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竹中工務店、都市型水害リスクを低減する植栽空間「レインスケープ」の実証を開始

2016-08-17

都市型水害リスクを低減する植栽空間「レインスケープ」の実証を開始


 竹中工務店(社長:宮下正裕)は、持続可能なまちづくりを目的として、植栽空間を活用した雨水の貯留・浸透空間「レインスケープ」(商標登録出願済)の実証を、竹中技術研究所(千葉県印西市)にて開始しました。
 「レインスケープ」は、豪雨時に地下部分が“雨水貯留・浸透空間”としてピークカットの機能を果たすだけでなく、平常時にも地上部が魅力ある植栽空間として機能し、集客力や企業価値の向上に寄与する技術です。さらに、水質浄化後の雨水利用の促進も図ることで、施設の付加価値向上に貢献します。

 ※参考画像は添付の関連資料「参考画像1」を参照

 今回の「レインスケープ」の実証実験では、一般的なレインガーデン(*1)の水質改善の効果を高める材料の選定を行うべく、約40m2の試験区を3か所に分け、異なる材料構成における貯留水の水質・流量のデータを収集します。このような定量的検証に年間を通じて取組むことで、雨水の貯留やリン・窒素の除去効果等について、機能の向上を目指します。
 今後は、建築の屋根や外構部より集水した雨水を「レインスケープ」で貯留・浸透させることで水質を改善後、水質に応じた敷地内での利用を促進する雨水活用エンジニアリングに取り組んでいきます。

【レインスケープの特長】
 1.実証に基づく材料選定・設計により、高い流出抑制・水質改善効果を発揮し、敷地内においてより使いやすい雨水を回収
 2.上部の植栽において、地域植生の再現による地域の生物多様性への配慮
 3.地産材料の活用とともに、地域らしさや地域の気候風土に根ざした空間デザインにより、地域との連続性に配慮した魅力ある景観を創出


【適用対象】
 ・駐車場や構内道路など、外構として広い集水面積を持つ商業施設・工場・病院等
 ・外構部において、雨水流出対策及び緑化をコンパクトに実施したい建物

実証実験の背景】
 近年都市部では、地球温暖化に伴う気候変動や不浸透域の増加に起因した水害(内水氾濫)が多発しています。これに対し、特定の自治体で雨水貯留槽、雨水浸透トレンチ等の設置が推進されたり、日本建築学会より『雨水活用技術規準』(雨水活用推進小委員会の委員として当社も参画)が発行されたりするなど、雨水の地下浸透及び下水道への流出抑制を図る動きが加速しています。それらの浸透・流出抑制機能を担う従来型のインフラの一部を、植栽空間によって補うレインガーデンと呼ばれる技術が、グリーンインフラ(*2)技術の一つとして注目されています。しかしながら、レインガーデンの各種機能に関わる定量的評価は、国内外において十分ではありません。

*1 レインガーデンとは
 透水性の高い材料を充填した地下部において、敷地や道路から集めた雨水を一時貯留及び部分的に浸透させることで、豪雨時のピークカットや水質改善を図る緑地空間を一般的にレインガーデンと言います。「レインスケープ」は、このような機能の定量的評価と向上を目指しています。

*2 グリーンインフラとは
 生物や生態系が持つ多様な機能をうまく活用した社会基盤をグリーンインフラと言います。グリーンインフラは従来型のコンクリート構造物(グレーインフラ)と比較して、ゲリラ豪雨や浸水といった非常時の防災・減災のみならず、平常時にも気候調整やコミュニティの活性化等の様々な価値を生むことができます。雨水対策としては、浸透トレンチ等のインフラに対し、土壌や植栽の持つ貯水・地下水涵養能力を利用した「レインスケープ」は、代表的なグリーンインフラの一つとして位置づけられます。両者の特徴を踏まえて活用することで、災害に強く、美しいまちづくりに貢献することが可能です。

 ※参考画像は添付の関連資料「参考画像2」を参照



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