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アステラス製薬、エンザルタミドの米国製品添付文書改訂が米国で承認

2016-10-26

エンザルタミドの添付文書改訂に関する
米国における承認のお知らせ


 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、米国Medivation社(*1)と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤であるエンザルタミド(一般名、製品名:XTANDI(*2))について、TERRAIN試験から得られたビカルタミドと比較した新たな臨床データを記載する米国製品添付文書改訂が米国食品医薬品局(FDA)により承認されましたのでお知らせします。このデータでは、エンザルタミドを投与した転移性去勢抵抗性前立腺がん患者群の画像診断上の無増悪生存期間が、ビカルタミドを投与した患者群と比較して、延長したことが示されています。

 TERRAIN試験では、転移性去勢抵抗性前立腺がんの男性におけるエンザルタミドの評価を行っており、その結果はすでにThe Lancet Oncology(*3)で報告済みです。今回の添付文書改訂では、FDAによる解析に基づいた以下のデータが含まれています。エンザルタミドはビカルタミドと比較し画像診断上の進行又は死亡のリスクを40%低下させました(画像診断上の無増悪生存期間の中央値は、エンザルタミド群で19.5カ月、ビカルタミド群で13.4カ月(ハザード比=0.60;95%信頼区間、0.43〜0.83))。また、エンザルタミドの安全性プロファイルはこれまで知られている結果と一致していました。

 米国がん協会によれば、米国において、毎年181,000例の前立腺がん症例が新たに診断され、2016年には男性26,000人が前立腺がんにより死亡すると推定されています(*4)。前立腺がんと診断され、治療を受けた男性の最大40%が、転移性または進行性前立腺がんを発症します(*5)。米国では、転移性前立腺がん患者の5年生存率は28%であるのに対し、非転移性前立腺がん患者の5年生存率は100%です(*6)。

 アステラスのSenior Vice President及びtherapeutic area head for oncology developmentであるSteven Benner,M.D.は次のように述べています。「新たに加わったTERRAIN試験のデータにより、転移性去勢抵抗性前立腺がんの患者さんにエンザルタミドが貢献できる臨床的なエビデンスが更に蓄積されることになります。TERRAIN試験のような臨床試験により、新たに得られる科学的知識は、何百人もの患者さんと、そのご家族並びに治験担当医師の協力なくしては不可能であり、このように大変価値のある貢献をしていただいたことに私たちは感謝しています。」

 また、Medivation社(*1)のinterim chief medical officerであるMohammad Hirmand,M.D.は次のように述べています。「ビカルタミドと比べたエンザルタミドの安全性及び有効性を示す初めての比較試験から得られた重要なデータを記載するエンザルタミドの添付文書改訂がFDAにより承認されたことをうれしく思います。これらのデータにより、医師に、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんのためのエンザルタミドとビカルタミドの違いをより理解していただけるものと考えています。」

 なお、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)は、2016年4月7日に、エンザルタミドについて、TERRAIN試験のデータを欧州の添付文書に含めるための同様の添付文書改訂の承認を勧告する肯定的意見を表明しています。

以上

■TERRAIN試験について
 第II相TERRAIN試験では、北米とヨーロッパにおいて、化学療法施行歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がん患者375例が組み入れられました。画像診断上の無増悪生存期間は、無作為化から中央判定による画像診断上の進行の初めての客観的エビデンスまたは死亡のいずれかの事象が最初に起きるまでの期間と定義されています。本試験では、エンザルタミド160mgを1日1回投与した場合とビカルタミド50mg(*7)を1日1回投与した場合とを比較しました。

 *1:Medivation社は2016年9月28日(米国時間)、Pfizer社により買収されたため、同社の子会社になっています。
 *2:日本においては「イクスタンジカプセル40mg」として販売されています。
 *3:Lancet Oncol. 2016 February;17(2):153−63
 *4:American Cancer Society.”Cancer Facts and Figures : 2016.”
 *5:“Current and emerging treatments in the management of castration−resistant prostate cancer.” David Shapiro and Basir Tareen. Expert Rev Anticancer Ther. 2012; 12(7):951−964.
 *6:National Cancer Institute. SEER Cancer Statistics Factsheets: Prostate Cancer. Available at seer.cancer.gov/statfacts/html/orost.html. Accessed October 5, 2016.
 *7:欧米で黄体形成ホルモン放出ホルモンアナログとの併用において承認された用量。日本におけるビカルタミドの承認用量は1日1回80mgである。




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