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凸版印刷、顔料などの色素を使わずに色を示す構造発色シートを開発

2016-08-18

凸版印刷、生物模倣で新素材を開発
〜色素を使わず、ナノ構造が色を示すため、屋外でも褪色しない〜


 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、光の反射と散乱を制御するナノ構造設計技術と多層薄膜形成技術の融合によって、顔料や染料などの色素を使わずに、色を示す構造発色シート「モルフォシート」を開発しました。偽造防止やブランドプロテクションなどのセキュリティ商品や屋内外でのプロモーションツール向けの製品として、2017年度中の実用化を目指します。

 構造発色シート「モルフォシート」は凸版印刷が培ったナノ構造をコントロールする技術により実現しました。具体的には、ナノインプリント技術により形成したナノ構造上に金属薄膜を多層に成膜することで、光の反射と散乱を制御し、ナノ構造と多層薄膜によって色を表現することが可能となります。構造や多層薄膜による物理的相互作用で発色するため、顔料や染料を使用した従来のものと比較して、太陽光や蛍光灯などの紫外線による褪色がなく、鮮やかな色が長持ちします。

 ※製品画像は添付の関連資料を参照

■開発の背景
 インダストリー4.0を見据え、ヨーロッパやアメリカを中心にバイオミメティクスと言われる生物の持つ優れた機能や原理を模倣する技術分野が注目されています。2015年12月にはバイオミメティクスに関する国際標準ISOが制定され、設計や製造などのプロセス標準化の検討がなされています。日本においても、文部科学省の新学術領域として「生物規範工学」が採択され、生物学・史学・工学・情報工学が連携したバイオミメティクスに関連する研究・技術開発が進められています。また、バイオミメティクスは国内外の大学や研究機関だけでなく、民間企業でも研究が行われ、産業界に新しい刺激と発想をもたらすと大きな期待が寄せられています。特に、日本においては、玉虫、モルフォチョウ、カワセミ、孔雀など生物の織り成す構造色が好まれ、これら構造色の再現は長年にわたり研究されています。

 そのような中、凸版印刷ではモルフォチョウの瑠璃色を表現する構造に着目し、自社のコア技術であるナノ構造設計技術と多層薄膜形成技術を活用することにより、その瑠璃色を忠実に再現することに成功しました。

 ※参考画像は添付の関連資料を参照

■構造発色シート「モルフォシート」の特長
・独自のナノ構造設計技術で、構造発色の広視野角を実現
 ナノ構造の形状とサイズ、およびランダムパターン配置の設計によって、表現する色と視野範囲を自由にコントロール。広い視野角を実現しました。
・多層薄膜形成を精密制御する独自技術で、均一な構造発色を実現
 フォトマスク製造で培った薄膜形成技術によって、ナノ構造上に多層薄膜を精密形成することができるため、反射吸収する波長域を狭めることができます。これにより発色の均一性を高めることができます。
・独自のナノインプリント技術によるナノ構造の量産技術を確立
 ナノインプリント技術によって、フィルム上にナノ構造体を大面積で形成することができます。

 なお構造発色シート「モルフォシート」の製造に関する「独自のナノ構造設計技術」は特許出願中です。

■今後の目標
 凸版印刷は構造発色シート「モルフォシート」をセキュリティやプロモーションツールへの活用のため研究開発を進め2017年度中の実用化を目指します。
 また、凸版印刷はバイオミメティクスを活用した技術開発を進め、多彩な機能を持つ製品などに幅広く展開していきます。

 *本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

以上



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