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東芝、トクヤマからCO2フリーで出力100kWの大型純水素燃料電池システムを受注

2016-08-12

トクヤマからCO2フリーで出力100kWの大型純水素燃料電池システムを受注


 当社は、総合化学メーカーの株式会社トクヤマ(以下、トクヤマ)から、出力100kWの純水素燃料電池システムを受注しました。当社が100kWクラスの大型純水素燃料電池システムを受注するのは初めてです。今回受注した製品は、2017年2月に納入され、トクヤマが運営する山口県周南市のプールに設置されます。運転開始は2017年3月の予定です。

 純水素燃料電池システムは、水素と酸素を利用して、水の電気分解と逆の化学反応によって発電するシステムです。都市ガスなどから水素を抽出する家庭用燃料電池エネファーム」とは異なり、水素を直接用いて発電するため、CO2を排出せず、高効率での発電が可能です。当社の純水素燃料電池システムは、固体高分子型(注1)を採用しており、低温動作が可能なため、従来のりん酸型(注2)よりも起動停止がしやすく、かつ短い時間での起動が可能です。

 今回受注した製品は、当社のラインアップの中で最大の100kWの出力を持ち、プールの照明やポンプの動力など、施設で使用する電力の大部分を賄うことができます。発電過程で生じた温水は、シャワーの水を温めるボイラーの予熱として使用されます。また、トクヤマ苛性ソーダ工場で発生しこれまで利用されてこなかった水素を燃料として利用し、発電を行います。なお、トクヤマは環境省委託事業である「地域連携・低炭素水素技術実証事業」に参画しており、今回の製品は同事業における副生水素の利活用検証に活用されます(注3)。

 当社グループは、産業用の大型燃料電池システムの分野で豊富な実績を持っているほか、小型の分野でも、2016年2月から世界最高水準の効率を達成した出力700Wの純水素燃料電池システムの販売を開始しています。「エネファーム」の長寿命性に関する技術や、高効率な純水素燃料電池システムを実現した燃料電池セルスタック(注4)の技術を大型の燃料電池に応用したことにより、純水素燃料電池システムの大型化が可能となり、今回の受注に至りました。

 当社は今後も、水素の製造から利活用まで様々な水素関連技術の開発を進め、水素社会の実現に貢献していきます。

 注1 固体高分子型(PEFC):イオン伝導性を有する高分子膜(イオン交換膜)を電解質として用いる燃料電池。低温動作による起動停止がしやすいため、主に自動車用、家庭用(エネファーム)として使用されています。

 注2 りん酸型(PAFC):りん酸水溶液を電解質として用いる燃料電池。商業用や産業用の比較的規模の大きなコージェネレーションシステムとして使用されています。

 注3 今後、環境省との協議等により実証内容・実施計画については、変更の可能性があります。

 注4 セルスタック:燃料電池で電気を発生させるセルとよばれる板状の基本部材を積み重ねたもの。

■受注した製品のイメージ図

 ※添付の関連資料を参照



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