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タカラバイオ、カナダでのNY−ESO−1・siTCR遺伝子治療の臨床試験を開始
NY−ESO−1・siTCR遺伝子治療の
カナダにおける臨床試験開始のお知らせ
タカラバイオ株式会社は、siTCR遺伝子治療技術を用いた癌治療薬の実用化を目指し、Princess Margaret Cancer Centre(以下、「Princess Margaret」)の平野直人上級主席研究員・がん免疫療法部門副部門長らと2012年より共同研究を進めています。このたび、Princess MargaretによるTCR遺伝子治療(NY−ESO−1・siTCR遺伝子治療)の第Ib相臨床試験の実施にあたり、カナダ保健省(Health Canada)よりNo Objection Letterを受領しました。これを受け、Princess Margaretでの研究倫理委員会での確認後に、固形癌を対象としたsiTCR遺伝子治療を開始いたします。
NY−ESO−1・TCR遺伝子治療は、癌抗原であるNY−ESO−1抗原をターゲットにした治療です。Princess Margaretが実施する臨床試験において、当社が開発したレトロネクチン法やレトロネクチン拡大培養法、および三重大学の珠玖洋教授らと共同開発したTCR遺伝子導入用レトロウイルスベクター(siTCRベクター)が使用されます。
当社は、本年度中に国内で、滑膜肉腫を対象としたTCR遺伝子治療(NY−ESO−1・siTCR遺伝子治療)の第I/II相臨床試験を開始する予定です。国内およびカナダにおける同治療の臨床試験により、安全性や有効性のデータを取得し、国内で2020年度の商業化を目指します。
<参考資料>
【本試験の概要】
治験課題名:Phase Ib Study of TBI−1301(NY−ESO−1 Specific TCR Gene Transduced Autologous T Lymphocytes) in Patients with Solid Tumors
対象患者:再発難治性の固形癌患者のうち,HLA−A(*)02:01又はHLA−A(*)02:06陽性かつ腫瘍細胞にNY−ESO−1抗原を発現している患者
主要目的:TCR遺伝子導入Tリンパ球の安全性、第II相試験の推奨用量の決定
副次的目的:臨床効果(腫瘍縮小効果)
目標症例数:9例
試験期間:2016年8月〜2018年1月
実施施設:Princess Margaret
【Princess Margaretの概要】
正式名:
Princess Margaret Cancer Centre
(プリンセス マーガレット がんセンター)
設立:1952年
所在地:Downtown Toronto,Toronto,Ontario,Canada
概要:
カナダで最大の癌研究センター。
トロント総合病院、トロントウエスタン病院、トロントリハビリテーション病院などと連携して、癌治療および研究が行われている。
ホームページ:http://theprincessmargaret.ca
【語句説明】
※添付の関連資料を参照