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富士経済、一般用医薬品の国内市場調査結果を発表
ドリンク剤、疲労対策、美容関連、肩こり・関節痛関連、その他外用薬など
一般用医薬品の国内市場を調査
―2015年市場と2016年市場見込(前年比)―
■しみ改善薬――15年、リニューアル品続伸、販促強化、インバウンドで136億円(25.9%増)。
16年、参入企業による注力度の維持及び強化で150億円(10.3%増)
■強肝解毒栄養剤――15年、リニューアルと新製品投入で35億円(6.1%増)。
16年、好調が続き39億円(11.4%増)
■液体絆創膏――15年、一部製品大幅なインバウンド取り込み成功で21億円(50.0%増)。
16年、インバウンドが落ち着き15億円(28.6%減)
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、一般用医薬品(市販薬・OTC)17分野75薬効の市場を調査している。まずはドリンク剤、疲労対策、女性関連、フットケア、美容関連、肩こり・関節痛関連、小児用薬、その他外用薬、環境衛生用薬、9分野36薬効の調査結果を報告書「一般用医薬品データブック 2016 No.1」にまとめた。
この報告書では、「注目のインバウンド動向」「SNS/ネットプロモーションの活用状況」「ユーザー構成/利用シーン特性の分析」を明らかにし、より実践的な市場分析を行った。
2015年の一般用医薬品は、前年の消費税増税、要指導医薬品の登場、第1類製品のインターネット販売の解禁などの市場環境の変化が落ち着き、品目によっては例年の市場の動きを取り戻したが、苦戦した品目もみられた。
また、訪日外国人向けのインバウンド需要獲得の動きが加速した。2014年より一般用医薬品も免税対象となったことで、中国人観光客を中心とした「爆買い」効果で参入企業各社の実績は伸長した。
<注目市場>
■しみ改善薬(美容関連)
2015年 前年比 2016年見込 前年比
136億円 125.9% 150億円 110.3%
安定したユーザー確保には至らないまま2009年の改正薬事法により第1類となり、市場は縮小推移をたどっていたが、2014年に第一三共ヘルスケアが「トランシーノ」のリニューアルとともに、シリーズに新ラインアップを投入したことで7年ぶりに拡大となった。
2015年は引き続き「トランシーノ」が好調だったことに加え、エスエス製薬が「ハイチオール」シリーズの新たなラインアップとして「ハイチオールCホワイティア」を発売し、販促を強化したことで大幅に実績を伸ばし、市場拡大をけん引した。また、インバウンド需要も市場を押し上げた。インバウンド売上は2015年に市場の約15%となった。2016年の市場は参入企業による注力度は維持及び強化されるとみられ、二桁成長が見込まれる。また、新規参入企業の出現も期待される。
■強肝解毒栄養剤(疲労対策)
2015年 前年比 2016年見込 前年比
35億円 106.1% 39億円 111.4%
強肝解毒栄養剤は、薬効分類上、滋養強壮剤に分類され、肝臓水解物、L‐システインなどを配合し、肝臓への作用やアルコールの分解・解毒を効果効能としている。中高年層の利用が多いが、若年層の掘り起しも進められており、ユーザーも一定規模は存在する。二日酔い対策では胃腸内服液やハウス食品「ウコンの力」に代表される食品ドリンクと競合する。市場は2000年代前半までは低調な推移が続いていたが、2007年に新製品投入による市場の底上げが図られ、2009年はゼリア新薬工業が「ヘパリーゼ」ブランドのプロモーション強化を図っており、以降市場は拡大推移している。
2015年はゼリア新薬工業が「新ヘパリーゼプラス」をリニューアルし、佐藤製薬が「レバウルソ」の新ラインアップ「レバウルソゴールド」を追加するなど、活発な動きがみられたことで、市場は拡大した。ゼリア新薬工業の「ヘパリーゼプラスII」が続伸し、また、「レバウルソゴールド」も好調であることから、当面市場は安定推移が続くと予想される。今後はメインユーザーの高年齢化が進むことから、市場をさらに拡大させていくためには、新たなユーザーを開拓していく必要があり、継続的な製品改良や販促活動の見直しが必要となる。
※リリース詳細は添付の関連資料を参照
以上