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鹿島、建物地上部に使える環境配慮型コンクリート「エコクリートRBLS」を開発

2016-06-14

建物地上部に使える、鹿島の新しい環境配慮型コンクリート
「エコクリートRBLS」を開発


 鹿島(社長:押味至一)は、高い環境性能・品質・経済性を兼ね備えた、新しい環境配慮型コンクリート「エコクリートRBLS(※)」(特許出願済)を開発しました。本コンクリートで用いるセメントは、製造時におけるCO2排出量を一般的なセメントより25%削減しながらも、建物地上部への適用が可能であるなど高品質で汎用性が高く、さらに普通コンクリートと同レベルの材料コストを実現した、画期的なコンクリートです。
 鹿島は、『鹿島環境ビジョントリプルZero2050』を掲げ、CO2排出量削減活動等を積極的に推進しています。2014年にNEDOプロジェクトにおいて1大学7社で共同開発した「ECMRコンクリート」と併用することで、低炭素型の建築物の普及展開を図り、低炭素社会の実現に貢献してまいります。
 ※「BLS」=Blast−furnace slag(高炉スラグ)Low Shrinkage(低収縮)

 *参考画像は添付の関連資料「参考画像1」を参照


<開発の背景>
 建築物を構築する上で不可欠な建設材料であるコンクリートは、セメント、細骨材、粗骨材および水で構成されます。このうち、セメントを製造する際に発生するCO2量が圧倒的に多く、セメント1tあたりの排出量が750kgと、全体の99%を占めています。地球温暖化防止対策の一環としてCO2削減を積極的に推進するためには、建物本体で低炭素化を図る必要があり、そのためCO2排出量が少ない低炭素セメントを用いたコンクリートが求められています。
 代表的な低炭素セメントとして高炉セメントB種(注1)があげられますが、本セメントを用いたコンクリートは建物の耐久性に大きく関わる中性化に対する抵抗性が低く、また、特に夏期高温時においては乾燥収縮によるひび割れが生じる等の問題があるため、適用先が主に外気の影響を受けにくい地下躯体に限定されます。さらなるCO2削減のためには、一般的に建物本体の6〜8割程度を占める地上躯体にも使用可能な低炭素コンクリートが望まれていました。
 そこで鹿島は、中性化しにくく使用に制限のない高炉セメントA種(注1)を改良し、CO2排出量を削減しながら、地上躯体に使用でき汎用性に富む「エコクリートBLS」を開発しました。また、低炭素コンクリートに対し強い社会的ニーズがある一方で、そのコストの高さが普及に際しての障壁となっていますが、「エコクリートBLS」は、普通コンクリートと同レベルのコストを実現しました。


<「エコクリートBLS」の概要>

○高い環境性能 ―CO2排出量25%削減
 コンクリートの主原料として一般的な普通ポルトランドセメントの一部を、高炉スラグ微粉末(高炉で銑鉄を作る際に発生する副産物)と、膨張材と共通の成分を含む新しいカルシウム系混和材に置き換えることにより、一般的なコンクリートに比べコンクリート製造時に排出されるCO2量を25%程度(▲64kg/m3)削減することが可能となりました。住宅を除く一般的なRC建物は地上躯体・地下躯体の割合が7:3程度ですが、これを基に試算すると、地上に「エコクリートBLS」、地下に高炉セメントC種(注1)を使った「ECMコンクリート」を適用することで、建物本体におけるCO2削減率としては最高レベルといえる40%程度を実現します。

 *参考画像は添付の関連資料「参考画像2」を参照


○高品質で経済的
 「エコクリートBLS」は、日本建築総合試験所(注2)の性能証明を取得しており、JISに適合しています。加えて、高いひび割れ抵抗性(注3)や耐久性が証明されている等、高品質を実現しながら、適用部位を選ばない汎用性を兼ね備えています。また、都内の生コン工場からの出荷体制も既に確立しており、コストは同一設計基準強度において、一般的なコンクリートと同等のレベルを実現しています。

 *参考画像は添付の関連資料「参考画像3」を参照


<適用事例>
 東京都内に鹿島が建設中のKTビル(CFT造)において、床スラブ全面に「エコクリートBLS」を適用しました。本工事では、鹿島が2014年に開発した「KKCコンクリート」もCFT充填に併用しており、その結果これまで有効なCO2削減手段がなかった地上躯体において、一般的なコンクリートよりもCO2排出量を30%削減できました。また、コンクリート施工後半年以上を経ても床スラブにはひび割れは確認されていません。床スラブの実測データをみても、本コンクリートの高いひび割れ抵抗性が実証され、高い品質が確認できました。

 *参考画像は添付の関連資料「参考画像4」を参照


<今後の展開>
 都内の生コン工場を対象として、「エコクリートBLS」出荷体制を整備していくことで、鹿島は今後「エコクリートBLS」のさらなる普及展開を図り、低炭素社会の実現に貢献していきます。

 注1 高炉スラグ含有率がそれぞれ、高炉セメントA種は5〜30%、B種は30〜60%、C種は60〜70%
 注2 建築基準法に定める指定性能評価機関
 注3 高炉B種コンクリートのひび割れ発生材齢を1とし、その他のコンクリートのひび割れ発生材齢をひび割れ抵抗性の比率と定義して評価


■参考:環境配慮型コンクリートの特徴比較

 *参考資料は添付の関連資料を参照


 エネルギー消費とCO2排出を6割以上削減できるECMセメントを開発(2014年8月5日プレスリリース
 http://www.kajima.co.jp/news/press/201408/5c1-j.htm
 環境配慮型CFT充填用“KKCコンクリート”の開発(2014年6月9日プレスリリース
 http://www.kajima.co.jp/news/press/201406/9a1-j.htm



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