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清水建設、インドネシア政府に国営パームオイル工場のプログラムCDMを提案

2011-05-12

インドネシア政府に国営パームオイル工場のプログラムCDMを提案

〜72工場におけるメタンガス回収事業の実現可能性を調査〜


 清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、昨年6月から実施してきた「インドネシア国営パームオイル工場の廃棄物のエネルギー利用に関するプログラムCDM事業性調査」を終了、調査結果を同国政府に提出しました。この調査は、2011年度のNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプログラムCDM/JI実現可能性調査事業の一環であり、当社がNEDOより委託を受けていたものです。

 通常のCDMは、プロジェクトごとに国連登録が必要ですが、その手続きが煩雑であり、かつ長期間を要することから、小規模なプロジェクトは敬遠されがちです。一方、プログラムCDMは、小規模なCDM事業でも多数まとめて推進していく活動そのものを国連登録でき、プログラム化の期間も長く認められる制度であり、CDMプロジェクトの対象領域の拡大・普及や排出削減量の増加に資することから、世界的に注目されています。

 当社はかねてより、インドネシア国内に点在する国営パームオイル工場群に着目してきました。各工場では、パームオイル回収後に残った高濃度の有機性廃液(果汁)を廃水処理する過程でメタンガスが発生しています。そのガスを回収してガスエンジン発電の燃料にすれば、メタンガスの放散防止と周辺の農村や地方都市への電力提供が可能になり、一石二鳥の効果を発揮します。ただし、ガス発生量が小量の工場の場合は、個別に国連登録するとその費用が嵩み、プロジェクトの事業性の確保が難しくなります。

 そこで当社は、NEDOのプログラムCDM/JI実現可能性調査事業の対象として、パームオイル工場廃棄物のエネルギー利用に関する調査を提案。それが調査事業として認められ、昨年6月より現地で調査を進めてきました。調査対象となった工場は、スマトラ島カリマンタン島を中心にインドネシア全域に所在する国営企業省傘下の農業プランテーション企業8社の72工場です。工場が広域に点在していることなどから、同国科学技術応用評価庁(BPPT)の協力を得て調査を実施しました。

 調査では、過半の工場で単独での事業化が可能な排出削減量(二酸化炭素換算で約40万トン、14年間)があると確認されました。当社は、プログラムCDMの28年の事業期間の中で、果房処理能力26万トン規模以上の工場から順次ガス回収に取り組んでゆく予定です。

 提案が実現すれば、メタンガスの削減総量が二酸化炭素換算で1千万トン超(14年間)になるとともに、各工場においては売電等による収益を環境経営等の経営基盤の強化に充当できます。2月に開催した現地説明会(ジャカルタ)では、国営企業省始め関係各機関から事業実現に多くの期待が寄せられました。一方、メタンガス回収プラントの建設には、日本企業が保有する汚水処理・メタンガス回収システムやバイオガスエンジンなど省エネ技術を採用できるので、提案の実現は日本の国益にもつながります。

 当社は今後、提案したプログラムCDMのインドネシア政府承認と国連登録を目指します。登録後は、アルメニアウズベキスタンで実施しているCDM事業で得た事業運営ノウハウを同国に提供するとともに、排出権の確保と設備機器の設置に関する工事の受注にも取り組む考えです。


以上


インドネシアのパームオイル工場
 ※ 参考資料は、関連資料参照

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