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東京商工リサーチ、上半期(1−6月)「チャイナリスク」関連倒産の調査結果を発表
〔特別記事〕
「チャイナリスク」関連倒産
〜上半期の倒産件数、前年同期比1.5倍増の62件〜
2016年上半期(1−6月)の「チャイナリスク」関連倒産は62件(前年同期比55.0%増)だった。負債総額は489億8,200万円で前年同期から半減(前年同期939億900万円、前年同期比47.8%減)した。2015年4月に江守グループホールディングス(株)(TSR企業コード:600000702、法人番号:6210001000419、福井県)が負債711億円を抱え東京地裁に民事再生法の適用を申請したが、当期はこれに匹敵する大型倒産は発生せず、大幅に減少した。
6月の倒産は、件数が8件(前年同月比11.1%減)、負債総額は65億2,300万円(同30.7%増)だった。倒産に集計されない事業停止や法的申請の準備中などの「実質破綻」は2件(前年同月1件)発生した。
■「チャイナリスク」関連の集計基準
「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
1.コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
2.品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
3.労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
4.売掛金等回収難(サイト延長含む)
5.中国景気減速(株価低迷、インバウンド落ち込み、中国子会社の受注減など)
6.反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
7.価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
8.その他
※2016年4月の発表分から、より実態に即した集計とするため、集計基準に「7.価格競争」、「8.その他」を追加した。2016年3月以前の発表分についても遡って計上している。
※「チャイナリスク」関連の経営破綻は、下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「法的申請の準備中」などは、倒産とは区別し「実質破綻」としている。
倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)
A)会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
B)手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
C)企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)
※「チャイナリスク」関連倒産の集計開始は2014年1月。
*表資料・グラフ資料は添付の関連資料「表資料・グラフ資料1」を参照
■要因別 「コスト高」が最多の39件
要因別の最多は、中国国内の人件費高騰に伴う製造単価の上昇や為替変動による輸入費用の増大などの「コスト高」で39件(構成比62.9%)だった。次いで、中国の在庫調整に伴う相場下落などの「価格競争」が12件(同19.3%)。中国子会社の受注減などの「中国景気減速」は5件(前年同期1件)で大幅に増加した。
*表資料・グラフ資料は添付の関連資料「表資料・グラフ資料2」を参照
*リリース詳細は添付の関連資料を参照