと類似した六角形をした三角プリズム型であることが知られています(図1)。このプリズム型の局所構造を持つバルクのNbSe2結晶は、室温では金属で、低温で電荷密度波 注2)と超伝導という全く異なる状態が共存して出現する事が知られています。一方で、正八面体型の原子配置を持つNbSe2(図1)は、良質の試料を作製することが困難で、その性質は未解明のままでした。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照



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