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東レ・メディカル、人工腎臓装置「多人数用透析液供給装置TC−R」を本格販売
人工腎臓装置の新製品(多人数用透析液供給装置 TC−R)の本格販売について
東レ・メディカル株式会社(本社:東京都中央区 社長:大志万俊夫 東レ100%出資)は、この度、静岡事業場(静岡県沼津市)にて新たに開発し、2015年11月16日に厚生労働省から製造販売承認を取得した「多人数用透析液供給装置TC−R」(以下、TC−R)を2016年6月から本格発売します。
TC−Rは、『安全性・信頼性、操作性・作業性、高機能化、透析液清浄化』を高いレベルで具現化することで安全・安心で快適な透析環境を実現します。当社が展開する従来製品(多人数用供給装置 TC−HI(以下、TC−HI))からデザインを一新し、透析液調製・供給能力の向上、ETRFによる透析液清浄度の強化など市場ニーズに応えた特長を有しています。
※製品画像は添付の関連資料を参照
【多人数用透析液供給装置】
市販の透析液原液(A原液、B原液)と透析用水(RO水)を所定比率で正確に混合して多量の透析液を調製する装置です。調整後の透析液は多数台の透析用監視装置に供給され、透析治療に使用されます。このような方式は日本独自でセントラルシステムと呼ばれ、国内の主流(約8〜9割)となっています。
【TC−Rの主な特長】
(1)バックアップ機能
透析用水の流量計およびA、B原液注入ポンプの二系統化により、一系統が故障した場合(単一故障状態)でも透析治療を安全に継続することができます。
(2)装置のスリム化(装置幅は国内最小)
TC−HIに比べ装置幅および設置面積を10%縮小し、設置・メンテナンス環境が向上しています。
(3)透析液の調製・供給能力の向上(供給能力は国内最大)
TC−HIに比べ、透析液調製・供給能力が1.4倍に向上し、透析用監視装置を最大70台(TC−HI:50台)まで連動運転することができます。
(4)濃度フィードバック機能
透析液原液の濃度が一時的に変動しても、原液注入量を自動調整することで安定した透析液を継続的に供給することができます。
(5)原液ラインETRFユニット
A,B原液ラインに、透析用水由来の細菌やエンドトキシンに対する高い除去性能および耐久性を有したエンドトキシン捕捉フィルタ“TORAY ETRF TE−12R”を取付けることで、より高い清浄度の透析液が調製できます。
弊社は世界で唯一、透析用RO装置から透析装置および透析管理システムに至るまでの統合的な透析システムを自社で一貫製造している透析装置メーカで、海外展開も積極的に行っています。
日本国内における透析患者数は約32万人で、年間約6,000人増加し、今後もしばらく増加することが予想されています。弊社は、市場ニーズに対応した透析装置システムと高性能で生体適合性に優れた透析器(ダイアライザの“フィルトライザー(R)”、“トレライト(R)”、ヘモダイアフィルタの“トレスルホン(R)”)等を軸に更に透析事業の拡大を図り、安心、安全で効果的な透析医療の実現に向け、高品質な透析関連製品を提供すると共に、透析患者さんのQOL(クオリティ オブ ライフ)向上、医療従事者の利便性改善等のお役に立ちたいと考えております。
以上
−補足資料−
※添付の関連資料を参照