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東北大、脳内炎症の抑制が恐怖記憶に伴う行動異常を改善することを発見

2016-11-07

脳内炎症の抑制が恐怖記憶に伴う行動異常を改善する
心的外傷後ストレス障害の治療法開発の可能性〜


 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の富田博秋教授(メンタルヘルスケア推進室長、本務:災害科学国際研究所)と災害科学国際研究所の兪志前助教らのグループは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のモデルマウスで認められる恐怖体験の記憶が持続することに伴う行動異常に伴って、脳内ミクログリア細胞(*1)において炎症に関わるサイトカインというタンパク質の1つであるTNFα(*2)の産生が増加し、行動異常の改善とともに産生が減少することを発見しました。さらに、ミノサイクリン(*3)の投与によるTNFα抑制が恐怖記憶による行動異常の改善を促進することが確認されました。
 これまでに、ストレスにより脳内ミクログリア細胞のTNFα産生が増加することや、PTSD患者で血清中のTNFαレベルが高いことは報告されていましたが、今回、脳内ミクログリア細胞のTNFα産生が恐怖記憶の保持に重要な役割を果たしていることがわかり、ミクログリア機能が関係する脳内炎症とこころの不調が形成されるメカニズムとの関係が示唆されました。
 本研究は文部科学省新学術領域研究(領域提案型)の研究課題「マイクロエンドフェノタイプによる精神病態学の創出」に基づいて東京農業大学の喜田聡教授等との共同で行われた研究の成果です。
 脳内炎症の精神疾患病態への関与メカニズムを示した本研究成果は、PTSDの治療法開発に結び付くことが期待されるだけでなく、平成28年度からのAMEDの脳科学研究戦略推進プログラム「臨床と基礎研究の連携強化による精神・神経疾患の克服(融合脳)」による助成でToMMoのコホート事業に基づくうつ病の個別化医療技術開発を目指す研究開発課題「栄養・生活習慣・炎症に着目したうつ病の発症要因解明と個別化医療技術開発」にも反映されることが期待されます。
 本研究成果は、2016年9月に精神神経免疫学領域で最も被引用数の多い学術雑誌Brain Behavior and Immunity電子版に掲載されました。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照




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