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NEDOなど、インド・ハリヤナ州でスマートグリッド実証を開始
インド・ハリヤナ州でスマートグリッド実証を開始
―技術実証とノウハウ提供で日本のスマートコミュニティ技術の普及促進へ―
NEDO事業において、富士電機(株)、住友電気工業(株)、THEパワーグリッドソリューション(株)は実系統での実証に先駆けて、インド・ハリヤナ州の訓練センターに模擬系統設備等を導入し実証を開始しました。
本事業では、スマートグリッド関連技術の実証事業と、配電システムの運用ノウハウ等をインドの配電会社に提供するキャパシティ・ビルディング事業を併せて実施することで、インドの配電網のスマート化に貢献するとともに、日本のスマートコミュニティ技術の普及促進を目指します。
※図1・2は添付の関連資料を参照
1.概要
インドでは、経済成長に伴い電力需要が増大する中、インフラ整備の遅れから慢性的な電力不足、長い事故停電時間、盗電・電力メータ改ざん等が問題となっており、配電会社においてはスマートメータなどのスマートグリッド関連技術の導入による配電設備・システムの拡充が喫緊の課題となっています。そのため、インド政府がロスの少ない次世代配電網の構築を目指す政策を掲げるなど、スマートグリッド関連技術への関心は高く、現在、インド電力省が主導して14の配電網のスマート化パイロットプロジェクトを推進しています。
このような背景から、NEDOは、配電会社が抱える課題の解決に貢献するため、インド電力省などとの間で、上記パイロットプロジェクトの一つであるハリヤナ州パニパットを対象としたスマートグリッド関連技術の実証事業と、キャパシティ・ビルディング事業の実施について合意し、2015年12月2日に基本協定書(MOU)を締結しました。本事業名を「インド共和国におけるスマートグリッド関連技術に係る実証事業」と呼び、スマートグリッド関連技術の実証を富士電機株式会社、住友電気工業株式会社が担当し、キャパシティ・ビルディング事業をTHEパワーグリッドソリューション株式会社が担当します。
今回、模擬系統設備等を訓練センターに導入し、実証を開始しました。訓練センターは、ハリヤナ州の電力会社が設立した送配電設備整備技術などの訓練を行う施設で、座学・実技訓練を行う訓練棟、屋外の模擬配電設備、宿舎などの設備を持ちます(所在地はハリヤナ州パンチュクラ)。
2.運転開始式
訓練センターの模擬系統設備の運転開始に合わせて、11月3日に同センターにおいて運転開始式を行いました。式典には、NEDOスマートコミュニティ部の有倉陽司部長、富士電機インド法人のShoumitra Chatterjee社長、住友電気工業インド法人の木下貫社長、THEパワーグリッドソリューションの森田清紀社長、ハリヤナ州電力局のAnurag Rastogi首席次官、UHBVNのShatrujeet Kapur会長兼社長をはじめとした関係者が出席しました。
3.実証事業の内容
次の2つの事業を併せて行うことで、インドの配電網のスマート化に貢献するとともに、日本の優れたスマートグリッド関連技術の有効性を示し、日本技術の海外普及および日本企業によるインド国内での事業展開の足掛かりとなることを目指します。
スマートグリッド関連技術の実証事業:パニパット市内の一部の顧客にスマートメータを設置し、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)と呼ばれる監視制御システムにて、スマートメータのデータ収集や監視・制御を行うことで、(1)ピークロード低減技術の実証、(2)配電系統監視・制御技術の実証、(3)盗電・電力メータ改ざん・料金徴収漏れ等の配電ロス低減技術の実証を行います。スマートメータ等については、インドで現地生産を行い、インドの配電会社が2017年2月から実系統での実証開始を目指し、実証設備の設置工事を担当しています。
キャパシティ・ビルディング事業:インドの配電会社が、課題である配電ロスの低減、柱上変圧器故障率の削減、停電頻度の改善等の解決に向けて、日本のスマートグリッド関連技術を効果的に活用できるように、当該技術の活用方法を含めた配電システムの運用ノウハウ等の提供を行います。