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東芝、米ウェスチングハウス社コロンビア燃料工場に対する米国原子力規制委員会の調査結果を発表
米ウェスチングハウス社コロンビア燃料工場に対する米国原子力規制委員会の調査について
当社のグループ会社であるウェスチングハウス社(以下、WEC)の米国サウスカロライナ州にあるコロンビア燃料工場において、製造設備の一部装置内から社内規定量を上回るウランを含む堆積物が発見されたため、米国原子力規制委員会(以下、NRC)が調査しておりましたが、このほど9月27日(米国東部時間)にNRC主催のパブリックミーティングが実施され、調査概要につき説明がされましたので、以下の通り主な経緯につきお知らせいたします(注1)。なお、本事象による臨界などの安全上の事象は発生していません。また製造装置外部へのウランを含む物質の放出はなく、従業員、及び近隣住民への健康影響、環境への影響はありません。
1.主な経緯
2016年5月末の工場の社内年次点検の際に、ウラン粉末を製造する再転換工程(注2)の排気システムでフィルタの役割を果たしているスクラバー(注3)にたまった堆積物から社内規定量を上回るウランが発見されたため、WECは、社内評価結果を踏まえ、7月14日に米国原子力規制委員会に事象報告をしました。NRCは8月に調査チームをコロンビア工場に派遣して独自に調査を行い、このほど9月27日(米国東部時間)にNRC主催のパブリックミーティングが実施され、調査概要につき説明がされました。今後NRCの正式な調査結果及び違反レベルがNRCよりレポートとして発行される予定です。なおWECはNRCレポートに対して協議する機会が与えられています。
2.今後の見通し
WECは本事象の原因分析並びに是正処置をNRCに報告するとともに、是正処置の内容を継続的に実施しています。コロンビア工場の操業は7月14日より停止しておりましたが、操業停止による顧客への出荷影響は軽微となっております。現在は、再転換工程以外の工程は操業を再開しており、再転換工程の再開に向けてNRCと継続的に協議を行っておりますが、協議の状況によっては、外部調達等含め必要な対策をとっていくことを考えており、本件による当社業績への影響は軽微です。
今後、NRCからレポートが発行された時点でその内容及び状況につき速やかにお伝えいたします。
(注1):WECは、社内規定としてウラン堆積値の管理上の制限値を定めています。そしてWECは規定に従った運転管理をすることを前提にNRCからライセンスを受けています。
この社内規定を超えたため、NRCに報告し、管理方法等の調査が行われています。
(注2):燃料製造工程の前工程であるウラン濃縮工程において、移送に適した固体の六フッ化ウランが生成され、燃料製造工程の最初の工程で、六フッ化ウランから燃料に使用する二酸化ウラン化合物(ウラン粉末)を製造します。この工程を再転換といいます。
(注3):排気する空気中の粒子やガスを除去する装置のことをさします。
以上