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東京商工リサーチ、8月の「チャイナリスク」関連倒産調査結果を発表

2016-09-13

[特別記事]
チャイナリスク」関連倒産調査(8月)
〜8月は5件発生、1−8月累計は前年同期比25.8%増の73件〜


 8月の「チャイナリスク」関連倒産は5件(前年同月比16.6%減)、負債総額は12億3,900万円(同15.6%増)だった。
 1−8月累計は73件で、前年同期58件から25.8%増で推移している。要因別では、「コスト高」が46件(前年同期29件)と大半を占めているが、「中国景気減速」が6件(同2件)と、中国の景気減速の影響による倒産もジワリと増えている。
 「反日問題」を要因とした倒産も3件(同ゼロ)発生した。「反日問題」による業績悪化は時間の経過とともに澱のように沈殿し経営破たんに至るケースも発生しており、今後も倒産を誘発する要因になることが懸念される。
 なお、倒産に集計されないが事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、8月は1件だった(前年同月4件)。

<「チャイナリスク」関連の集計基準>
 「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
 1.コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
 2.品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
 3.労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
 4.売掛金等回収難(サイト延長含む)
 5.中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
 6.反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
 7.価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
 8.その他
 ※ 「チャイナリスク」関連の経営破綻は、下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「法的申請の準備中」などは、倒産とは区別し「実質破綻」としている。

<倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)>
 A)会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
 B)手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
 C)企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理
(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)

 *グラフ資料・表資料は添付の関連資料を参照

 8月の「チャイナリスク」関連倒産は5件で、3カ月連続で前年同月を下回った。だが、これまでは、「コスト高」を要因した倒産が中心だったが、食品の輸出入、旅行業の(株)中国通商(福岡県、負債約5,000万円、反日問題)のように日中関係の冷え込みで旅行関連事業が打撃を受け、8月4日に福岡地裁から破産開始決定を受けたケースも発生した。
 衣料品の検品、補修加工の(株)トワロンド(岐阜県、負債2億8,700万円、コスト高)、婦人靴販売の(株)エヌプラス(東京都、負債約1億3,000万円、コスト高)のように、負債が1億円を超える倒産も複数発生し、負債総額は前年同月より15.6%増加した。
 1−8月累計は73件で、前年同期の58件から25.8%増となった。負債額別では、1億円以上の倒産が58件と前年同期の45件から28.8%増加、やや大型化の兆しがみえてきた。中国国内の人件費上昇で製造コストが高止まりしており、トワロンドやエヌプラスのように製造や加工を中国に依存するアパレル関連企業で、比較的大きな負債を抱えた倒産が目立つ。
 今後も製品や商品の差別化に遅れ、競争力を強化できない企業がコスト高を吸収できずに行き詰まる可能性が高まっている。





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