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東京商工リサーチ、国内112銀行の「リスク管理債権状況」調査結果を発表

2016-07-22

[特別企画]
国内112銀行(2016年3月期単独決算ベース)
リスク管理債権状況」調査
リスク管理債権合計3年連続で減少〜


 国内112銀行の2016年3月期決算が公表された。金融機関の不良債権を表す「リスク管理債権合計」は8兆412億円で、前年同期より8.0%減少し、3年連続で前年同期を下回った。また、3月期としては調査を開始した2008年3月期以降では最小額となった。業態別では、大手行が7行のうち5行、地方銀行が64行のうち57行、第二地銀が41行のうち33行で前年同期を下回り、リスク管理債権額は大手行(前年同期比8.5%減)、地方銀行(同7.2%減)、第二地銀(同9.2%減)の全業態で減少した。
 112行の「貸倒引当金合計」は3兆3,713億円(同5.8%減)だった。リーマン・ショックが発生した2009年3月期をピークに7年連続で減少。16年3月期で貸倒引当金を積み増した銀行は34行(大手行2行、地方銀行22行、第二地銀10行)で、前年同期(21行)より13行増加した。
 112行の「貸出金合計」は493兆6,298億円(前年同期比2.6%増)と5年連続で増加し、2008年3月期以降で最大となった。一方で、「貸出金利息合計」は6兆2,620億円(同2.0%減)で、2年ぶりに減少し、2008年3月期以降で最小となった。また、貸出金に対して貸出金利息は1.2%と、年々低下していて、2008年3月期に比べ1ポイントも縮小するなど、銀行間での金利競争の激しさが数字となって示される結果となった。
 3月期としては3年連続でリスク管理債権額は減少しているが、業績改善が遅れた中小企業は未だ多く、また人手不足や人件費高騰など懸念材料もあり、引き続きリスク管理債権の推移が注目される。
 ※本調査は国内112銀行の2016年3月期決算の単独決算ベースで、リスク管理債権(破綻先債権、延滞債権、3カ月延滞債権、貸出条件緩和債権)を集計し、分析した。
 ※銀行業態は、1.埼玉りそなを含む大手行7行、2.地方銀行は全国地銀協加盟行、3.第二地銀第二地銀協加盟行。

リスク管理債権3月期としては最小
 112行の2016年3月期のリスク管理債権合計は8兆412億円で、前年同期(8兆7,408億円)より6,996億円減少(8.0%減)した。貸出金に占めるリスク管理債権比率は1.6%で、前年同期(1.8%)より0.2ポイント改善した。
 リスク管理債権の内訳をみると、「延滞債権」が5兆9,110億円(前年同期比4.9%減)、「3カ月以上延滞債権」が903億円(同1.4%減)、「貸出条件緩和債権」が1兆7,365億円(同20.5%減)と、前年同期を下回った。
 「破綻先債権」は3,027億円(同25.1%増)と唯一、前年同期を上回ったが、リーマン・ショック時の2009年3月期(1兆4,760億円)の2割(20.5%)まで圧縮された。
 融資先の業績改善や再生ファンドの支援で再建計画を策定したことで、債務者区分を引き上げた可能性もあるが、依然として業績改善が遅れた中小企業は多い。金融庁が2016年6月に公表した中小企業者向けの金融機関の貸付条件変更等の状況(2016年3月末)では、2015年10月−2016年3月の半年間の申込件数は50万95件と、依然として申込件数は約50万件で高止まりしている。

 *グラフ資料などリリース詳細は添付の関連資料を参照




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