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ローム、小型汎用モジュール「BP35C0」とUSBドングル「BP35C2」を開発
電力自由化サービスとスマートメーターをつなげる「Wi−SUN(ワイサン)」通信に対応した
業界最小モジュール「BP35C0」とUSBドングル「BP35C2」を開発
〜ホームゲートウェイ後付けでWi−SUN環境を実現し、新サービスの普及に貢献〜
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、IoTやスマートメーターを始めとするスマートコミュニティ構築に最適な国際無線通信規格「Wi−SUN(Wireless Smart Utility Network)」(*1)対応の小型汎用モジュール「BP35C0」、USBドングル「BP35C2」を開発しました。
「BP35C0」は、業界トップクラスの受信感度を持つ無線通信機能とマイコン、大容量メモリを内蔵するラピスセミコンダクタ製無線通信LSI「ML7416N」(*2)を搭載した、アンテナ外付けの面実装Wi−SUNモジュールです。マイコンにWi−SUNのファームウェアを書き込み済み、日本の電波法に準拠し、業界最小クラスの15mm×19mmサイズを実現しているため、Wi−SUNを使って新しいサービスを実現したいHEMSコントローラーや各種家電など小型通信機器への採用に最適です。
一方、「BP35C2」は、BP35C0を搭載した電波法認証取得済みのUSBドングルとして、既存のホームゲートウェイなどに後付けできるため、簡単にWi−SUN環境を構築することが可能です。
これら2つの新製品は、2016年8月から月産5万個の体制で量産(サンプル価格 BP35C0 8,000円/個:税抜、BP35C2 16,000円/個:税抜)を開始しています。
今後もロームはスマートコミュニティやIoT市場向けに、誰でも手軽に通信環境の構築が可能になる無線通信製品の開発を行っていきます。
※製品画像は添付の関連資料を参照
<背景>
経済産業省は「エネルギー基本計画」において、電力受給の効率化を目的に「2020年代早期にスマートメーターを全世帯・全事業所に導入する」としており、現在、家庭へのスマートメーター導入が急速に進められています。それに対して、電力会社はスマートメーターで構築するネットワークに、低消費電力で通信距離に優れる「Wi−SUN」を採用しており、家庭内ネットワーク(HAN)も含めてWi−SUN通信搭載機器が活躍するシーンが増えています。
そして2016年4月、電力自由化が導入されたことにより、このネットワークを使った新しいサービスが立ち上がるようになってきました。
ロームは、通信事業者や電力事業者含む約100社からなるWi−SUN Allianceに参画、グループ会社ラピスセミコンダクタ製の無線通信LSIを搭載したWi−SUNモジュールを業界に先駆け量産を開始し、CTBU(規格テストの基準器)にも採用されるなど、ロームグループ全体でWi−SUN製品の開発を行っています。現在は、プロモーターの立場から展開・普及にむけた活動も行っています。
※参考資料は添付の関連資料を参照
以上
※リリース詳細は添付の関連資料を参照
<用語説明>
*1)国際無線通信規格「Wi−SUN(Wireless Smart Utility Network)」
特定小電力無線やSub−GHz(サブギガヘルツ)といわれる無線周波数帯を使用する無線通信規格のこと。日本では920MHz帯に相当する。無線LAN(Wi−Fi)と比較して低消費電力で通信距離が長いという利点から、スマートメーターや交通インフラなどのスマートコミュニティの他、農業など幅広い分野への展開が期待されている。
*2)ラピスセミコンダクタ製無線通信LSI「ML7416N」
ロームグループのラピスセミコンダクタが開発した920MHz帯無線通信機能(RF)とマイコンを1チップ化した無線通信LSI。業界トップクラスの受信感度−103dBm(100kbps、BER<0.1%)を持つ無線機能、業界標準32bitのCPUコア「ARM(R)Cortex(R)M0+」、Wi−SUNを実現するのに必要な512KB Flash・64KB RAMといった大容量メモリを搭載したことで、Wi−SUN対応無線機器に必要なコア機能を1チップで実現できる。
*3)ECHONET Lite
エコネットコンソーシアムが策定した家電などの制御や電力消費量の把握をネットワーク経由で行う通信規格のこと。