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パナソニック、マルチホップ機能搭載の「HD−PLC」IPコアのライセンス提供を開始

2016-07-06

既設の電力線使用と自動ルーティングで数kmの伝送が可能
マルチホップ機能を搭載した「HD−PLC」IPコアの
ライセンス提供を開始
大型ビルや工場、電力網など産業用途にも有効活用できる


 パナソニック株式会社 AVCネットワークス社は、従来からIPライセンス提供してきた高速電力線通信「HD−PLC」(注1)に関し、通信距離を数kmまで拡張し自動で最適な通信経路選択を行うことができるマルチホップ機能を搭載した「HD−PLC」IPコアのライセンス提供を本日より開始します。

 「HD−PLC」は、電力線を通信線として用いるもので、新たに通信ケーブルを張ることなく、有線による安定した最大速度240Mbps(物理速度)のネットワーク通信を可能にします。当社はLANの通信規格であるIEEE 1901(注2)対応の「HD−PLC」Completeのライセンス提供を2010年より行ってきました。さらに今回、通信距離を数kmまで拡張できるマルチホップ機能搭載の「HD−PLC」IPコアの提供を追加するものです。

 このマルチホップ機能は、パナソニック株式会社 エコソリューションズ社が開発し、国際標準規格ITU−T G.9905で採用されたマルチホップ通信プロトコル(CMSR)(注3)の技術を応用したものです。従来の「HD−PLC」は、2つの端末の間を1対1通信するものでしたが、マルチホップ機能により、1つの端末から他の複数の端末へデータを次々に飛び越え(ホップ)させることで、通信距離を伸ばすことができます。親機1台あたり端末1000台規模のシステムが実現可能で、複数の端末間のホップにより、最長数km程度の長距離通信も可能です。(最長通信距離は通信環境の条件により変わります)。

 また、ルーティング負荷を軽減し、伝送特性の変動に対応して通信ルート探索を自動で行う機能を備えています。これにより多数の端末による設置設計を容易化できるほか、運用時にはある端末に故障が発生した場合でも通信ルートを自動変更し保守性の省力化を実現することができます。このため、無線通信が困難で不安定なビル内、屋外の環境に設置する場合であっても、既設の電力線を利用してマルチホップ機能による長距離伝送を実現します。

 なお、同「HD−PLC」IPコアについては、株式会社メガチップス様に先行開発のための提供を行い、すでに同社よりマルチホップ通信高周波PLC通信LSI「BlueChip PLC Multi−hop」(型番:KL5BPLC250WMP)が開発され、市場出荷を開始しています。このような中、当社は、すでに製品化された実績を持つ「HD−PLC」IPコアをこのほど幅広く一般にライセンス提供することといたしました。

 当社は今後、産業分野のほか従来の通信手段では対応困難であった分野での活用拡大に向けて、LSIベンダーへのライセンス提供と、関係企業団体への具体的ユースケースの提案を行い、お客様の通信手段や作業環境の向上改善に「HD−PLC」技術で貢献していきます。

 注1:「HD−PLC」:パナソニック(株)が提唱する高速電力線通信方式の名称で、日本及びその他の国での登録商標もしくは商標です。
 なお、PLCはPower Line Communicationの略称です。

 注2:IEEE 1901:米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)傘下の通信規格に関する標準化委員会

 注3:CMSR:Centralized Metric based Source Routingの略。


以上





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